順横回転サーブへのレシーブ対処法🤟
このシリーズでは初心者向けに卓球の基本的な技術についての説明や、そのやり方、対処法などについてお話しさせていただいています。実際のプレイヤーはもちろん、テレビなどで観戦される方にとっても、頻繁に出てくる用語が登場するので、知っているとより卓球の面白さが分かるだろう。ぜひ参考にしていただきたい。
(特に記述がない限り、右利きのシェークハンドの選手を想定している)
さて、今回取り上げるのは、順横回転サーブの返球の仕方についてです。初心者の方で、回転をかけたサーブを練習する際、一番最初にマスターするのはこの順横回転ではないだろうか。初心者でも簡単に出せるほどに難易度は低く、なおかつトップ選手でも最も多く使用しているだろうと考えられるのが、順横回転系のサーブである。
下回転に対するツッツキは覚えたけれど、順横回転に対しての返球は習得しておらず、レシーブでの失点を重ねて負けてしまう、といったケースも多くあるだろう。今回は、今後そういったことのないよう、しっかりと順横回転が返球出来る方法をレクチャーしたい。
(1)順横回転とは!?
おさらいにはなるが、そもそも順横回転とはどういった回転か。順横回転は右回転とも呼ばれ、天井から見て時計回りの方向へボールがスピンしている回転になる。右利きの対戦相手を想定すると、ボールを相手の体に近い側の面を捉えたら順横回転。体から遠い側を捉えると逆横回転がかかるということになる。
そして、順横回転のかかったボールは、こちら側のバックサイドへ喰い込んでくるような軌道を描いて飛んでくる。ラケットにまともに当てると、回転の影響から相手コートのバックサイド方向へ飛んでいく形になるだろう。これが基本的な順横回転の特徴だ!!
(2)順横回転の3つの返し方
回転しているボールに対してまともにラケットを当てると、回転の影響を受けて意図しない方向へ飛んでいってしまう。それを防ぐための方法であるが、今回は3種類の方法で考えていこう。それが、
▣回転に合わせる
▣回転を利用する
▣回転に逆らう
の3つです。
❶回転に合わせる
まず、最も基本的な返球の仕方が、「回転に合わせる」方法だ。相手の順横回転に対して、その性質に合わせて、逆らわない形でラケットの角度を合わせて返球してやる。これがまず最も基本的な技術となる。
相手が順横回転のサーブを出してきた。ちょうどのようなラケット角度だったとしよう。この場合は順横回転に下回転が入った、「横下回転」と呼ばれるサーブになる。それに対して、こちらも同じラケット角度を出して返すのだ。
例えば、下回転サーブに対して、回転に合わせた返球の仕方とは何かわかるだろうか。
そう、「ツッツキ」である。おそらくあなたは、ツッツキの技術は習得しているものと思われる。ツッツキをやる際は、卓球台と平行のラケット角度を出しているだろう。
では、相手がラケットを少し立て気味に使って、横回転を入れてきたとする。ならばこちらも同様にラケットを立て気味に出してやる。相手が打球したラケット角度と、同じ角度を出して返球すれば、簡単に解決するのだ。このラケット角度で、ボールのバウンド時点を捉えればストップになるし、相手コートへ運ぶようにスイングすればツッツキになる。
この際に大切なのは、相手のサーブの打球時をしっかりと注視しておくことだ。なんとなく見ていたのでは、適切な角度が出せない。しっかりと相手がサーブをするときのラケット角度を見て、観察を怠らないことが重要となる。
❷回転を利用する
次に考えたいのが、「回転を利用する」返球の仕方についてである。結論から言うと、「流し」という技術を使用する。
順横回転は、向かって右から左、つまりあなたのバックサイド方向へと曲がっていく回転である。そのボールの軌道を追うように、ラケットをバック方向へスイングするのだ。ボールが曲がる方向に、回転に逆らわず、ボールをなでるようにして返球をしてやる。
シェークの場合、順横回転に対してバックハンドで流すのは難しいので、フォアハンドで行うようにしよう。
なお、「流し」についての詳しいやり方は過去の記事を参考にして頂きたい。
今回の3つの中では、最も難易度が高いが、その分相手にとっても対処しづらいボールが出せる為、効果はてきめんだろう。
❸回転に逆らう
3つ目が「回転に逆らう」返球だ。フリックやチキータ、強く切ったツッツキなどがそれにあたる。要は、相手の順横回転に対して、より強い回転をかける、もしくは強い打球を送ることで、回転の影響を受けずに返球する技術である。
たとえば、相手のツッツキに対して、ドライブで返球することもいわば「回転に逆らう」返し方である。相手のツッツキの回転に負けないくらい強い上回転をかけ、さらに強いインパクトを与えて返球しているのだ。同じことを、レシーブの際にやるのだ。
回転に逆らう返球で最も簡単なのは、「強く切ったツッツキ」だろう。合わせるツッツキではなく、強く下回転をかけてブチッと切る感覚でツッツキをする。相手の回転を、自分の回転で「上書き」するようなイメージだ。多少浮いてしまってもかまわない。しっかりと下回転がかかっていれば、相手にとってのチャンスボールにはならないので、非常に有効である。
♣まとめ
今回は順横回転に対しての3つの返球の仕方について考えてみた。卓球のボールの回転に対する捉え方は、基本的にはこの3つになるが、どれが一番優れているというものではない。まずは回転に対する考え方を理解し、そして一通りは出来るようにマスターしたい。その上で、自分の得意や相手の苦手、さらには戦局などを見極め、その時々で最適な選択をしていけることがベストである。
次回は、逆横回転サーブへのレシーブ対処法を紹介させていただきたいと思います。