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資格試験勉強法〜2級FP技能士編〜

 前回、3級FP技能検定を受検した際のお話をしましたが、筆者はその後2級FP技能検定も受検・合格しましたので、今回はそのお話をしようと思います。

▼3級FP技能士編はこちら▼

受検資格が必要

 3級FPが誰でも受検可能であるのに対し、2級FPは、3級FPの合格者やAFP認定研修修了者、2年以上の実務経験がある方でなければ受検することができません。

2級FPの試験内容は?

 2級FP技能検定は、学科試験がマークシート方式、実技試験が記述式で行われます。
 学科試験は、4肢択一問題が計60問(各1点)出題され、合格基準点は6割の36点です。
 実技試験は、与えられた資料を基にした計算問題を中心に、○×問題と択一問題もあります。全て記述式問題であり、計40問(100点満点)が出題され、合格基準点は6割の60点です。

 具体的な出題内容は、3級同様次の6分野です。

  1. ライフプランニングと資金管理 〜 社会保険、公的年金等

  2. リスク管理 〜 生命保険、損害保険等と税金

  3. 金融資産運用 〜 債券、株式、投資信託等と税金

  4. タックスプランニング 〜 所得税の基礎知識と計算等

  5. 不動産 〜 不動産取引、法令上の規制、税金等

  6. 相続・事業承継 〜 相続の基礎知識、相続税、贈与税等

 3級の内容がベースになっているのですが、3級との難易度の違いは、①内容の細かさと計算の多さ、②出題方式といった点に表れています。
 ①については、3級では範囲外だった項目が増えるほか、同じ項目でもより詳細な内容が問われます。また、3級ではしなくても良かったところで計算が求められる場面もあります。
 ②については、同じ択一でも、3級では「数字」や「用語」などを選択すれば良かったのに対し、2級では1〜3行の文章の正誤を判断する必要があります。加えて、4つの選択肢から選択しなければならないので(3級は○×と3択)、文章を読む労力が格段に増加します。

勉強スケジュール・方法

 筆者は2022年1月23日に2級検定を受検し、合格しました。
 勉強開始は10月に入ってからでしたので、3カ月半程度の勉強期間を取っていたことになります(3級の時は2カ月半程度でした)。
 3級受験から4カ月ほど間が空いてから勉強を開始したのですが、3級の復習は特にせず、2級のテキストから読み始めました。

 当時の勉強方法は、
  ①テキストを一通り読んで全体像を把握する
 →②問題集を解く
 →③分からないところはテキストを読む
 →④問題集を解く
 →⑤問題集4周目からは3周目までに間違えた問題だけを解く
 →⑥スマホアプリで過去問を解きまくる
 といった感じで、3級の勉強と変わりませんでした。

テキスト・問題集

 テキストと問題集は、次のものを使用しました。これ以外には何も使っていません。
【テキスト】
 「うかる!FP2級・AFP王道テキスト2021-2022年版」(日本経済新聞出版社)
【問題集】
 「うかる!FP2級・AFP王道問題集2021-2022年版」(日本経済新聞出版社)
【過去問演習】
 「FP2級 過去問道場」(FP2級ドットコム)

 日経出版の「うかる!」シリーズは、3級受検時に使用して特に使いづらさもなかったので、2級受検時も同シリーズのテキストと問題集を使用しました。
 過去問演習については、3級受検時と同様、通勤時間や昼休みなどの空いた時間も活用して、とにかく過去問道場で解きまくりました。「模擬試験」モードにして、本試験と同じ出題構成を繰り返し解くことで、6分野全ての内容を毎日復習することができ、やはり知識の定着には非常に有効だったと思います。

受検結果

 筆者の受検結果は次のとおりです。

【学科試験】47/60点(78.3%)
 ライフプランニング(9/10)
 リスク管理(9/10)
 金融資産運用(8/10)
 タックスプランニング(7/10)
 不動産(7/10)
 相続・事業承継(7/10)

【実技試験】85/100点(85.0%)
 (参考)61/70問(87.1%)正答
  ※実技試験の配点は非公開です

 どちらも6割を超え、無事に合格しました。
 正直、学科試験については、直前の問題演習の結果からも、もっと(9割近く)取れると思っていました。本試験は思ったより難しかったですね。
 ちなみにこの時の合格率は、学科が41.51%、実技が56.33%でした。

2級FP合格証書

受検してみた感想

 3級受検という下地はあったので、内容的には入りやすかったと思います。
 しかし、問題形式の違いによる難易度の高さは感じましたね。問題集と過去問道場を繰り返すうちに合格水準までは達した実感を持てていましたが、本試験では思ったより取れなかったというのが全てです(6割で合格の試験ではあるのですが)。
 筆者が3級を受検した時の合格率は、学科が83.25%、実技が76.65%でしたので、2級の学科の合格率は3級の半分程度になります。合格率の違いからも難易度の違いがお分かりいただけると思います。
 その中でも、2級については、学科よりも実技の方が点数は取りやすいなというのが、勉強中の実感でもありましたし、本試験での結果にも表れました。実際に合格率は実技試験の方が高いです。
 そのため、いかに学科試験で確実に合格水準まで達するかというのが、2級FP技能検定のカギになると思います。

2級FP取得の効果

 2級FPを取得すると、学習範囲は3級とそれほど変わらないのですが、一つ一つの項目に対する理解の深さが大きく変わりました。

 資産運用する際の銘柄分析やポートフォリオを考慮する場面でも生きていますし、所得税等の知識から、自分の源泉徴収票の数字の意味が全て分かります(筆者は源泉徴収票をもらったら、ちゃんと合っているか自分で計算しています)。

 それから、保険について、その種類や加入の要否、入るとどのような税制メリットがあるのか、資産運用と比較してコスパはどうか等を自分の頭で考えられるようになるので、営業に来た保険会社の方とも対等に話ができます。筆者の場合、根拠を持って「私には必要ありません」と言う武器になりました(笑)

 さらに、2級FPを取得した効果としては、他の関連資格へと興味が広がったことを挙げておきたいです。
 これまでに、お金全般にまつわる関連では、2級FP受検後すぐに「日商簿記3級」を取得し、さらに「不動産」分野の関連では「宅地建物取引士(宅建士)」の勉強をして合格しました。
 このほか、筆者が興味を持っている「行政書士」は「相続・事業承継」分野とリンクしますし、「社会保険労務士(社労士)」は「ライフプランニング」の社会保険・公的年金とリンクします。
 このように、FPの勉強をすることは、それぞれの分野に権威ある専門資格があるほど幅広い分野について、そのベースとなる知識を得ることにもつながっているのです。
 下記ツイートの資格相関図は非常に参考になりますので、引用させていただきます。

 資格試験は、転職等に有利に働くという実用的なメリットがあるのはもちろんですが、筆者の場合はそのような生かし方は考えておらず、資格試験の勉強を通して、日常生活や人生を豊かにするための知識を習得することを目的としています。
 ただ、試験勉強以外にも、読書や趣味の時間が欲しいと思っているので、仕事やプライベートの状況を考慮しながら、気が向いた時に無理なく資格の勉強をしていければ良いと考えています。

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