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いろんな上司から指示がバラバラに飛んでくるとき

中間管理職の面談をしていて、最近特にいちばん多い悩みが、
・複数上司からバラバラの指示が飛んでくる
・誰の意見に従えばいいのかわからない
・「なんでやらないんだ」「なんでやったんだ」でもう疲れる

というものです。

私も中間管理職のときは散々な目にあってきました。こういうときは自分の役割はなんだという原点に返ると良いと思います。

中間管理職は、高性能なルーターに徹する

ルーターとは、さまざまなネットワークをインターネットにつないだり、複数のネットワークを接続したりする機能をもつ機器です。

スムーズに通信のやりとりをするためには適切なルートを教えてくれて、遮断や優遇を行えなければなりません。その役割全般をルーターが担っています。ルーターがなければ異なる通信方式のネットワーク間での通信ができません。そのため、ルーターはスムーズな通信を行うために必要不可欠といえるでしょう。

出所:junipedia

組織においては、整理されたキレイな”信号”(指示)ばかりが入ってくるとは限りません。しかも何人もの上司(ときに社長)から相互に矛盾するものもあり、そのまま部下に伝えてしまうと組織は大混乱します。

こういうときには、「自分は機械である」「ルーターである」と考えて幽体離脱し、何がいま最適な指示なのかを判断することです。

とはいえ、
「役員や社長から直接指示されたら、もう従うしかないじゃないですか」
と返されます。

あきらかに適切でない指示だと思うけれども社長の指示だから従うしかない、というのはサラリーマンとして致し方ないことですが、少なくとも、何が最適な判断なのかを自分のなかで持つことはよいことです。

複数上司から指示が来ること自体、組織上の問題ではありますが、実際には組織図を無視して指示してくる権力者(特に役員)はいくらでもいます。

また、同じ上司から矛盾する指示が来るのは日常茶飯事で、それをどう乗り越えていくか、乗り越えられなくても自分の成長につなげていくことはキャリア上で大事なことです。

何が組織にとっていちばん大事なことなのか、その軸をもとに組織に伝える、そんなルーターであり続けることが中間管理職の原点だと思うのですが、それでも組織には魑魅魍魎が潜んでいて、正しいことを言ったのに冷や飯を食わされることも多々あるでしょう。

そんなときは、あくまで私個人の考えですが、黒を白と言わないと生き残れない組織にいるくらいなら、多少の待遇低下を覚悟してマトモな組織に移ったほうが中長期的には自分のためになると思います。

組織が腐っているとき、自分が所を得ていないとき、あるいは成果が認められないときには、辞めることが正しい道である。出世はたいした問題ではない」(P・F・ドラッカー『非営利組織の経営』)

私もそうしてきましたが、悔いはありません。