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装ひ堂の日常の徒然

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普段、ぼんやりと考えていること。
運営しているクリエイター

#エッセイ

徒然|一つのご提案

広いお店や、お客さんの滞在時間を伸ばしたいなと思っているお店の方。 気軽に座れる椅子を用意してくださるだけで売上は上がると思いますよ。 私は数年前から、病気で長時間立っていることが出来なくなりました。 本屋さんでも生地屋さんでもホームセンターでも。 お店の中をゆっくり見て、本や生地を買いたい気持ちはあるのです。 でも休める場所がないというだけで、身体がだるくて何も考えられなくなり、すぐにでも車に戻って帰りたくなってしまいます。 ほんの数分座れる場所さえあれば、また立ち上が

徒然|マジックテープか、面ファスナーか。

弊店のブックカバーに於いて、重要な役割を担っている『マジックテープ』。 実は、とある会社の登録商標だとご存知ですか? 『マジックテープ』と名乗って良いのは、株式会社クラレさんで生産されているものだけで、一般には、『面ファスナー』という名称を使うのだそうです。 ヤマト運輸さんの『宅急便』もそうですが、一般的な名称を超越した知名度って、すごいですね。 そして弊店ではもちろん、面ファスナーではなく、この『マジックテープ』を使用することにこだわっています。 今、いわゆる100均

徒然|営業って怖いよね

本の装ひ堂になる前の私は、会社員として長年働いていた。 上場企業ではあったが、全国にある支店自体はそれぞれ少人数編成の事務所だったので、いわゆる何でも屋だった。つまり、営業や企画をメインに、司会業や簡単な経理、コールセンター応援もあったな…他にも諸々の雑用までをこなす毎日。そのせいか私は、営業や販売に出ることをあまり怖いとは思っていなかった。 今にして思えばそれは、在籍した会社の製品品質を信じ、自信を持っていたからなのだろう、と。 そして現在。 私は本の装ひ堂という『ひ

徒然|僕はたい焼きです

みなさん、こんにちは。 ぼくはたい焼きです。 今から、装ひ堂さんに食べられる運命ですが、装ひ堂さんは、他の誰よりも美味しそうな顔で食べてくれると、たい焼き仲間の内でも評判なので、ぼくはとっても嬉しいんだ! 装ひ堂さんは優しくて、ぼくの体の中にどこまで身が詰まっているのか気になるらしく、とても心配してくれる。 だから今日は、お店のおじさんに頼んで、装ひ堂さんが安心するようにしっぽまで具がぎっし・・・あっ! 装ひ堂さん… 頭からですか。 #徒然 #日常 #エッセイ #フォト

徒然|文学フリマ用に量産されるショートショートを如何にして製本するか

 2020年、コロナ禍で外出がままならなくなった時間を、皆さんはどうお過ごしでしたか?  私は、仕事(装ひ堂式ブックカバー製作)に励むもよし、好きな本を読むもよし、アマプラで映画三昧もよし…な毎日でしたが、実は1分以内で読めるようなショートショートを量産しておりました。文字通り『量産』なので、クオリティは低くても、思いついたらまずは「うおぉ…書くべし、書くべし、書くべし!」そんな感じ。そして残念ながら低クオリティのまま2023年の今に至っております。(笑)  元々は、文学

順位

本屋さんが好き、なのか 本が好き、なのか 本を読むことが好き、なのか 活字が好き、なのか。 私はたぶん (番外)ミステリが好き、の一択。 …最早、『順位』にすらなっていないではないか。(笑) #日常 #エッセイ #ミステリ #本 #本屋さん #読書 #活字

鋼のメンタル

その意見が、多数派であっても、少数派であっても。 自分で考えて、選びたいと思う。 意思表示をするかどうかは別として、いつでも、どんな事に直面しても、自分の意見を持っていたいと思っている。 仕事も含めて、私は今までそんな風に生きてきた。 だから本のレビューも、人と共感するところが違うかもしれない。 的外れなことを書いているかもしれない。 けれど。 右へ倣えの感想を書くくらいなら、私の感想として発表する意味がどこにあるのか、とも思っている。 自分でも頑固だな…と

