20230825

 プリゴジンが搭乗中の飛行機墜落で死亡が確認された。ロシア国防省への反発でモスクワ侵攻を試みたものの、その後はベラルーシへ亡命していた。プーチンは遺族へ哀悼の意を表したが、どう考えてもプーチンの指示で殺されたのだろう。サイコパスの言動である。恐怖でどこまで抑え込めるのか、ロシア国内から崩壊しない限り、戦争の終焉は遠くなりそうだ。
 小川洋子読書会だった。課題図書は『貴婦人Aの蘇生』(朝日文庫)。ロマノフ王朝最後の皇女アナスタシアとおぼしき思い出を語る伯母と共に伯父の残した剥製だらけの〝猛獣の館〟で暮らす姪の視点で、強迫観念症の恋人ニコと伯母の正体を探るライターのオハラとの顛末を描く。恥ずかしながら、ロマノフ王朝の話は知らなかったのでミステリアスなアナスタシアや最後の皇族の話は大変興味深く、そこから小川洋子の物語が生まれたことにも納得した。最愛の伯父を亡くし、入院していた八十歳の叔母が「A」という自身の名前である頭文字を剥製に刺繍し続け、過去の豪華絢爛な思い出話をする度に生き生きと、まるで蘇るように元気になっていく話であるとわたしは読んだ。

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