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【絵本 水の絵本】と【深呼吸の必要】

地球は水の星 人はみな水の星の子ども
みえてはいるが 誰れもみていないものを みえるようにするのが、詩だ。
これは長田弘さんのことばです。

【並べて楽しい絵本の世界】


前回の記事、【エミリ・ディキンスン家のネズミ】をきっかけに、翻訳者である長田弘さんの詩を読んでいました。
そして、こちらの絵本、つづられているのは、長田弘さんの詩、絵は荒井良二さんです。

すいそと さんそだけで できている とても かんたんなもの

その「水」を詩人は詠んでいきます。
読む人それぞれに、記憶の中の水とのふれあいを 思い出していくかもしれません。

どんな かたちも してなくて
どんな かたちにも なれるもの


私たちの住む土地には、当たり前のように豊かな水があります。
山間を流れる水、その水が流れ込む湖、流れ出る海。

渓流

生きとし生きるものすべて、水はすべての源。
美しく、清らかで、ときにやさしく ときに厳しく。

みえてはいるが 誰れもみていないものを みえるようにするのが、詩だ。

都会で生まれ育った筆者は、身近な水と言えば 蛇口から出てくる水と、プールです。もちろん海にも山にも湖にも行ったことはありますが、生活の中に、このような自然の水はないのです。

時々、自然に触れるために、自然を描いた本が必要になります。

なみだのように こぼれるもの
あめのように ふってくるもの

荒井良二さんの絵と 長田弘さんの詩が、それをみえるようにしてくれます。
その水にさわれるように思い描かせてくれます。

【深呼吸の必要】
文庫で読めます。映画にもなりました。
この詩集は、私にこのように問いかけています。

きみは いつおとなになったんだろう。きみは いまはおとなで、子どもじゃない。子どもじゃないけれども、きみだって、もとは一人の子どもだったのだ。

湖

絵本を見ながら、思い出してみました。
夏ごとに 海辺に住む祖母の家に遊びに行っていました。
その時 私は子どもだった。
秋にはハイキングに行き、流れ落ちる滝をみた。
その時もたしかに子どもだった。
冬には温泉に行き、温泉プールで体がふやけるほど泳いだ。
幸福な子どもだった。

どこから、おとなになったのか。
たぶん、自分が子どもを産んだ時からかもしれない。
そう思いました。

子どもたちも自立して 家を出て、老いた母との暮らしでは、今は旅行もままならないけれど、たくさんの記憶をプレゼントしてもらった子どもでした。

たいせつな たいせつな 水のことを、ページをくりながら
ゆっくり感じてみます。


地球は水の星 人はみな水の星の子ども
私たちの身体の中にも たくさんの水が流れているんですよね。

海




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