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Killerpass 2nd Album「あるいていこう」発売記念インタビュー

KKV Neighborhood #191 Interview - 2023.10.26
インタビュー・編集 ・構成 by Captain Ryosuke (THE GUAYS)
インタビュー写真 by Hiroshi (THE GUAYS)
インタビュー収録日 2023年9月17日(日) at 今池HUCKFINN

2009年から愛知を拠点に活動しているパンクバンドKillerpassが8年振りの2ndアルバム「あるいていこう」をKiliKiliVillaよりリリースした。単に8年といってもメンバーも変わり、バンドとして、それぞれとしての8年間。特にここ3年間は世界も価値観も目まぐるしく変わる出来事が多く、それは今も尚続いている。そんな時間を経てこのアルバムを彼らは完成させた。
いつの時代の音楽もいつでも手軽に聞けるようになり、媒体として音楽を聴くという機会がほとんだが、今私たちは同じ国で、今の時代を同じ時間の中生きている。並行した時間軸で人に直接触れることができる。その上で入ってくる言葉、音楽、ライブを見ることができることはとても特別でリアルなことだ。そしてKillerpassはその切実さと正直さがとても伝わるバンドだと思う。
この2nd Album「あるいていこう」はKillerpassという個性の強い4人がいびつなまま、それぞれの生活を持ち寄り、大好きな音楽を信じ切って一つの作品に挑戦した素晴らしいパンクでオルタナティブなアルバムだ。耳障りが良いだけの音楽より、こういった彼らにしか出来ない振り切り方をし、その中で真ん中を走る林の真っ直ぐすぎる歌詞と奏でて重なっていく音楽に私は感動した。パンクロックは最高だと。
今回彼らの名古屋今池Huckfinnでのライブにお邪魔し、メンバー全員にインタビューを行った。
このアルバムを楽しむ一つの要素として、彼らの体温と人柄を感じてもらいながら、読んで頂けたら幸いだ。


Killerpass L→R 下地康太(ba.cho)、林(vo.gt)、KZK(dr)、わたる(gt.cho)  写真 : 三浦知也

ーまず初めにアルバムの完成おめでとうございます。本当に素晴らしいアルバムをありがとうございます。早速なんですが、1st Album”まわりたくなんかない”から8年、間にe.p.やシングルを挟みながら、またコロナ禍もありバンドで動くのも中々大変な時期だったと思いますが、アルバムを作ろうと思ったきっかけはなんでしたか?

KZK 一番初めのきっかけは林さんからA-Z (KZKが営むレーベル兼レコードショップ)でシングルを出してから、その後にアルバムを作ろうよ。と言われて、いいやんやろうよ!となりました。

わたる 2020年ぐらいからアルバムを作ろうと言う話しは出ていて、来年(2021年)にリリース出来たら良いなと言ってたら、コロナ禍になった感じです。

林 Killerpassがライブをやれない状況だったことが大きいんじゃないかな。
コロナ禍になって、4人揃っての活動は2020年4月で完全にストップしましたね。同年夏頃から下地さん以外の3人(KZK・わたる・林)で不定期での練習はやってたけど、一年半くらい4人で会えてなくて、2022年の春くらいからやっと4人でのスタジオが再開できたんですよね。

ーそのスタジオに入れなかった期間に曲を作り溜めていた感じ?

 このアルバムと”いこうぜe.p”に入ってる曲の7割位はコロナ禍前に出来ていたけど、残りはこの期間に作りましたね。印象的だったのは2021年末ぐらいかな、いい加減音源作るなり、なんなりバンドとして動きたくて下地さんに電話してアルバムの録音をしていきたい事を伝えたら、「音源は作りたい。」って言ってくれたから、じゃあやろうか。ってなった。下地さんが覚えてくれてるかわからないけど。

ー覚えてますか?

下地 (首と手を横に振る)

一同 笑

林 いや、あの時意を決して電話しましたよ!そろそろ下地さんいないとなんも進まないから、スタジオだけでも入りましょうって!ライブはまだ出来る状況じゃなかったけど、音源は作りたいと言ってくれたから、2022年の春くらいからこの4人でバンドが再開出来た感じですね。本当に一年半止まってましたね。

ーライブは中々再開出来なかった?

 そうですね。去年も一本だけで、まずは制作だけ。でもA-Zから”いこうぜe.p.”がリリースされるのでそのレコ発一本だけは去年やりたくて、なんとかやらせてくださいと下地さんに頼んでそれだけはやらせてもらいました。
ちなみにコロナ禍の2021年に4本のライブを行ったんですが、その時はHALF SPORTSのくわ君にヘルプでベースを弾いてもらいました。改めて感謝します。

ー下地さんはアルバムの制作ならコロナ禍でもやりたいと思ったのはなんでですか?

下地 いつ死ぬかわかんないからね。そのへんはみんな(Killerpassのメンバー)まだ若いから、俺は切実だと思うよ。やれることはやっとかないと。

ーそれでもライブは仕事の都合で中々再開できなかったんですか?

