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ハードルが下がる

10月末に夫が粉砕骨折してから早3ヶ月強。

日に日に回復し、骨折前に近い日々に戻りつつある。

昨日、珍しく娘が盛大なお漏らしをした。

なんだかんだ、この子なりに、気が張っていたのだろうと思うとなんだかいじらしく感じた。

言葉に出さないけど、赤ちゃんの頃からなんだかんだ空気を読む子なのだ。

まるで生き方働き方を見直すよう強制終了をかけられるが如くに起きた夫の骨折によって、私の生活は一変した。

それまで当たり前のように夫にお任せしていた娘の学童の迎えや平日の家事。

出張で長く家をあけていられたのも、夫がいてくれたからだと改めて痛感させられた。

普通の共働きのご夫婦で、特に多くの家庭で、女性が働きながら育児をしていくことがどんなにか大変なのかということをたった3ヶ月でも擬似体験できたことは、本当に良い経験になった。

そして、副次効果として、すべてのことにハードルが下がりつつある。

ただ、生きていてくれさえいればそれでいい。

全てにおいて、まずはそこがスタートだ。

今年、長年心のどこかにわだかまりがあった叔母に心からの感謝と尊敬の気持ちが込み上げてきて、ささやかな贈り物を贈った。

これも、夫の骨折が端を発している。

叔母が二人の子を産み育てながら、親から継ぐよういわれ、自分の夢を諦めてついだ組織を50年も守り続けたのが、どれほど大変で、困難に満ちたものだったか。

たかが骨折ごときでヒーヒー言っていた私。初めて、叔母がなしてきたことがどれだけすごいことだったのか、気づかされた。

当たり前だと思うから不平不満だらけになる。
自分がどれほど恵まれ、どれほど甘やかされ、どれほど愛され守られてきたのか。

当たり前ではなく、本当にたくさんのたくさんの返しきれない愛をたっぷりと与えられておきながら、そのことにすら気づかず、いつも不平不満だらけだったのだなといまさらながらに愕然とさせられる。

とにもかくにも、今年に入り、小さな確執がほろりとほどけてから、毎日が緩やかに激変し続けている。

心を感謝でいっぱいにして、今できることを一つひとつ丁寧に積み重ねていこうと思う。



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