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相続と不動産の初歩の初歩

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“相続”や“不動産”と聞くと、そういった仕事をしている人か実際に親から不動産や現金を相続された人やこれから相続対策をしようとしている年配の人以外はきっと、こんな風に思っているんじ…
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#不動産

相続の専門家、誰に何をどのように頼めば良いか?

母親の佳子(よしこ)と無事に今後のライフプランこと、つまり母親の佳子が死んだ後の事、相続のことや死ぬまでの時間の過ごし方、家族との関わり合い方について話を終えて、正しい手順で遺言書を書いてもらい法務局の“自筆証書遺言保管制度”を使って、遺言書を法務局に預けて来ました。 遺言書の内容に関しても、兄弟全員に無条件で財産を分割するというわけではなく、母親のライフプランに合わせて寄り添える兄弟には厚く、自分の生活を優先する兄弟には薄くといった公平さを財産の配分に反映してくれており、

何故?相続対策では不動産の相続対策が重要なのか?

大学病院の帰り道、秋山 忠司(あきやま ただし)の思考はいま住んでいる自宅と自らが最近始めたアパート経営のことで一杯になっていた。 今年、81歳になる忠司はこの数週間ほど体調が優れずに寝付きも悪かった。食欲も無く、頻繁に目眩や立ちくらみがする。 健康には気をつけていたのだが、81歳ともなれば、身体にガタが来ていてもおかしくはない。 近所のクリニックを受診した後、大学病院への紹介状を書いてもらい、大学病院で精密検査を受けて今日はその結果を聞いた帰り道だった。 妻の佳子(

一軒の実家を3人兄弟で相続する時に気をつけること

10時30分、スマホの画面で時間を確認した斉藤 健太(さいとう けんた)はそのまま、Gmailのアプリをタップして開いた。 受信トレイに届いていたメールは5通、そのうち3通は以前買ったネット通販のセールスメールで、残りの2通のうち1通を健太は開いた。 「この度はご縁が無かったということで…」 お決まりの不採用の通知だ。 この半年ほど健太は就職活動に励んでいた。 新型コロナウィルス感染症の影響でそれまで勤めていた居酒屋チェーンの人員整理で解雇されたのだ。 「45歳から

実家を相続することになりそうだけど、どうしたらいいかわからない時

4年ぶりの帰省。 海外での仕事が楽しすぎて日本に帰国することをずっと後回しにしてきたけど、そろそろ親に顔を見せないと・・・ そんな後ろめたさも手伝ってか、思い切って長期休暇を取った奈保は、父への高級ブランデーを片手に成田空港のラウンジのソファーに座り、スマートフォンの電源を入れて実家の母に電話を掛ける。 「もしもし、お母さん、今さっき成田についたのでこれから帰るね」 そんな一報を入れて、成田エクスプレスの時刻を検索した。 新宿で特急のあずさ2号に乗り換えて、実家のあ