下地 それもあるけど、うち年老いた両親が近所にいて接する機会が多い。だから自分が発症してなくても、濃厚接触者になってうつしてしまうリスクがある。それと家族もいるから会社も空けられない。バンドより家族。これは自分の尊敬しているハードコアバンドの先輩から教えてもらったこと。以前対バンした時に「家族も守れない奴にパンクもクソもないぞ。」って言われたのがすごく大きかった。昔は退路を断ってっていうやり方だったけど、今はこれで良いと思わせてくれた。

ー4人だけのスタジオだけだったら、少しはリスク減りますもんね。

下地 それにみんなマスクしてくれてたし、あと鍛えてるから大丈夫っていう。

 ランニングやってるから大丈夫って1ミリも疑ってないですもんね(笑)。

ーここで(2022年春)4人で動き始めて、今回のアルバムに向かっていき、そこからレコーディングに入ったのはいつぐらいですか?

林 2022年の7月3日からですね。その時にシングル用の”いこうぜ”、”レベルミュージック”、”オーライ”とアルバム用の"いこうぜ"、"プロテクトソング"も録りましたね。

ーその時からなんとなくアルバムの構想はあったんだね。その当時、林と連絡取るたびにレコーディング行ってきますって言ってたような気がするな。丸々1年ぐらい録ってたの?

林 そうだね。圧倒的に空白の時間が長かったけど(笑)。2022年7月3日にレコーディングの次にみんなで入ったのが今年の1月じゃないかな。

ーめっちゃ空くやん(笑)。

KZK それは事情がありまして、僕が2回飛ばしてしまいまして。日程を抑えてもらったんだけど、コロナにかかってしまって、療養期間は終わってたんやけど、明けてすぐの病み上がりでのタイミングだった。ずっと寝てた生活の中から、大事なアルバムのレコーディングでいきなりあのドラムを、、、身体がまだ追いついてなくて、だから万全の体制でってことで、無しにしてもらいました。2回目は父さんが危篤になってできなかった。

ー色々起こるよな本当。。今年の1月からはテンポ良く録れた?

林 そこからは結構タイトだったね。

ーアルバムの中でコロナの規制が緩和され始めてから出来た曲はどの辺り?

  ”あるいていこう”、”Run Fast Die Old”、”19号線”ですね。 ”うず”、”シューズオブスケルトン”、”いきたい”は3人で作って、下地さんにデータを送ってベースを考えてもらう形で作りましたね。

ー下地さんはそれが送られてきた時どう思いました?

下地 一生懸命作らなきゃなと。信頼して待ってるだろうからそれを裏切らないように。

ー素晴らしい。 その中で先行配信された”いきたい”はアルバムの中でもBPMが速くてハードコアパンクにリスペクトを感じられる曲で歌詞も切実でインパクトもすごいあった。このアルバムに入れるのも、曲自体も挑戦してるなと思ったんですが何かそこは意図がありましたか?

 コロナ禍真っ只中で一番最初に出来た曲ですね。ちょうどRECORDSHOP A-Zが移転して今の場所になった辺りの時期にMUROとか現行のハードコアバンドをKZKに教えてもらって聴いたら、音源からほとばしるエネルギーにガツン!とやられて。自分はハードコアパンクに対するリスペクトがある分、どこか自分がやる事ではないのでは、という引け目みたいなのを感じていたんだけど、そんなのどうでもいいから単純に俺もこういう猛烈な曲やりてえって感化されて作った記憶がある。これは後付けで語弊があるかもですが、僕らの様なメロディックパンク(?)と言われるバンドの多くはハードコアの曲をやる時に真っ直ぐにやらない、またはやれないのか、どこか崩して提示している印象を受ける事が多いのですが、この曲が出来てちゃんと愛情を持ってやれば共存できるんだぞ、という自信になりました。

ーアルバムの中で”Run Fast Die Old”は林が作る曲っぽくないなと思ったんですが、下地さんが作った曲ですか?

下地 そう。

ーどのタイミングで作っていたんですか?

下地 あれは林に作れって言われて。

KZK 僕もわたるくんも曲を作ろうとしていて、僕は無理だ、ってなって、わたるくんも作ろうと挑戦していたけど上手くいかず、下地さんは曲が出来たって感じで。

ー林は全員に曲作りを振っていたの?

 アルバムを作るにあたって、せっかくだからチャレンジしてみたいなと。そっちの方がバリエーションも豊かになると思ったので。BEATLESじゃないけど、自分しか曲を作らないって決めてるわけじゃないし、元々下地さんが作った”CRUSH, KILL, DESTROY”(V.A/BANNED IN NAGOYA vol.3に収録)って曲もあるから。

ー”Run Fast Die Old”はすごくこのアルバムの中で良い軽さとキャッチーさがあって、林のボーカルの感じも違って聞こえたのも面白かった。アルバム自体がバラエティに飛んでるけどこの曲もその一つかなと。

下地 キーが違うからだと思う。高い曲は嫌いなんで。

林 それ僕を嫌いって言ってるようなもんじゃないですか(悲)。

ー(笑)真ん中の7曲目の曲順もとても良かったです。今回の客演のことも聞きたいんですが”マイアンサー”のサイトウ”JxJx”ジュンさん(YOUR SONG IS GOOD)に頼んだのはどういった経緯だったんですか?

