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在釜(ざいふ)〜どなたでもお茶を一服 夏

「在釜(ざいふ)」
このハタが軒先にあったら、中で釜を掛けています、どなたでもお立ち寄りください、お茶を一服差し上げます、というお知らせです。
京都では今でも見かけることがあるそうですが、なかなか見られないこの「在釜」。

8月7日の日曜日、いつもの北鎌倉・宝庵にて、特に予約なく茶室を訪れた方にお茶とお菓子を差し上げる初の試みとして、「在釜」のハタを掲げさせていただきました。

どのくらいの方々がいらっしゃるか、全く見当がつかなかったのですが、5名を目処にご案内するお客様が途切れることなく10時から15時まで、亭主側も大変楽しいひと時を過ごさせていただきました。

朝方、水屋で準備をしていると思わぬ雨が降ってきて、氷の設えを考えていたのでこれはかえって肌寒いか。。と少々落ち込みかけましたが、9時前には止み青空も見え、かえって水撒きをしたような風情となって助かりました。

待合は8畳の常安軒を使い、ライチ水の汲み出しをお出しして、用意した短冊にお客様の願いを書いていただき、床の間の笹にかざっていただきました。

フランス語での願いも
たまたまですが、1920年代のフランスのファッション誌の星を見るご婦人たちのイラストを掛けています
床には涼しさを感じていただく氷の設え


本席は4畳半の小間で、「卯の花」の茶箱点前で薄茶とお菓子を召し上がっていただきました。

白靴下、お持ちでない方にはご用意
ひたすら点て続けた社中のU氏
茶箱を作っていただいた後藤久慶さん作の茶碗。実は竹でできています!
京都の祇園祭、菊水鉾のためにこしらえられる亀廣長さんの「したたり」涼しげで大好きです
お菓子を持ち出したところ、予告なしにメイが席入していてびっくりするハプニングも
軸は白石雪妃さんの「銀碗裏盛雪」
雪ならぬ氷を盛って。
午前中は朝顔を入れてました
石州流のオトコマエな面々

頼もしい受付さんと水屋の方たちにも支えられ、無事ご用意した40名さま分の「したたり」も終了。

いろいろ反省点もありますが、次は節分の頃にでもまた挑戦してみたいと思います。
猛暑の中いらしてくださった方々、臨機応変で対応くださった方々、本当にありがとうございました。今後も精進してまいります。。。

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