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『特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』感想



わたしは、アニメ『ユーフォ』シリーズのことがオールタイムベスト級に大好きだけど、同時にインターネットのユーフォオタクおじさん達が大嫌いなので、『誓いのフィナーレ』を観る前に「ゼッタイに酷評してやるぞ!!!」と心に誓って臨んだ結果、お前が青春アニメNo.1や……と大号泣しながら劇場をあとにしたオタクです。

原作小説は3巻くらいまでしか読んでない。なんも覚えてない。

これまでのアニメシリーズも復習することなく、事前情報も仕入れずに、なんか新作劇場版やってるらしいという噂だけでのこのこと観にきた。

好きなシーン、良かったところは…………ない!w
まじでどれだけ頑張って思い起こしても思い当たらない。

ユーフォを観るのがめっちゃ久しぶり(誓いのフィナーレ公開以来)の体験で、ここ数年ですっかり自分の感性が変わってしまったことを痛感させられた。

……まずユーフォって、こんなにも、いわゆる2次元美少女しいルックのアニメ(=”美少女動物園”)だったっけ?

キャラデザや脚本、芝居の次元で生理的にかなり受け付けないというか、ギョッとしてしまう。もう高校生を主人公にした現代国産青春アニメは観れない年齢になってしまったのかもしれない。(なんてことはない、自分自身が「オタクおじさん」になっていた、というオチ)

これが、もっと萌えの記号性を前面に押し出した美少女アニメ(ガルパンとか)ならまだしも、このルックでおはなしはリアルな組織内の人間関係モノであり、教育的な佇まいとか高尚さなんかを醸し出しているものだから、受容に困惑してしまう。これがエロゲなら素直に○○れるんだけど……(これは下品な冗談どころか、正鵠を得ているかもしれない。『誓いのフィナーレ』で号泣したのが4年前。この4年間で自分の身に起こった変化は、たしかに身分が学生から社会人になって「学園青春モノ」が遠くなったのもあるが、その他にも、シンプルに「エロゲを嗜むようになった」ことが案外デカいかもしれないと思った。)

(というか、ガルパン最終章の新作劇場版を特に復習せずにふらっと観にいってもそれなりに楽しめるという事実が、まさにユーフォと好対照をなしている!)

原作からして「幕間」的な位置付けだから仕方ないのかもしれないが、悪い意味でファンディスクのような、見ても見なくても良いかんじの内容に感じた、というのが正直なところ。
久美子と麗奈や、夏紀先輩と優子先輩などのいわゆる百合カップリング描写のあざとさがとにかく鼻についたし、久美子の新部長としての苦悩と成長を描くプロットも、しょーじき形骸的かつ説明し過ぎで興味をそそられなかった。八重奏アンサンブルメンバーのうち躓いている2人に、久美子が優秀な助言を施すことであっさりと解決してしまう展開などは、さすがに薄っぺらすぎる。久美子の部長としての有能さを描きたかったのはわかるが、むしろ作品の底を見せる効果しか生んでいなかった。まぁ原作からしておまけ外伝短編みたいなものなのかもしれず、あるいは映画の尺の都合で泣く泣く改変したのかもしれず、それともTV3期でのより深刻で重層的なストーリーの前振りなのかもしれないが……はい……。

みぞれ先輩との「窓」の演出も、発想はいいけれど台詞で説明しすぎで露骨さ/あざとさが優ってしまっていて残念。

久美子が教室の窓際で麗奈と会話してるとき、両脚の膝下をふらふら揺らしているのに上半身が一切ブレてなかったのがめっちゃ気持ち悪かったんだけど、これってやっぱり久美子の非人間性をあらわす演出ってことですか!?
(ぎゃくに久石奏さんは、これまた露骨に萌え萌えしく動くわけだけれど、ちゃんと重心・体幹の動きが書き込まれていて、久美子と対照的かもしれない。雑に、奏さんはダンスがうまいなーと思った)

久美子と麗奈の、(ファンが「まるで熟年夫婦のよう」だと囃し立てそうな)二人きりのやり取りのシーンを見ているときのわたしの感情は、「あ~~はやくこのふたりが卒業して離れ離れにならねぇかなぁ~~~!」というものだった。アンチか?笑
(ほかの人気カップリングについても同様です)

この映画を観ていて、わたしは、やっぱり、ものすごく、「百合」が嫌いなのかもしれない、と強く強く思った。
竹村和子などをよく読んで勉強して、本当に自分は”百合”が嫌いなのか、自分のなかに巣食う〔ヘテロ〕セクシズムと向き合いたい。



いまTV1期・2期や『リズと青い鳥』『誓いのフィナーレ』を見返して、かつてのように楽しめるのかどうか、今すぐ確認したい気持ちと、絶対に確認したくない気持ちの両方がある。

来春のTVシリーズ第3期を観るのがとても不安になった。作品のクオリティの心配をしているのではない。そうではなく、これを観て、自分がユーフォ新作を楽しめる自信が無くなった。




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