 元々この曲にはキーボードを入れたいイメージがあって仮で自分で入れてみたりしたんだけど、せっかくだったらちゃんと弾ける方にお願いしたいなと思って。最初はチンさん(中村明珍)に弾いてもらうつもりだったんだけど、「自信がない」と断られて(笑)。それでチンさんと誰に頼むのがいいか相談している中でサイトウ”JxJx”ジュンさんに頼むのはどう?という話が出たんですけど、その瞬間無茶苦茶テンション上がって。それが出来たら最高すぎるので、ダメ元で安孫子さん経由でお願いしたら、本当にやってくれました…。もう思い残す事はないです僕は…。

ーすごい巡り巡って叶ったんだね。送られて来た時どうだった?

 最初送られてきた時に「ヤバい!!本当にJxJxがやってくれた!!」と感動しまくったんですが、それと同等以上に聴けば聴くほど楽曲の全体を考えたアレンジメントをしてくれている事にドンドン気付かされて、その事実に本当に喰らっちゃって。改めてYOUR SONG IS GOODを聴き直したんですが、近年の楽曲が本当に凄すぎて…。ダンスミュージックと呼ばれる音楽は今まで疎かったのですが、俄然興味が湧きました。自分としてはこのオルガンを通して、新しい音楽のチャンネルを開いてくれた感覚があって、また一つ宝物を頂いてしまったなという気持ちです。

ー僕も最高にハマったアレンジだと思いました。”マイアンサー”に関しては戦争反対というシンプルなメッセージをレゲエ調の曲に乗せていて、ちょうどウクライナへのロシアの侵攻が始まった辺りの2022年の3月、林がSNSでわたるくんと”マイアンサー”の動画をあげていたのを僕は見ていて、なぜ”マイアンサー”を再録(2017年リスタート e.p.収録)して、あのアレンジに変わっていったの?

 ウクライナとロシアの戦争が始まって、ニュースから流れてくる爆撃の映像を観て、凄く呆然としてしまって…。個人として何をすればいいのか全く分からなかったけど、歌を唄いたいなと真っ先に思ったのでわたるに協力してもらってインスタに上げました。マイアンサーは元々歌詞が好きで、自分の選択をしていく、という意味合いと唄うという行為がその時の自分の感情とリンクして。この曲を口ずさんでいる時に自然と「戦争は今すぐやめて 争いを今すぐ止めて」という歌詞とメロディーが浮かんできて、レゲエのリズムも同時にくっついてきたので、アウトロに足して作った感じです。

ーそして”霧の中の悪魔”はこのアルバムのエンジニアでもある岡崎さんがアレンジでchurch organ、 doomed guitarで入っていますが、本当に衝撃でしたね。テーマパークでホラーショウの中にいきなり閉じ込められたみたいな。そこから全員の怒涛の演奏が始まる。

 そうですね。エンジニアの岡崎さんと一緒に作ったような感じ。始めのオルガンは完全に任せて、途中のギターソロも弾いてもらいました。それと一部編曲もお願いしましたね。

ー本当に全部の要素にぶっ飛びました。。この曲も前回の”キリの中”(delayed youth e.p. 収録)の歌詞から「差別と暴力は絶対ダメだから」という歌詞に変わっていったのは?

 安倍晋三さんの銃撃事件が衝撃的で…。元々この曲は、例えば宗教だったり、何かに没頭していたり純粋に信じている人の事を簡単に否定するのは良くないよな、という想いを書いたんだけど。その中で、何を好きでいてもきっと良いけど、暴力で物事を解決するという事はやっぱり受け入れてはいけないよな、と強く思って歌詞を付け足しました。

ー”マイアンサー”にも戦争反対の歌詞があって、“霧の中の悪魔”にもこういった歌詞があり、今回サブスクリプション配信の中にspotifyが入ってないことに気付いたんだけど、その辺りはやっぱり意図があったの?

 単純に戦争反対の歌がspotifyから流れてきたらとても滑稽だし、唄っている事の矛盾に自分が耐えられないと思う。自分が全て正しい選択が出来ているとは全く思ってないけど、それでも知ってしまった事実を見過ごせる程強くないし、なるべく権力抗争や争い事に加担しないってのは自分の生き方のスタンスとしてあるかな。

ーサブスクに反対とかではなくて、spotifyのCEOが軍事企業に投資したことを知って、(spotifyのCEOであるダニエル・エクは1億ユーロを軍事企業のヘルシングに投資し、取締役に加わったことを発表 2021年11月23日)、それでspotifyの配信だけをしっかり切ったのはかっこいいなと思う。迷いながらやっている人もいると思うしね。

 自分もApple Musicを無茶苦茶使っているし、spotifyを使っている方を非難する気は一ミリもなくて、本当に自分が耐えられないという事が一番の理由です。その事をKiliKiliVillaにも伝えて、spotifyの配信をなしにしてもらいました。

ー自分たちのことも含め、すごくそれは考えるきっかけになった。(Killerpassは過去音源も近々spotifyから下げる予定)
貴重な意見ありがとう。Killerpassのメンバーは配信は利用してますか?

