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文字のなかへ
きみの背中のまんなかあたりに
小さく書き付けられた文字
時代を超えて 世代を超えて
小さく書き綴られた文字
ひとりの風がきみに問う
きみをここまで運んできたのは
名もなき文字が空から連なり
きみへの便りを託したから
ひとりの獣がきみに問う
きみが手にした幾多のものを
陽の下でかたくあたためて
この地に還すその日まで
きみはひとり読みつづける
背中に書かれた文字のなかへと
砂利道を行き 石段を登り
背中の文字は待ちつづける
きみが歩いた道のすべてを
たたえもせず そしりもせず
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