ラピダスに対する嫌悪感
日本政府(経済産業省)が既に9,000億円以上の税金による補助を決定している、「ラピダス」という2022年設立の民間企業があります。
https://www.rapidus.inc/
簡単に言うと半導体チップを作る会社で、現在、北海道に半導体の工場を建設しています。
ラピダスは事業を軌道に乗せるのに5兆円は必要と試算しているようですが、同社の資本金はわずかに73億円で、完全に税金頼りの会社と言えます。
そもそもラピダスは、その成り立ちからしておかしな部分があります。
特定企業のOBが仕切っていて、融資をしていない銀行が株主になっていて、謎の個人株主が12名いるなど。
なによりもおかしいのは、民間企業でありながら経済産業省が公然と支援を表明している点で、最近は税金(補助金)の投入に続いて、ラピダスへの融資に対して政府が債務保証するという話も出てきています。
ラピダスは世界最先端の半導体チップの製造を目指していますが、その実現に否定的な声は少なくありません。いや、むしろ無理だとする声の方が多い気がします。
私も半導体業界に身を置く一人ですが、ラピダスの掲げるビジネスは実現できないと思っています。
ラピダスが成功するかどうか。それは誰にもわかりません。
そもそも国策企業と言えるラピダスの成功とは何なのかも微妙です。
血税を投入している以上、納税者としてはラピダスに成功して欲しいのですが、心の底からラピダスを応援する気になれません。なぜでしょう?
それは何かラピダスに対して嫌悪感を感じるからです。
この嫌悪感はどこからくるのだろう??
細かい理由は幾つもあるのですが、一言で言うと「古い」んですよね。
最先端の半導体チップを作ると言っているのに古いんですよ。やり方が。
半導体の技術のことを言っているのではないんです。プロジェクトの進め方が古いのです。もろ昭和なんです。
未だに力を持っている業界の長老と政治家が裏で仕切っていて、密室で物事を決めているんですね。だから急に話が持ち上がって、一気に税金が投入されている訳です。
そこには恐らく様々な利権・権益が絡み合っているのでしょう。
半導体製造装置メーカー、政治家、官僚、この3者を中心とした悪巧みの結果生まれたのがラピダス。どうしてもそんなイメージが拭えません。
かつての古い自民党政治のイメージです。
「戦略物資である半導体を守る」という大義のもとで、多額の税金をジャブジャブ使う。そこに特定の利得者が群がる。
実際はそうではないのかもしれませんが、そう見られてしまうことに問題があると思います。
「日本の半導体再興!」を掲げるのであれば、せめて高齢者ではなく若きリーダーに先頭に立ってもらい、クリーンかつオープンに物事を進めて欲しいものです。
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