林・わたる してますね。

KZK 僕はしてないなぁ。あんまり興味がある音源がないかも。。

下地 してない。カズキのとこ(KZKが営む RECORDSHOP A-Z)からも買ってるし、月に欲しいものは何十枚も買って、事足りてるというか、南米のハードコアとか(配信は)ないしね。昔ほどじゃないけど、今でも音源は買い続けてる。

ー音楽のDiggerとしても、メンバー全員掘り続けてるのがKillerpassだと思うんだけど、今回のアルバムを作るにあたって、良く聞いてた音源や、イメージした音源ってありますか?

下地 林のバンドだから、林の頭の中にある何かを具現化するのを最大限サポートするみたいなイメージ。

わたる 曲のバラエティが多いから、曲ごとに参考にしてるものはあった。自分が今まで弾いてこなかったり聞かなかったような曲、例えば、、、

林 “Run Fast Die Old”

わたる そうだ、あの単音。

下地 半分押し付けになったけど。。

ーギターのフレーズも下地さんが?

下地 そう、あれが一番早く完成したよね。

わたる そうですね。すぐ出来ましたね。

下地 早く曲を作るという、Disgus(Disgusteens)魂が!

ーその軽快さがありました。

林 その良さはありますよね。風通しが良い感じ。

わたる あ、あと”19号線”とかはカントリー調のフレーズを入れるのに今までそんなフレーズを入れたことなかったから、そういう音源を探して聞いてたりしてて、下地さんから教えてもらったBlood On The Saddleというバンドを聞き込んで見よう見まねで、フレーズを弾いてみたりした。

下地 この曲は林が初め持って来た時にアコギにハーモニカぶら下げて来て、わたるは手拍子だけでいいからって。林だけフルセットで来ていたのが面白すぎて(笑)。

KZK そうそうそう(笑)!

一同 大笑

KZK その時の曲調だと、カズキのドラムの良さが出ないって下地さんが(林に)言ってくれて、ちょっとアレンジを変えて次持って来てくれた。

林 なんかあんまり上手く行かなかったですよね。

下地 わたるくんがギター弾かなくていいってのは失礼だろって。だったら、その曲は林のソロでやった方がいいんじゃない?って。それでもわたるくんがちゃんとかっこいいギター考えて持って来た。

わたる 最初手拍子だけでしたからね。わたるギター置いてって(笑)。

林  全然覚えてないな。。そんなジャイアンな感じでしたか。。

一同 大笑

ーそれでも形になった。

 どうすればいいか、かなり難航しましたよ。。アコギの音量でバンドで合わせるのが初めてだったので、難しくて、、そんな風に扱っているつもりはありませんでした、すいませんでした。

ーKZKは何かイメージした音源や苦戦したこととかありました?

KZK 曲のバラエティが多いから、、

ーさっきから曲のバラエティの多さが話題に上がってるけど、メンバーも感じてたの?

KZK 僕は感じてた。林さんが聞く音楽で僕が聞かない音楽って沢山あるし、林さんからこういうイメージでって。例えば、ミスチル(Mr.Children)とかフィッシュマンズとかを一緒に家で聞いて、自分は通ってないから一応聞いてみた。このKillerpassのアルバムは自分のプレイ(できるスタイル)しか入ってないけど、聞く人にはわからないと思うけど、、自分の中で、自分の中で、、うっすいミスチルが入ってる!

一同  大爆笑

KZK あと”いこうぜ”のアルバムversionのイントロはChubby & The gangの”Lightning Don't Strike Twice”から着想を得てる。今まで色んなバンドを聞いて来た感じだと、7inch singleを出したあとにそのsingleよりも(BPMが)遅いversionが出ると、あ、遅くなってしまったんか、、と僕は速いversionの方が好きやったなみたいなパターンが多くて、今回Killerpassもその順番でリリースする。(7inch single “いこうぜ”→Album ver ”いこうぜ”)同時に録音したので、アルバムversionの方はあまりフレーズ練り込めなくて、テンポを落として叩いただけみたいになってしまったので、他のメンバーの力を借りてなんとかしてもらおうとして、Chubby & The gangを聞いた時にわたるくんにこういうイントロのフレーズやってみたらどう?っていう案を出した。そしたらわたるくんが考えて来てくれて、ど頭でそのフレーズが入ることによって印象もすごい変わるし、BPMが落ちて、人も自分もがっかりするような感じにはならなくて良かった。印象に残っていてアルバムで好きなところですね。

ー林はアルバム制作中、どんなイメージが出て来た?

  一番の究極は、自分が好きな曲を詰め込んだミックステープみたいなアルバムを作りたいとずっと思っていて。でもバンドだから幅はあるし、メンバーはみんな人間だからこれはやりたくないってのもあるし、その中で今回、今現状でやれる最大限のことはやれたかなと思う。
そういう意味では参考にしたかは分からないですが、THE 1975のアルバムや音楽に対する姿勢にはかなり感銘を受けました。幅広い表現をバンドというフィルターを通して物凄い精度で楽曲に落とし込んでいて、適当にシャッフルで聴いても全然飽きない。曲単体でも凄いし、アルバムで聴いてもヤバいし、ファンが作ったプレイリストを聴いても視点や楽曲の好みが受け手それぞれで違って、楽しく聴ける。Official髭男dismにもそれに近い性質を勝手に感じたのですが、ストリーミング主流の時代での手法というか、愛情表現の提示の仕方みたいなのが凄く勉強になりました。
脱線しましたが、アルバム全体の核として、音源を聴いた時のボーカルの「近さ」を今回は特に意識しました。その点で参考にした音源はStrokesの1st(Is This It 2001年)です。エンジニアさんにCDを渡して、このイメージでミックスを進めました。
後、今この皆のインタビューを聞いていて自分がかなり押し付けていたのかなとなりました、、、皆そういう風に思っていたんだと。。

