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「写真お願いできます?」と聞かれた編集・ライターに贈る、予算別カメラレコメンド

「いやいや、プロにとってもらった方がいいと思いますよ?」と思いつつ、予算やスケジュールの兼ね合いで、編集者・ライターが撮影することは少なくありません。

依頼する側も、「まぁプロじゃないから」という気持ちで依頼はしてくれているはずですが、かといって「え、スマホ?」というクオリティのものを出すわけにはいきません。

あ、もちろん、プロに任せれば技術で機材をカバーできるので、スマホでもいい感じのカットを撮ってくれるかもしれません。でも、我々は素人。機材で技術をカバーするしかないんです。

幸いなことに、数十年前に比べればカメラの技術はコモディティ化が進み、プロが使う機材も、頑張ってお金を出せば買える時代になりました。だったらその利点を最大限享受し、機材で技術をカバーしましょう。「技術は札束でカバー」です。

そんなことをよく言ってたら、ちょうど「カメラを買いたいんだが何がいいか」という相談をされたので、これを機に、2020年上半期現在での編集ライター向けオススメカメラをまとめようと思います。

その前に自己紹介を…

僕自身、見ず知らずの人にレコメンドされてもカメラ買わないなと思ったので、本編に入る前にそれっぽいカメラに関する自己紹介を少しだけ挟ませて下さい。

足を突っ込んだのは大学の頃。建築専攻だったので、建築写真を撮りはじめたのが入り口でした。以来買ったカメラは10年で16台、レンズは40本程。数年前まではテック媒体を中心にライターをやっていたので、レビュー機等で借りた機材を含めると、使った数はその1.5〜2倍くらいだと思います。

CP+には毎年通い、メーカー各社の開発者や代表取材もしたり、一時期はハマりすぎてカメラ誌の内定をいただくなどしていました。(さすがに公私混同過ぎるのでやめました)

一方で、残念ながら写真の腕は大したことありません。仕事柄インタビューカットやイベント、ポートレートの撮影もやりますが、写真家さんとお話しするたびに、自分のこだわりの薄さに絶望し「僕が“写真”を語るのは失礼」と基本思っています。つまり、ただの”機材”オタです。

前提の整理

というわけで、ここからが本番。むやみにレコメンドはできないので一定条件を整理しましょう。今回は相談をくれた人をベースに考えたので、こんな感じで整理。

利用シーンの前提
- 使用者はWeb系の編集者・ライター
- インタビュー撮影での使用が主
- たまにイベントも撮るが「取材:イベント=7:3」くらい
- カメラにはそんな詳しくない(機械的、技術的双方)
機材選びの前提
- できれば新品がいいが、予算上の理由があれば中古も可
- 軽ければ軽い方がうれしいが、MUST要件ではない

ただ、レコメンドに入る前に1点だけ補足を。今回、僕はこの全部を満たすように作っていないです。予算の兼ね合いで悩んだモノに関しては「全部を満たす」ではなく、「一部は後で買いましょう」としました。というのも、「中途半端な機材では幸せになれない」からです。

幸せになれない——というのは「いい感じにとれない」という体験をしちゃうことを指します。せっかくいい値段を出してカメラ買ったのに、「うーん」って思うの嫌じゃないですか。

すると次撮るモチベーションも落ちてしまい、結局あまり撮らなくなってしまう。ではなく、「いろんなシーンでは使えないけど、この場面ではバチクソにいい写真が撮れる!」と思えた方が次も撮りたくなるじゃないですか。

写真は回数をこなせば一定までは腕もついてくるので「撮るたびに楽しくなる」ことが、いい感じに写真を撮れる近道と考え、「撮ってて楽しい体験」を作れるセットを考えた次第です。

ちなみに、各種細かな説明は完全に省くので「焦点距離って何だ…」「ズーム?単焦点?」「センサーサイズ?」って方はこのあたりを読んでからどうぞ。

それでは早速、予算別で見ていきましょう。

個人的ベストセレクト

といいつつも、はじめは、予算ガン無視で個人的ベストラインナップを。これをベースに金額別も考えています。

ボディは、間違いなく今最も勢いのあるカメラメーカー・SONYのα7シリーズ最新型のα7Ⅲ。イメージング事業は絶好調なので「機材そろえたのに事業売却されてるやん…」というオリンパスのようなことはないはず。

インタビュー用レンズは、小型軽量ながらF2.8通しのTAMRONの28−75ズームと、単焦点を50mmと85mm。メインカットや決めのカットは単焦点の方がやはり画がきれいなので、比較的安価でも持っておくと楽しいです。

イベント用レンズは、同じくTAMRONの70-180。これもF2.8通しながら軽いし写りもよいレンズ。最近のTAMRONはすごい。

ちなみに、SONYは今キャッシュバックキャンペーンをやってるので、この金額からは3万近くは返ってくるはず。そう思うと実質は45万。やすい!

