「フラットで風通しがいい」組織は部門トップにとっては試練
ピラミッド型組織(階層構造)では、スピード感も心理的安全性も阻害されるので、フラットな組織・風通しのいい組織にしようというのが組織の定石になりつつあります。
当社もその方向ですすんでいます。
が、何事も”トレードオフ”というものがあり、フラットにすればするほど上位管理職の立場からすると「なんだかナー」ということが出てきます。
以下はあくまで個人の所感です。
1.階層を少なくして意思決定スピードをアップさせると・・・
そもそも階層構造の”結節点”としての管理職は非定型業務における意思決定やトラブル対応をするという機能をもつのですが、フラットにして結節点をなくしてしまうと、本来は結節点になりうる上位管理職が決定機能を持たないので、未熟なマネジャーの意見も踏まえたぐちゃぐちゃの案がいきなり部門トップに集中します。これは負担です。
2.自由に意見を言える心理的安全性と引き換えに・・・
言いたいことを、言いたいときに、言いたい人に言える風土。
これはとても魅力ある響きですが、言いたいことを「何でも言っていいんだ」と履き違えた部下からの浅慮な発言も多くなり、忍耐力が必要。しかも仕切る中間層がいないので、結局会議で何も決まらないということも多いです。
3.偉い人オーラを物理的になくすと・・・
たしかに距離が近くなり、一般職からすると、いつでも話ができるという環境にはなるのですが、管理職からすると落ち着かない。
そもそも戦略や戦術を考える立場なのに、次から次へと空間と時間を超えて話しかけられると、なかなか本来の職責が果たせない。
こういうことがあるとはいえ、フラット化・風通しのよさはもはや避けられないトレンド(そういうことを言うことすら時代遅れ)。
もちろん慣れの問題もあるし対処法もありますが、それでも上位管理職は相当の覚悟を持ってこの変化に対応しなければならないのが現実です。
takaでした。