下地 それぐらいの方がいいよ。

林 良くはないでしょ。

KZK  まとめ役がいないと。

下地 やりすぎたら俺がおさめるから大丈夫だよ。いやほんと一人ががっつり引っ張っていくことが大切なんだから。
林の訳のわかんないパワーに惹かれてやってるだけなんだから、そこを削がないように行けばいいんだよ。変なやつだと思う時もあるけど。でもそれも含めて林に惚れてるんだよ。

ー泣ける。

下地  かっこ悪くてもいいんだよ。林の表現を大事にしてるってことをすごいしつこく言ってるけど。

林 ありがとうございます。メンバーに支えられているなと改めて。もう少し大事にします。手拍子だけとかちょっとやめます(笑)。

下地 あれはわたるくんだから、優しいから、普通嫌だよ。

わたる すげー嫌でしたよ(笑)。

一同 大笑

ー全員のインタビューってメンバーがこう思ってたんだってのが見えるのも面白いよね。人を介して会話してるような。

林  特に僕らは曲に関しての話はあんましないからね。

下地 俺が今までやってきたバンドの中でも林の個性が強すぎる。今まで引き算していくバンドが多かったけどこのバンドは引き算なしだって、全部足し算でいける。カズキのドラムもワタルくんのギターも足し算だから、俺だけ引き算してもなぁって。突っ込んでやれ!みたいな感じ。

ー確かに。

下地 引き算ないでしょ?削いで削いで仕上がっていくバンドは多いと思うけど。面白いよほんと。今まで未経験の領域なんだよね。林の表現を汲み取りながら足していけるようにする。

ー話しながら思ったけど、その足し算の部分がこのアルバムの曲のバラエティにも繋がってる気がしました。

下地 散漫なアルバムちゃ散漫だけど、林というフィルターを通すとこれもありかなと。

ーなるほど。アルバム全体を通して、一筋縄では行かないというか、ちゃんとフックがあるアルバムになってる。林以外のメンバーはKillerpass以外のバンドもしていてそれがKillerpassにフィードバックされている気がしました。音が足し算されていくからこそ、歌詞の内容っていうのが、身近に起こったことに対してとても真っ直ぐで切実だから、すごく真ん中に来て響くんだと思う。曲順も1曲目の呼吸をする”うず”から僕は鳥肌がたったんですが、そこから始まり"プロテクトソング"で終わる。戸惑いながらも、腹が立つことにも怒って、喜んで、何もなくて、それでもやっぱりバンドが好き音楽が好きパンクが大好き。それが見えた。曲もそうだけど歌詞でも下地さんがいう林の魅力がすごく伝わって来た。歌詞の話とかしました?

 レコーディングの時に歌詞は見せたけど、普段は全くしない。だって恥ずかしいじゃん(笑)。聞かれたら答えるけど、英語じゃないからバレるし。それこそわたるのギター聞いてても歌詞に寄り添ったフレーズ弾いてくれてるなとか、勘違いかもしれないけど感じるから。曲順に関しては自分が独断で決めたんだけど、さっきキャプテンが言ってた息を吸うところから始めるっていうのは決めていて、最後はやっぱりパンクロックで終わらせたいよなとか、色々試行錯誤してあの曲順になりました。後、エンジニアの岡崎さんがミックスはもちろん細かいアレンジだったりを全面的に協力してくれて、自分と話しながら時間かけてやってくれたんで、岡崎さんの力もかなり大きい。

一緒に作った感じだ。

 そうだね、プロデューサー的な視点でのアドバイスやヒントもたくさんくれたし、ほぼ一緒に作ったと言っても過言じゃないね。

ーそうだったんだね。林の歌詞は自分の生活の中で浮かぶ色々な気持ちや景色をすごく素直に言葉で表現してるよね。

林 EL ZINEのインタビュー(VOL.59に掲載)でも言ったけど、嘘を唄わないってことしか考えてないから。

ーありがとう。このアルバムで他のメンバーのパートで好きなところとかありますか?

下地 俺は”いきたい”のボーカルは良かった。林が歌い上げるミスチルとかのボーカルより。

林 ミスチル路線はダメですか(笑)?

下地 ダメというか、”いきたい”がかっこよかった。俺が求めてる林のボーカルはあの感じだなと思って。はじめ送られて来たラフ(ミックス)の時点でかなりよくてこれでいいんじゃないと思ったぐらいかっこよかった。あと”Run Fast Die Old”は俺が曲を作って、林が歌詞を書くっていうのでやった。

林 サビの (歌詞の)フレーズだけもらって、そこから書いた。

下地 ランニングっていう共通言語もあるから、こういうイメージって伝えて。だから合作みたいな感じ。

ー(この日初めて手にしたCDの現物を見て)この曲の歌詞カード、明珍さんのイラストの下地さんの顔の表現がめちゃくちゃ細かいですよ!

