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人事部門の成果測定

人事に限らず、バックオフィス系の業務は成果が見えにくいですよね。先日、支店ごとの成果報告があり、営業、品質、人事のトップが自分たちのここまでの成果プレゼンがありましたが、ある支店の人事担当部長が
「成果があがらなかったので自己評価は5点満点で2です」
と言っていました。

そこで、
「社員の行動変革も観察できるし、離職も減ってきている。いくらなんでも2はないのでは?」
と聞いたところ、
「いやいや、予算未達のなかで、僕ら裏方の人事が部門としていい評価をつけるのは違うでしょ」
とかえってきました。

私が思ったこと:
1.部長のその考えは、頑張っている部下みんなを傷つけている
2.予算未達は”共同責任”ではない
3.人事部門の目標を数字で設定していないからこうなる

最後はあたりまえのようで意外にできていません。
人事部門の目標設定と効果測定は、とにかく数値化していくことが必要です。
数値化していくことで業績とのリンクも可視化されやすくなります。

採用
これはいちばん数値化しやすいですが、戦略的には、採用数よりも、3年以内の退職率がポイントです。意味合いとしては適合度と育成環境の両方が見れるからです。3年以内の退職率が目標よりも高ければ、いくら大量に採用しても穴のあいたバケツと同じで、人事的に意味がないと考えています。
教育
一人当たり研修時間やカバー数もプロセスとして大事ですが、こちらもどれだけ成果につながったかを可視化することが大事です。具体的には評価結果とリンクさせて、スキルレベルを項目ごとにスコア化し、教育による伸び率を測定します。
評価
評価制度がうまく機能しているかどうかは、社員目線でエンゲージメントサーベイ及び会社目線で部門ごとの業績とリンクさせて見ていきます。納得性のある評価プロセスになっていればエンゲージメントスコアが上がっていきますし、個人の成長と生産性がリンクするような運用がなされていれば業績アップにつながっていきます。
評価制度の目的によりますが、私は最終的には会社業績に結び付く要因の一つにならないと意味がないと考えています。
労務管理
時間管理と給与計算のルーチンになりがちですが、時間管理は社員の健康と原価に大きくかかわるだけでなく、労務コンプラ、パワハラとも密接に関連してきます。健康指標や違反件数とリンクさせていくと、ルーチンで淡々と仕事をする状態を脱し、自分たちの仲間に貢献している感も出てきます。

人事の仕事で陥りがちなのは、次の2つ。

作業バカ
作業そのものが目的になって、終わらすことだけを考えてしまう
施策バカ
何のためにそれをやるのかを考えずに、思いつきでいろいろやろうとする

成果を数字で考える癖がないとこうなります。人事の仕事は数字で表すことによって、魂がこもってきます。

冒頭の部長には、以上のような話をしましたが、果たしてどこまで伝わってくれたか、次回のプレゼンを楽しみにしたい。