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斧を磨くようにハードに学ぶ

やる気の高い人たちに研修するのはやりがいを感じます。でも社内研修の場合、その逆のほうが圧倒的に多いですよね。

先週、現場管理職への社内研修を主催し、私も一部に登壇。
しかし最初からウンザリとした表情を感じました。
机に座って勉強しても何も価値を生まない、仕事は現場での経験からしか学べない、という気持ちはよくわかります。

そこでこんな話を。

二人の木こりの話
二人の木こりがそれぞれの分担の木を切っていました。

二人をAさんとBさんとします。

まじめなAさんは黙々と切り続け、マイペースのBさんはときどき一服しながらとノンビリやっています。

当然、Aさんのほうが仕事がすすんでいます。

そのうちBさんは手を休めて斧を磨き始めました。
Aさんはそれを横目で呆れて見ています。
「そんな暇があるなら切り続けたほうがはやく仕事が終わるのに」

しかし、歯を研ぎ終わったBさんは一服を終えると、一気に切り始めて、Aさんよりもはやく自分の分担を終えてしまいました。

出所:『自分を磨く方法』ディスカヴァー
より、筆者要約

今日の学びの場を「ああ、時間のムダだなあ」と思って座り続けるか、「自分の斧の歯を磨く時間にするぞ」とスイッチを入れるか、それは皆さん次第です。そんなことから話をして始めました。

そうだよなと、何人かが顔を上げてくれたので、少しホッとしました。

さて、経済産業省による「未来人材会議」が5月に公表した『未来人材ビジョン』のレポートは衝撃的でした。

企業は人材投資にお金をかけない、社員は勉強しない、組織のことも愛していない・・・たしかにこれは悲しい現状です。

だからこそ、逆張り発想で頑張る。

周りの成長意識が低いなら自分はハードにやってみる。会社がお金をかけないのなら”自家製MBA”でお金をかけずに勉強する。

ボクシングでいえば、全然練習もせず、毎晩お酒ばかり飲んでいる選手同士が戦っているような状態で、ハードトレーニングをして肉体を鍛えぬいた選手が出てくれば、盛り上がります。

サボっていた選手もそこで覚醒し、試合を盛り上げていくようになると、興行自体が盛り上がる。

何人かの現場管理職がハードな学びを続け実務に臨めば、きっとよい結果が出る。基準があがっていけば組織に緊張感が出る。

昭和のような考えかもしれませんが、社内教育はまずはそんな思想をもってすすめていこうと思います。