下地 この下に描かれてる靴って、もしかして林の、、

林 これ僕のMETASPEED EDGE+です!これインタビュー載せといてください!

KZK カットでしょ(笑)。

下地 俺のネクスト%2かと思ったよ。

一同 大笑

林 僕ら2人、サブ3グループなんで。

下地 サブ3同士にしか書けない合作曲だね(笑)。

*サブ3 : 42.195kmのフルマラソンを3時間未満で走り切るランナー。1kmの平均タイムが4分15秒未満。



林 聞く時にCDの盤面を取ったら、聞く人は目ん玉飛び出ますよと!

ーこれは最高すぎるやつだね(笑)!

下地 53歳でバンドT-shirt着て駅伝(笑)。

KZK 2人とも特注のT-shirt(笑)。

下地 ちゃんと公式に撮ってもらった最高の写真。

この先もランニングトークは続きましたが、是非現物を見てみてください!

ーでもランニングで繋がってる部分って結構バンドでも重要だったりするの?一回全員で走ってましたよね?

 スタジオすら入れない状況で、どうやったら下地さんに会えるのかメンバーみんなで真剣に話し合った結果、ランニングに行けば全員で会えるんじゃない?って。

わたる 一年以上会えてなかったから。

KZK サポートのベースでライブをすることをちゃんと下地さんに直接話したかった。どうしたら良いかなって時に林さんからこれを提案されて日曜日の朝に集まって走った。色々準備しようと思ったけど、気に入るもんがなくてこの服装に(笑)、、でも僕結構速かったですよね?褒められたもん(嬉)。

下地 話しながら走るにしては、良く走れてたなと。

ーわたるくんはこのアルバムで自分のプレイや人のプレイで好きなポイントってある?

わたる アルバムを聞いて、結構全体的に納得出来ているという感じ。その時やれることはやりました。改めて”いこうぜ”も良かったし、”悲しみはとまらない”は個人的に好きですね。自分がやりたい弾きたいフレーズとKillerpassで鳴らしたいことが、良い感じで混ざっているのがこの曲かなと。自分が音(ギターで弾く曲の音程)を外しがちで、わざとの時とナチュラルにやっちゃう時があって、この曲はその音の外しがすんなりハマってくれた。岡崎さんからも一発O.K.でした。

林 わたるは岡崎さんのことずっと恐れてたもんね(笑)。

わたる 岡崎さんはでかい存在ですね。

 前作の"delayed youth e.p"制作時に、岡崎さんからわたるのギターの音程に関しての指摘や修正依頼がたくさんあった経緯があるんだけど。 今作のレコーディングを今年の1月に再開して、しょっぱなで”うず”を録って。メンバー4人は1回目のテイクで一発ゴーサインが出て、手応えを感じてたんだけど、岡崎さんがブースに入ってきて、「ここのフレーズ(音)外してる?ポジション確認した方がいいよ。」といきなりのご指摘を頂き(笑)、レコーディング再開一発目の一曲目からわたるのギターが言われたから、やっぱり来たかーと(笑)。全曲こうなるかなと心配になりましたよ。けど、その後はあまりなかったから良かった。

KZK  僕は自分のドラムでいうとアンダースタンド。具体的にイメージしたバンドがあってスウェーデンのKurt I Kuvös、途中のスネアのリズムはそこから発展させた。長年ずーっと探し続けているレコード。持ってる方譲ってください…。リズムもD-Beatで突っ走ってたけど、バスドラの入れ方を変えていてBAD  DIRTY HATE(大阪)、今OOPSで叩いてるチヒロさんが使ってるフレーズを参考にした。

林 僕は”19号線”のベースが好きですね。元ベーシストとして、自然とベースを聞いちゃうんだけど、こういうフレーズは弾けないなって。

下地 コロナのおかげというか、その期間中、自分のプレイを見直す機会になった。みんなを待たせたから、その分ちゃんと向かい合わないとっていうのがあった。久しぶりに再会して合わせた時に、えーってがっかりさせたくなかったし。そういう意味では良い期間だったかもしれない。

林 バンド力としては絶対上がってるからね。曲のクオリティーも。

下地 “19号線”でわたるくんがあそこまで仕上げて来たのがやっぱり素晴らしかった。

ーみんな”19号線”に思い入れがあるみたいだね。

わたる レコーディング始まってもまだ出来てなかったから、焦ってた。

ー最後にレコーディングしたの?

