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韓国・釜山外大の学生が来熊 「日韓友好の未来へ」/부산외 대학생이 구마모토를 방문

 10月8日、韓国・釜山外国語大学校(釜山外大 부산외국어대학교)日本語学科学生、教員35人余りが熊本を訪問した。2004年以来行われている「明成皇后を考える会」の追悼式典に参加するためで、参加者は「若い世代が日韓の友好関係を築いていきたい」と述べた。
 式典は乙未事変で殺害された閔妃(明成皇后)を追悼するもの。1895年10月8日、李氏朝鮮第26代国王・高宗の王妃であった閔妃が、日本政府の意向を受けた日本公使・三浦梧楼と日本人壮士らにより、暗殺される事件が発生した。一国の王妃が隣国の大使と軍関係者により殺害されるという前代未聞の事件に関与した日本人48人のうち、熊本県出身者だけで21人を数えており、中には後代に政財界の有力者となった者も含まれている。
 こうした事情から、2004年に熊本県で元教師らを中心として「明成皇后を考える会」が設立され、2005年に初めて韓国を訪問して追悼を行ったのを初め、熊本で毎年追悼式典が開催されてきた他、訪韓して交流・学習・追悼行事を続けてきた。コロナ禍で式典などは中止されていたが、今年は3年ぶりの復活となり、訪韓団も組織されるという。

追悼式典の参加者。国内外から60人以上が参加した=10月8日、熊本民団会館


 熊本民団会館で開催された今年の追悼式典には日韓両国から60人以上が参加。「明成皇后を考える会」の森本会長が「お互いの歴史を知って、これからの関係発展に寄与したいという思いで活動している。今日は若い世代が参加していただいて感謝している」と挨拶。釜山外大の張舜興(チャン・スンフン)総長は「日韓交流はますます発展しており、若い世代も未来志向的な考えを持っている。一方で悲しい歴史も確かに存在する、と捉えた上で、今後、皆さんのような若い世代が正しい未来と友好関係を描く担い手になってほしい。この機会を交流会・追悼式だけでなく、学習の機会として欲しい」と述べた。

追悼式典に参加した釜山外大の学生ら=同


 明成皇后の法事は李氏朝鮮時代の伝統的な礼式「鞠躬四拝」で行われ、「考える会」代表や民団などの幹部が代表として礼拝し祭壇に酒を捧げる中、参加者は黙祷した。法事では白いチマチョゴリを纏った女性が朝鮮の伝統的な追悼の舞「サルプリチュム」を披露し、明成皇后を追悼すると共に、歴史を踏まえた日韓友好関係の構築を表現した。また、明成皇后を考える会・宮川愛徳事務局長による閔妃追悼の歴史と、日韓交流活動などに関する学習会が行われ、学生らが熱心に聞き入った。

追悼舞の奉納=同
参加者を代表し、民団県団長や「考える会」代表らが祭壇に対し追悼の礼を執る=同


 追悼式典終了後、釜山外大の学生らと市民、日本の学生らによる交流会がもたれた。民団の女性たち手作りの韓国の伝統料理の他、熊本産の日本酒や寿司などが振る舞われ、特に学生たちには「寿司が美味しい」と好評だった。昼過ぎからは熊本大学新聞社の記者により熊本城などが案内され、熊本大学新聞を受け取った韓国人学生や教授からは「学生寮の問題はこちらでも問題になっている」「しっかりした新聞を発行しているようで嬉しい」などの感想が聞かれた。
 釜山外大の安昌圭(アン・チョング)教授は「日本の中小都市と同様、釜山でも特に若い世代の減少が問題となっている。ソウルへの一極集中により、釜山外大でさえ定数を減らさないといけない厳しい状況にある。日韓の大学や特に地方の若者は同じ問題を共有しており、共に問題解決で協力していきたい」と語った。日本語学科の学生たちは天候が恵まれないながらも、楽しげに言葉を交わしながら熊本城や水前寺公園などを興味深そうに見学していた。

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