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にんじんまる
2021年11月18日 11:20
エピソード1から6まで「楽園」を読んで下さった方々へ この度はドドドド素人の、物語とも呼べない拙い文章を読んで下さり、ありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです…。思いつきではじめたシリーズですが、「読んだよ」という声が少しですが、ありがたいことに耳に届いて、私はその度に、嬉し恥ずかし、でもやっぱり嬉しい、という感情でした。そして何より書いている私自身が楽しんでいたので、ほぼ自己満足で
2021年10月27日 21:21
僕が彼女に抱いた好きという感情は、特別なものではなかった。好きな食べ物に抱く"好き"みたいな、そんな感じ。しかしそれは彼女に限ったことではなく、どの女の子に対してもそうだった。だから他の女の子と同じだった。いつもみたいに、好きだな、と思った。長時間の格闘の末、盛大に振られた友人には悪いが、好きになってしまったならしょうがない。そう思って、僕はひとりで再びあの蕎麦屋に行った
2021年8月14日 08:59
僕にとって、女の子と遊ぶことはいつの間にか容易いことになっていた。けれどそれと同時に、人に対する愛が少しずつ失われていくのにも、薄々気づいていた。だからいつも通り、彼女にも特別な感情は湧かなかった。他の女の子と同じだった。彼女はそれに気づいていて、あの日の夕方、僕の家でテイクアウトしてきたハンバーグ弁当を向かい合って食べていた時に、ふと言った。「君にとって私は、このグリ
2021年8月10日 00:30
街の工具店に行った。ハンマーを買った。店に入るまでは、ハンマーだけ買いに行くなんて、悪い事を企ててる人みたいで怪しまれそうだなと思ったけれど、店に入った途端、鋭利なノコギリや大人のカピバラくらいの大きさの、用途の分からないトゲトゲした道具が目に入ってきたので、ハンマーがちっぽけで安心した。ハンマーをコトンとレジに置くと、椅子に座って古新聞らしきものを読んでいたおじいさん店