夏の贅沢味噌づくり
TONJIRU STANDのメンバーになってからというもの、味噌にはまっています。我が家のお味噌はここのところ手作り。
昨日はお味噌を作ってきました。
場所は吉祥寺です。
学生の頃からずっと慣れ親しんだ街、久しぶりの吉祥寺。
歩くのも楽しい。
方向音痴のわたしでも迷わず歩ける数少ない場所です。
駅からちょっと歩いたところに秘密基地はありました。
一歩足を踏み入れたら本当に別世界が広がっていました。
まずはヤマシタさんと、この梅雨時の日本の中にあってきちんと着物を着こなしている奥様の田島明日香さんがお出迎え。
お二人の笑顔とその場のおしゃれ感にさっと外の蒸し暑さを忘れさせるような、素敵な空間でした。
すっかり準備が整っていました。
器もおしゃれです。
この四角い陶器の中には味噌づくりに使う塩が入っています。
この素敵な場所を共同運営されているお一人が作られた陶器の器。
ものすごく素敵です。
この器をはじめ、お店で使っているものたちはお店がオープンしたら購入できるとのこと。オープンが待ち遠しい。
お店は紹介制、完全予約制なのだそう。
さて、圧倒的なおしゃれ感に思わず写真を撮っているうちに続々と参加者が到着。
さらに今回の味噌づくりを教えてくださる小倉ヒラクさんも到着。
TONJIRU STANDの赤レンジャーこといわあゆとヒカリエの展示を見に行ってから、その存在を知ったわたし。
(※TONJIRU STANDについてはこちらをどうぞ↓)
さて、少し話がそれましたが、今日はヒラクさんにもお目にかかれるということで朝から発酵文化人類学を読み直してやってきたのです。(気合い入ってました)
そして、今日の素敵な会場を共同運営されているヤマシタさんと奥様のフードスタイリスト田島明日香さんは毎年味噌作りをされているそうですが、今回夏場に味噌を仕込むのははじめてなのだそうです。
夏仕込みの味噌は発酵が早く進むので冬に仕込む味噌よりも早く食べられるとのこと。楽しみ。
いよいよ味噌造りスタートです。
まずは麹をばらばらにして塩と混ぜ混ぜ「塩きり」
塩きりしている間もヒラクさんのヨーロッパやアジア発酵見聞録は続きます。日本人でもたぶん、誰も行っていないようなベトナムの村の発酵食品の話や発酵の歴史など、本当に面白い。
お話はどんどん発酵?していき、恋愛相談の話まで。
「こじらせ女子の恋愛相談とかもよく受けるんです、よかったら今日恋愛相談ものりますよ」
もうちょっと時間があったら相談してしまっていたかもしれない・・・w
参加者のかたもヒラクさんのお話を聞きながら、写真を撮りながら、すごく贅沢な味噌造り時間を過ごしています。
阿波番茶、すっきりしていてとても美味しい。
しかもこのグラスで飲むのが最高に美味しい。
これも発酵食品です。
ヤマシタさんと田島さんが作られた味噌をキュウリにのっけて試食。
小皿にのった味噌は「ほっとんど麹の味噌」「ひよこ豆の味噌」「つぶさずに作った味噌」
塩きりした麹
奥様が前日から大豆を仕込んでくれていました。
大豆を選別し、一日半水につける、そして3時間半コトコトと煮る・・・
味噌づくり、コレが一番手間がかかるところです。
ビニール袋の上からつぶしていきます。このつぶし加減がけっこう個人差のでるところ。
つぶしながらヒラクさんのお話を聞ける、なんとも贅沢。
納得いくまでつぶしたら、塩きりした麹と混ぜ合わせます。
よく混ぜ合わせたら、味噌玉を作って保存容器に投げ入れます。
投げ入れるのは空気を抜くため、空気が入ってしまうとカビが生えてくるのです。
しっかりぎゅうぎゅうしたら、塩で蓋をします。
わさび玉を上に乗せたらできあがり。夏仕込みの味噌は3ヶ月くらいで食べられるとのこと。
また味噌の楽しみが増えた・・・。
味噌づくりはあっという間に終了です。
ヒラクさんの著書の中にも出てくる、発酵食品。
くずもちをみんなで食べました。
今回の味噌づくりはヒラクさんの著書「日本発酵紀行」付き。
ヒラクさんにイラスト入りのサインをしてもらいました。
重版がまた決まったこの本。今回いただいた本は超貴重な初版です。
ああ、本のタイトルがボケてしまった・・・
帰ってから読みました。タイトルの通り、読み進めていくうちにまるで自分が日本中を発酵を求めて歩いているような気分になります。
そして、本当に日本のこと全然知らなかったなと改めて思います。
発酵という視点からこんなに奥深く追求できるとは、とにかく圧巻の一冊。
Amazonでは買えないらしいです。ヤマシタさんのお店でもしかしたらサイン入り初版が買えるかも・・・しれません。
わたしはヒラクさんの著書「発酵文化人類学」でお味噌と文化について書かれているこの部分がとても印象的でした。
買うだけで、自分でつくらなくなった消費者は「味噌とはそもそも何なのか」を忘れてしまう。すると「よくわからないものだったらなるべく安いヤツにしよう」と言うことになり、メーカーもそのニーズに応えて、原料や製法を妥協した安価な商品を大量供給してしまう。
やがて「メーカーは不当に儲けようとしている」「消費者は味の違いなんてわからない」というすれ違いが生まれてしまう。そのすれ違いを放っておくと、いつしか文化そのものが消滅してしまうかもしれない。
これって味噌だけじゃなくて、他の文化についてもそうだし、わたしが今仕事にしている手編みについても同じことが言えるなと思っています。
そんなことを考えながら、迷わず歩ける吉祥寺を後にしました。
それにしても、本当におしゃれな空間だった・・・
いつも読んでくださりありがとうございます⤴️いただいたサポートで、仲間にコーヒーとかお菓子をごちそうしたりします⤴️⤴️Katy