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怪しい日本地図

 九州に長く住んでいると、同じ日本国であっても、地理に疎くなるものだなと思います。

 日本は島国。でもその中でもまた、九州は一つの島です。福岡から、山口に行く…たとえお隣の県であっても、関門海峡を渡るだけで、九州人はずいぶんと遠出したイメージを抱いてしまうものなのです。なんせ、海を渡るのですからね(笑)

 極端な話、「鹿児島には日帰り出来ても、山口では日帰り出来ない」という感覚すら持っている、変な九州人。もちろん実際には、「鹿児島の方が遠いわけなのですが、私の周りの人々を観察すると、日本地図の中でも、やはり中部地方あたり…内陸部の地理が怪しい人が圧倒的に多いですね。
人は地図を見ると端っこから暗記したがるものですから、北からか、南からか、または海側からか…覚えてしまうことになるのでしょう。 白状しますと、九州人が位置関係を把握しているのは、九州~関西辺りまでです(笑) 白紙の日本地図に、「都道府県名を入れよ」というテストでもしようものなら、東日本に関しては、石川県の隣りに栃木県があったり、山梨県の隣りにハワイがあったり…考えられないような答えが出来上がることウケアイです。
 東日本にお住まいの方、九州人を代表して謝ります。 ごめんなさい(笑)

 私ももちろん、例に漏れず、かなり怪しい日本地図を頭の中に所有しておりますが、今ではずいぶん克服できたと思います。 それはひとえに、桃太郎電鉄のおか…、いえ、織りと染めの産地のおかげです。

 日本には、各地に美しい染めや巧みの技と言える織りがあります。 一口に染め、織りと言ってもその風合いは様々、技法は多種多様。 試しに、手近にある日本地図を広げてみると、キモノが千年の昔から、生活に密着した「衣服」として存在していることがわかります。 その歴史を鑑みた時、京のあった地域には煌びやかな染織、寒い地方では暖をとれる真綿のキモノ、反対に暑い地方では涼やかに過ごせる麻のキモノ、武家社会の江戸の粋である江戸小紋・・・など、ほぼ全ての地域に、その地独特の染織が存在する理由を知ることが出来るのです。これって、すごいことだと思いませんか?

 余談ですが。
 ネットやFBでお友達が出来ますと、当然ながら、その方がどの辺りにお住まいなのかが気になりますよね? その時の私は、「あー、○○紬の産地だ~!」とか、「△△織があるとこだ」とか、「□□絣だ~」とか、「××染じゃないか」…とか?
不思議な空想に耽って、一人悦に入るのです。(笑)

※ ちなみに画像のブックカバーは、都道府県の形をした迷彩柄です。(≧∇≦)

#エッセイ #日常 #日本地図 #都道府県

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