20240210

 ダモ鈴木が亡くなった。つい先日、小澤征爾が亡くなったので、なんだか立て続けに世界的な日本人の音楽家がいなくなったことになる。村上春樹が朝日新聞に寄せた小澤への追悼文が素晴らしかった。冒頭から小澤のコンサートを終えた控室で意識を失った小澤の手を摩っているという強烈なエピソードで始まり、彼との印象的なエピソードを語りながら、小澤の指揮者としての評価を挟み、最後は自身の小説観との共通点を上げながら締めくくる構成が見事で、小説家の追悼文としても一級だった。
 ダモ鈴木と言えば、CANのボーカルとして世界的に知られる。わたしが彼の名前を知った時にはすでにCANは解散していて、ダモ鈴木もどんな活動をしているのか、よく分からなかった。ロンドンに滞在していた頃に、確かクラブイベントなどに出演していた。CANでのパフォーマンスを見ていたので、あの狂気に満ちた感じからはずいぶんと穏やかな印象を受けたと記憶している。小澤のパフォーマンスは直接観たことがなかったので、一度でも観れればよかったと思うが、その願いはもう叶わない。両者ともにご冥福を祈りたい。

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