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夏は涼しきように。氷の設え

立秋とは思えない猛暑が続きますがいかがお過ごしでしょう。
8月7日(日)初の試みとして「在釜」を北鎌倉・宝庵にて行いました。どなたでも茶室にフラリと来てお菓子とお茶を召し上がっていただく企画です。

催すに際し、クーラーもなく、毎日35度近い暑さが続く中お客様にいかに涼しく過ごしていただけるか、考えているうちに「氷柱を立てる」ことに思い及びました。

昔、真夏の屋外での結婚披露宴で、氷柱が立っていたことを思い出したのです。鮨の屋台と共に、見事な鶴の氷が立っていました。
「今月の『なごみ』(裏千家のカジュアルな茶道誌)にも氷の設え載ってたよ」と、水屋をお手伝いしてくださる友人にも教えられ。
さらに宝庵がある浄智寺でも、氷柱を立てて扇風機を回し、涼を得ている由。

宝庵管理人の島津さんより

これですよ、これ!

ただ、鎌倉の小町の氷屋さんは廃業されたとのことで、他の氷屋さんを探すことに。
検索したところ、「全氷連」という全国の氷屋さんが加盟するサイトが見つかりました!

こちらで全国の氷屋さんが検索できます。鎌倉はというと。。ありました!

店名 有限会社新ヶ谷
住所 鎌倉市腰越3-34-23
電話番号 0467-32-0713
取扱商品 角氷、ぶっかき、ダイヤアイス
全国氷雪販売業生活衛生同業組合連合会


腰越は「義経の腰越状」で有名な源義経が頼朝に鎌倉入城を留め置かれ、隣はもはや江ノ島の鎌倉のはずれ。

漁港も近いだけに、氷屋さんがあるのは納得。それってプロしか相手にしないのかしら。。と半分びびりつつ、たまたま宝庵メンバーの方の同級生のご実家ではないかということもわかったので、意を決して電話してみました。(小心なんです)

「鎌倉魚市場の平勝さんから伺ったのですが。。」
「ああ、ヘイカツね!」
ヒラカツじゃないのか!と焦りつつ、お寺でお茶会をやるので氷の柱が欲しいんですが、と切り出すと「あー 氷柱ね。。氷柱っていうより薄いのだったらありますけど」
と、穏やかな声のご主人らしき方が丁寧に教えてくださいました。
全然こわくなかった。
なんでも近くのお寺のイベントでも使ってらっしゃるとのこと。
ドンピシャじゃないですか。

27センチ×27センチ×15センチ
の氷が1,100円 とのこと。
想像していたより全然お安い!

「タライの上に手拭いとか敷いてね、溶けにくいようにギリギリまで氷屋の強力な冷凍庫で冷やしておきます。クーラーボックスは持ってますか?」

お茶会は日曜日だからやってないんじゃないかと思ったけど、夏は土日も8時前からやってらっしゃるそうです。
お値段が意外にしなかったことに意を強くし、4枚お願いして当日の朝に取りに行くことに。
あとはクーラーボックスの調達と、お茶会での設えを考えることです。

クーラーボックスは30センチ四方のを2個調達し、クルマで鎌倉在住のパートナーに当日の朝7時半に取りに行ってもらいました。が、結局2枚しか入らず、残りは新ケ谷さんが用意してくださったお米袋に。。。

何から何までありがとうございます!
お店は「外からは全然氷屋さんとはわからない店構え。昔からよく前は通っていて駄菓子屋さんか何かだと思ってた」とのこと。

設えとしては、すし桶にビニールを敷き、笹を飾ることにしました。

久々に引っ張りだしたすし桶
8畳の待合の床に
本席の4畳半の床にも
そして茶室の入口には大きなすり鉢に入れて

贅沢な氷使い!!
新ケ谷さん、ありがとう‼️

本席はこんな感じでした。

銀碗裏盛雪の軸。雪ならぬ氷で。

最後は重さで桶が割れてしまい、水が溢れるアクシデントも。『なごみ』の設えは、下に火鉢を置いていたので、ナルホドそのくらい土台を頑丈にしなければ駄目なんだなー と思いました。
ただ火鉢は待合にくらいにしか置けないので、本席にかざる際はもっと工夫が必要ですね。
来年も盛夏にもし行う際の宿題です。

溶け残った氷はツクバイに置いて溶けるにまかせましたが、通りかかったお子さんがまじまじと見ていました。

まじりっけのない手のかかった純粋氷。
業務用のコオリカキがあったら削れるのになぁ。。

何はともあれ、いろいろ大変でしたが、氷柱での盛夏のおもてなし、亭主側としても大変面白かったです。
真夏の氷が大変貴重だった昔のように、富士山の氷室から万年氷を取り寄せて。。というほどではありませんが、ぜひ次の夏も工夫してやってみたいと思いました。

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