20240812

 トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』(志村正雄訳、サンリオ文庫)を読んだ。かつて恋人だったロスアンジェルスの大富豪から遺言執行人として指名されたエディパ夫人がまるで暗号のような謎の陰謀に巻き込まれていく。
 少し訳が古めかしいのが気にはなったが、神聖ローマ帝国から続く郵便事業の歴史や、甲骨文字、数学など衒学的な記述でハチャメチャな展開も妙なリアリティを持って読者を引き込む力量はさすが。

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