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証券会社10社の決算発表をみてみた!

こんにちは、しゃちほこです。趣味のひとつは決算書をみることです。

最近、3月決算会社が続々と通期決算を公表していますね。
今回は東証1部上場の証券会社を対象に、各社の決算をみてみました。
2020年3月期の決算について簡単に解説します。

利益ベースでは明暗分かれる結果に。

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決算の結果は表のとおりです。

当期純利益(前期対比)ベースで増益の会社が5社、減益の会社が5社とちょうど半分ずつ、明暗が分かれる結果となったようです。

当期純利益とは、1年間かけて稼いだ儲けからコストを差し引いて、最終的に残った利益です。結局いくら儲かったの?ということを確認するうえでは一番わかりやすい指標かもしれません。

増益、減益の背景をみていきたいと思います。

増益の要因は「一過性の要因」

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増益の理由は、本業が好調であった丸三証券を除き、いずれも一過性の要因のようでした。

たとえば、野村證券は前期に大赤字でした。
これは社員の不祥事や米国司法省への和解金の支払いによるものと言われています。ニュースで見た方も多いかと思います。
前期がこうした特殊要因により大赤字でしたから、いつもの利益をだしただけでも、前期と比べて大きく改善したように見えるわけですね。

岡三証券は本業である手数料収入は苦戦の様子。ただ、投資先からの利益収入が+20億円もありました。これは「株式会社証券ジャパン」の追加取得に伴う負ののれんの計上の影響と思われます。

負ののれんとは、投資をするにあたって安く買えたときに利益として計上されます。たとえば、A社の純資産が100であったとき、これがこの会社の価値ともなるのですが、この会社を80で買えたとします。このとき差額20が「負ののれん」となり、投資を実行した期の利益として計上します。

減益の要因は「本業の苦戦」

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減益の理由は、シンプルに本業が苦戦したからのようでした。

証券会社の本業は「手数料収入」です。
個人投資家が投資をするときにその仲介をする際に得られるもの、企業のM&Aを取りまとめる際に得られるもの、いろいろあるかと思いますが、いずれにせよこれらが伸び悩んだですね。

確かに、2019年の年末から新型コロナウイルスが大流行しだしました。
これが一つの要因となり、各社苦戦の結果を引き寄せたのかもしれません。

証券業界全般、厳しい状況か?!

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冒頭「明暗分かれる」と記載しましたが、各社の決算を読み解いた結果、「総じて厳しい状況にある」のがイマの証券業界だと思います。

理由は次の3つです。

❶当期増益した会社も一過性の要因によるものだから。
❷本業の手数料収入は苦戦している状況だから。
❸新型コロナウイルス感染症の影響をもろに受ける業態だから。

ただ、個人的には期待している部分もあります。理由は二つです。
ひとつは証券マンは日本が誇る営業の精鋭ばかりだから。こんな外部環境だけど、きっとへこたれない。(と信じている。)
もうひとつは、こんなご時世だからこそ逆に個人の投資が加速することに期待しているから。終身雇用があるから日本人はあまり投資をしません。ただ、雇用の安定は保たれない、自分で資産を築かなきゃ、と気づくきっかけなるんでないかなあ、と思うのです。

日系証券における野村の圧倒的存在感!!!

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最後に脱線ですが、各社の数字を見比べていて思ったことが一つあります。

野村証券でかすぎない?!

営業収益の規模もシェアも圧倒的すぎました。数字を見れば一目瞭然ですが、割合にして60%、棒グラフも2位の大和証券と比べても2倍以上ありそうです。

日本が誇る証券会社『野村証券』。あらためてそのすごさを目の当たりにしました。

営業収益とは、いわゆる会社における売上高に該当するもののようです。証券会社の決算書を始めてまじまじ見たのですが、こうした科目が使われていること、はじめて知りました。あ、営業利益と名前が似てますが、違うものです。(こちらは販管費を差し引いた後の利益ですね)

・ ・ ・

新型コロナウイルスが蔓延する中、決算が発表されている裏側には、各社の経理チームの働きがあることを忘れてはいけないですね。

きっとこんなご時世にありながら、1カ月超出社を続け、決算を組み立てたのだと思います。大変にお疲れ様でございました。

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