機知

きものは、柔らかものなら江戸小紋が好きである。 一見、無地のようなシンプルさがいい。 きものがシンプルな分、帯で遊べる柔軟さもいい。 格式のある、ちゃんと感もいい。 と、思っている。 写真の根付(ねつけ・和風のキーホルダーのようなもの)は、茄子と唐辛子。 江戸小紋や長襦袢にも、よく使われる柄だ。 「何故、この組み合わせが定番?」という疑問もあろうが、意味はちゃんとある。 「遠からず(唐辛子)物事を成す(茄子)」 つまりは、夢は叶う、と。 江戸小紋好き

読書

大層な文章でもないのに、書くときは言葉が耳に入ってくると書けない。でも本を読むときには、適度なざわめきの中の方が問題なく読める。 電車の中やプラットホーム、カフェ。 もちろん、傍若無人に届くような大きな声は困るけれど。 私は読書に静けさを求めない。 #日常 #エッセイ #読書

製作

ここ数日、かなり集中して製作できているように思う。 全て、自分で足を運んで選んできた生地なのだ。思い入れは多分にある。そのせいもあるのだろう、製作中の私はひたすら生地をほめちぎっている。 「ほら〜、やっぱり可愛い!」 「あら、(柄が)いいとこ出たね〜」 怪しさ全開、ノンストップだ。 私は生地という名の癒し系ペットを飼っている。 #日常 #エッセイ #日記 #ブックカバー

レビューを書くにあたって

店主は、『本好きだからこそ、予てからこんな機能が欲しいと思っていた理想のブックカバー専門店を作ってみた…』という、正しいルートを辿って今、ここにいると思っています。(笑) 二十数年ばかりネットの世界にいるものですから、過去、多くの書評サイトを訪れたり、自分も参加したりという具合です。 ただ、最近思うことは、この20年の間に、自分の気の持ち様が明らかに変わったもんだな、と思うのです。 まぁ、簡単に言ってしまえば、自分の感想を書くにあたって、人の感想は関係なくなった

ブランド

私は以前、長いこと呉服業界に身を置いていた。 と言っても、呉服屋さんの店頭にいたわけではなく、問屋さんや染織元さん、悉皆屋さん界隈をうろうろしていた。 その経験もあるのだろう、和のものがとても好きだ。 ブランドと聞くと、一般的には西洋の名前が浮かび、和の名前が浮かぶ方は少ないと思うが、私は和のブランドに魅力を感じている。 例えば、帽子から服、バッグに至るまで同一ブランドで揃う洋ブランドと比べ、和ブランドは専門ブランドだ。 染や織の専門、長襦袢の専門、草履、足袋、傘、扇子、

エレベーター

エレベーターに乗っていると、開閉ボタンにいつも戸惑う。開閉の文字の類似性にしろ、扉と矢印で開閉を表した絵にしろ、一瞬で判断がつかないせいだ。 その為今日も、駆け込みでやってくるひとのために『開』ボタンを押したつもりが『閉』ボタンを勢いよく押し、無情にもそのまま闇に葬ってしまった。 何故こんなにもわかりにくいのか。 じゃんけんの『グー』と『パー』の絵じゃダメなのかと、今広く問いたい。 #エッセイ #日常 #エレベーター #開閉

怪しい日本地図

 九州に長く住んでいると、同じ日本国であっても、地理に疎くなるものだなと思います。  日本は島国。でもその中でもまた、九州は一つの島です。福岡から、山口に行く…たとえお隣の県であっても、関門海峡を渡るだけで、九州人はずいぶんと遠出したイメージを抱いてしまうものなのです。なんせ、海を渡るのですからね(笑)  極端な話、「鹿児島には日帰り出来ても、山口では日帰り出来ない」という感覚すら持っている、変な九州人。もちろん実際には、「鹿児島の方が遠いわけなのですが、私の周りの人々を