わたる そうですね。最後のレコーディングでやっと完成した感じです。

下地 俺もわたるくんも難しかったから良く覚えてるよね。

林 音のバランスもすべての楽器が良く聞こえて、リズムの感じも好きですね。

ーアルバムのタイトルが"あるいていこう"になった経緯も知りたいです。

  ”あるいていこう”という曲が出来て、深い意味はないんだけど、とても良い曲が出来た手応えがあったので、この曲をアルバムのタイトルにしたいなと直感的に思ってつけました。

KZK 初めアルバムタイトルはここ最近、名前を変えたKillerpassの企画名にしようとしてた。コロナで止まってて、動き出したタイミングで"Fun Forever"に企画名を変えたから、それで行こうかと。でも、アルバム作っていくうちに林さんの中で変わったんだと思う。

ー 曲が導いてくれた感じだね。

 そうだね。なので全部後付けなんだけど、歌詞を見ても全然何の事を唄ってるかわからない人もいると思うので、少し説明すると、過去を簡単に無かった事にしたくない、という事を唄っています。自分は歳を重ねる毎に、自然と過去と向き合わないといけない事が増えていて。昔話をするのは好きだし、10代の時に聞いてた音楽とか今でもむちゃくちゃ聞いちゃうんだけど、振り返って終わり、みたいなのにどこか違和感があって。だけど振り返る行為自体を否定するのは絶対違うし、ノスタルジーと言われている事に対する答えが自分の中でずっと出ない。その中で過去の出来事をどう自分の生き方に据えていけるかってのを考えながら書いた歌詞で、やっぱり答えは出ないんだけど、なるべく過去を大切にしながら生きていきたい。その葛藤みたいな感じかな。

ー自分の人生だから、自分である以上一本の線上に過去も今も未来もあるもんね。

 そうだね。後、現代の波みたいなのがあって時代の定義とかがどんどん変わっていく。例えば、昔良かったことが今ではダメになることもあるし、逆に昔ダメだったことが今の時代だったら良いこともある。その中でなるべく他人を傷つけない様に上手く生活していくためのチューニングのヒントみたいなのが、確実に過去にあるなって自分が生きていて感じるので。

ー繰り返しになるけど、本当に色んなことが変わった。特にコロナ前と今は。忙しさや時代のスピードが速すぎて見過ごしてしまうこともあるけど、生きていく上で学ぶことって過去にも日常にも沢山ある。歩くっていうゆっくりの行為で、周りを見て、空の色とか花が咲いてるとかそういうのに小さなことに気がつきながら、進んでいくっていうメッセージだと僕は思ってます。

林 シンプルだしね。後ろ向きな言葉より前向きな言葉で伝えたかったから。

ーいこうぜ、あるいていこうときて次は何かな(笑)。

林 語彙力がないからね(笑)。

下地 めっちゃネガティブじゃん。

ーネガティブの中からのね。

林 ネガティブになりにポジティブに頑張ってるっていう記録なんですよね。歌にすがってるんですよ。

ー後、アートワークについて、ジャケットはヒロシ(THE GUAYS)、挿絵が中村明珍さんっていうのはなぜその2人に頼もうと思いましたか?

  ジャケットに関しては自分が編集できる能力がないから、誰かに頼みたくて。だけどイメージの片鱗はあったので、一緒に作っていけて、共通言語が多い人とやりたいなと思って、パッと浮かんだのがヒロシくんでした。もちろんTHE GUAYSは大好きなバンドだし、アートワークもかっこいいなという印象があったので。特に3rdの歌詞カードのインナーがすごい好きだったから、こういう感じで一緒に話しながら、自分の好きなニュアンスとヒロシ君の好きなニュアンスを上手く混ぜてやれるかなと思い頼みましたね。明珍さんの絵に関しては、以前T-shirtのデザインを依頼したことがあってそれの絵が最高で。毎回僕らの作品の歌詞カードのテイストとしては歌詞を手書きで書いて、そこに挿絵を入れるパターンで、今回もその感じでいこうと決めていたんだけど、そのT-shirtの絵のイメージがあったので依頼しました。2人とも自分の想像をはるかに超えるものを提示してくれて本当に感動したし、一緒に作品を作っていくんだ、という気概と愛情を勝手に無茶苦茶受け取りました。改めて感謝しかないです。

中村明珍デザイン Killerpass T-shirt

ー全部が足し算どころか掛け算になったね。今回楽器全体もおいしい所たってたし、ベースラインは個人的に良く聞きましたね。

下地 ありがとう。息子がベースやっててそれに触発されたのもあるなぁ。

ー?!めっちゃいい!息子さん何歳ですか?

下地 小6かな。1日8時間練習しろっていうバカテクYouTubeのチャンネルを息子が見てて、本当に1日何時間も練習してて、技量的にはマジで俺より上手いかも。

ー仲良いんですか?

下地 2人で楽の湯(名古屋のスーパー銭湯)行ったり、コメダ行ったりね。

ー本当に小6ですか(笑)?

下地 みんなに疑われるけどね。貫禄がすごいんだよ。ガキ大将だね(笑)。でも、マジでフィードバックがすごいあって、息子が今の音楽聞いて、弾いてるからそれ聞いてハマったり、自分が今まで知らなかったスケール使ってたり、スタジオミュージシャンがやってるような、所謂上手いベースを弾いてるから、多少は反映されてるかな。

ーあるいていこうのマイナーのところのベースたまんなかったっす!

林  わたるのボーカルは気付いた? シューズオブスケルトンの最後、わたるさんが初めてメインボーカルをやってます。オルタナ感を意識して、あえて歌詞は載せていません。

ー気づかなかった。悔しいな。今回かなりコーラスでわたる君活躍してない?

わたる めちゃくちゃコーラス入れてますね。初めてボーカルの練習を林さんと2人でやりました。

ーこのアルバムを経てこの先どんな音楽を作ってみたい?

 分からないですね…。とりあえず今は新曲作りに取り掛かっています。自分の中では、もうこれはJ-POPといっても過言ではない曲が出来ているのですが、バンドで合わせてる感じ、そうは問屋が卸してくれなそうです(笑)。
その次の曲も頭の中に構想だけはあって、早くみんなで合わせてみたい。つまり、まだまだやりたい事はいっぱいあるなという感じですかね。

ー最後にこれからアルバムを聞く人やKillerpassを知ってくれる人になにかあれば。

KZK なんだかんだ毎日聴いてしまってるくらい自分にとって特別な一枚になりました。レコードじゃないのか〜、CDか〜とか言わず、とにかく聴いてみてください!聴いてて飽きない、おもしろい一枚になってるはずですので。

林 聴いてください、としか思ってなかったんですが、実際にCDが出来て、アートワークも含め凄く作品として良い物になったので、是非手にとってもらえたら嬉しいです。

下地 俺が好きでやってるバンドなんで。まぁ次はもっと良いの作るけどね。

林 本当そうして行きたいですね。次はもっと良いの出来るんじゃないかって予感出来るアルバムですね。

下地 今更音作りめっちゃ研究してるからね。

ーいくつになっても音作りってずっと楽しいですよね。次はアンプとか買っちゃったりして!

下地 息子が買ったやつ借りようかな。

ー息子さんと音楽やって、しかも同じ楽器で最高ですね。

下地 Zero FastっていうDisgusteensの同期のバンドがいるんだけど、ギターの息子がドラム叩いてライブやったみたいなんだよね。先越されたと思って。

ーKillerpassとしてはパート一緒だから親子として共演出来ないじゃないですか?

下地 俺はフレーズ作る人で。

ー息子さんがプレイヤー。

林 それやばいね。40年ぐらいやれる、、(笑)。

下地 構築する力はないけど、これ弾いてって言ったらできるからね。

ー3代目Killerpassベース。ライブ今日行けねーわ、行ってきてって(笑)。

下地 そうそう。うちのタイチも弾けるよって!

林 それは助かりますね(笑)。

ー新しい形が見えたね。バンド名と意志や態度が残れば、メンバーのこどもとかが引き継いでいくみたいなこと考えたことあるわ。グアイズ、Killerpass結成100周年ですみたいな(笑)。夢がある。
話を戻してわたる君はどうですか?

わたる 曲のバラエティが豊富だから、BGMとして聞けない。でも聞いてて飽きはないかと思います。

下地 賛否両論あると思うけど、それぐらいインパクトはあるよね。スキップすれば何かその人が好き!ってなる曲はありそうだね。

林 リアルな意見だな、、

わたる どれかはきっとハマるみたいな。

下地 置きにいくよりは林らしくていいよ。

 次はスーパー長尺ツインリードギターの曲をぶち込みますか!
でもこうやってまとめて作品にして気付いたことが本当にたくさんあった、という事実が自分の音楽人生で考えたら今回の一番の収穫かな。アルバム制作の側面の一つは、次に繋げる、という行為だと確実に思うので。

下地 沢山気付いたからね。

 それをずっと続けていきたいですね。ライブも大切だけど、今はこの4人でスタジオに入って音を合わせて、曲を作って、それを作品だったり形にしていく、という事を一番大事にしているかな。それを繰り返していけば、もっともっとバンドが良くなっていくんじゃないかなっていう実感が今回アルバムを作ってあったから。けど現状では、今までで一番良いものが出来ました、確実に!

写真 : naobonehead


KKV-165

ここにあるのは、生きることとパンクであり続けることを考え、日々の悪戦苦闘を乗り越えようとする青年の姿。答えはないけど、この音楽が嘘のない今の気持ち。
ゲストにYOUR SONG IS GOODのJxJx、ETERNAL ELYSIUM/STUDIO ZENのYukito Okazakiが参加、歌詞を収録したブックレットに中村明珍のイラスト多数掲載、アートワークはHIROSHI from THE GUAYSが担当。

NOW ON SALE

Killerpass / あるいていこう
KKV-165
CD
2,750円税込

収録曲
1.うず
2.悲しみはとまらない
3.偽善者でかまわない
4.あるいていこう
5.アンダースタンド
6.シューズオブスケルトン
7.Run Fast Die Old
8.いきたい
9.霧の中の悪魔
10.19号線
11.いこうぜ
12.マイアンサー~争いを止めて~
13.プロテクトソング

Killerpass “あるいていこう" MV


11/3 Fun Forever vol.4  フライヤーデザイン : Hiroshi(THE GUAYS) 


2023年11月3日(金祝)
今池HUCK FINN
Killerpass presents “Fun Forever vol.4”
「あるいていこう」レコ発

出演:Killerpass、THE GUAYS(東京)、Climb The Mind、MILK
出店:river lesk
前売 ¥2,400 / 当日 ¥2,900 +1drink (¥600)
open 18:30 / start 19:00
チケット予約:killerpassboy@yahoo.co.jp

Bandcampでの試聴はこちら












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