(※この記事のために、はじめて見積SNSを使いました。便利)

予算30万円

と、勧めても上の機材を買う人は希有だと思うので、現実的な予算ベースでいきましょう。個人的に相談受けた時の最大値は大体これくらい。会社で共用カメラを…って人とかはこれくらいなイメージです。

この場合、第一案はこちら。

早速全部そろってません。申し訳ない…上のフルセットから優先度が一番低い85mmの単焦点と、イベント用ズームレンズを外しました。どちらも後で必要になったら買おう。(ちなみにキャッシュバックがあるので実質30万計算)

とはいえ、それでは困る…一通り必要なんだ…って人も居ると思うので別案も。

レンズを高倍率ズームにしました。これで200mmまでをカバー。このTAMRONの28-200は出たばかりというのもあり使ったことこそないものの、わりと初動のレビューは反響が良い感じ。F2.8-5.6と明るいので、基本はズームで抑えつつ、「ここぞ」ってシーンは単焦点を。多分僕はこのセットを買いますね。

高倍率ズームは嫌いという方には、中古の別案を紹介。

ちょっとオーバーしてるけど、今度はCanonで中古です。

プロ御用達のCanon 5D mark4がメインの構成。本当に使っている人が多いので、現場で見たことがある人もいるはず。2016年発売で結構古い機種なんですが、後継機が出てないのもあってわりと現役。いいカメラです。重くてでかいけど、「写真撮ってる〜」感がすごい。もちろん写りは文句なし(少なくとも自分の場合)

レンズは24−70F4Lと50mm単焦点でインタビューを。イベントは70−300の便利望遠ズーム。24−70は比較的設計新しい良いレンズ。簡易マクロがついてるのも地味にありがたい。70−300は設計が新しいのもあり、Lレンズ(Canonのハイエンドライン)の70−200F4Lとかより性能がいい(のに半額)という素晴らしいレンズ。どちらも手ぶれ補正付きなので安心です。

50mmはいわゆる撒き餌レンズなんですが、Canonの50/1.8は毎度力入ってるので、これで全然問題なし。むしろ設計が新しいので純正ならコレ、他がいいならSIGMAかZeissでも買おうな!って気持ちです。

予算20万円

個人でそろえようとするとこれくらいがMaxかも、という金額感。ライターの場合、写真は本業ではないのでそこまで予算はかけらないのは事実。むしろ20万も払うなんて偉い。偉すぎます。そんなあなたにはこれ。

2万円キャッシュバックなのでぴったり20万です。

ボディはSONYではあるが、α7Ⅲの一世代前、α7Ⅱです。後継機が出てますがいまだに生産されてるので現行機です。ただ発売日は2014年なので結構前のモデル。とはいえ、撮れる写真が最近のものと激しく変わる訳でもないです。(僕自身、1年前まで2012年のカメラを使ってました)

手ぶれ補正も入っています。シャッターフィーリングが個人的にはあまり好きじゃないんですが、このあたりは触ってみて下さい。

レンズは先述のTAMRON28−200の高倍率ズームと50mm単焦点。ここは無難に・・・って感じです。

ただ、さすがに6年前のは…って方はこちら。

再びのCanon&中古。

ボディは6D MarkⅡという、5Dの一個下のモデルです。発売日が2017年8月なのでまだまだ新しいですね。現役の機種です。5Dよりも軽くてちょっとコンパクトです。

レンズは上で紹介した24−70F4Lと50mmの撒き餌レンズ。これで20万きるのはありがたい。追加でイベント用レンズかっても5万しない(中古なら)のはありがたい。

予算15万円

相談の幅でよく聞くトップレンジはここ。ただ、このレンジむずいんですね〜。妥協しないで機材を考えると一気に難易度が上がります。そろえられない。なのでこのあたりからは積極的に中古を選んでいきます。

最初はこちら。突如登場するのがFUJIFILM。いいカメラ作っています。ここまで紹介してきたカメラは全部センサーがフルサイズだったんですが、こいつだけはAPS-C。

FUJIFILMは「フルサイズにしたらシステムがでかくなってデジタルの意味がない。APS-Cでフルサイズの画質目指せばいいやん」という精神で開発しているやばい会社です(褒めてる)。なので、APS-Cでも推せる。

X-T30は去年発売のモデル。普通に良いカメラです。デザインだけ多少好みが分かれるかも。レンズはさすがに望遠は諦めましたが、18−55のズームと35/2の単焦点。FUJIはとにかく良きレンズを一杯作っているので、「もう迷っちゃう」と思いながら選んでました。


ただ、個人的に買うならX-T30よりX-T3ですね。いや、写りは一緒なんですよ。しかも、X-T30の方が新しい。でも僕はデザイン的にX-T3が好みなので…。って感じです。お店で見比べてくれ。中身はほぼ一緒なんだ…。


ただ、ここまでは中古。どうしても新品がいい—!というかたはこちら。

いろいろ妥協してます。15万超えてるし、レンズも24−105の1本のみ。個人的にはシャッターフィーリングがあんま好きじゃないです。ただ、一応最新型だし、フルサイズとしては割安。Canonは色もきれいです。これを軸に機材をそろえていくのもアリっちゃアリ。

または、もうちょい出せる&少し冒険できる人はこちら。

α7Ⅱと単焦点2本のみ、ズームは諦めました。キャッシュバックが3万入るので17万です。いきなりこの構成は攻めるな〜という気持ちだけど、「ズームは邪道。単焦点で脚で稼く」精神の人もいるのでやれないことはないと思います。僕自身、お金に余裕がないのにカメラ買ってたときは大体ボディ+50mmだけでした。

人によっては、85mmを35mmに変えてもいいかもです。

予算10万円

一番多いのはこの予算規模。でもね…正直厳しいんです。この金額で一式そろえようとすると絶対に妥協が必要。なので最小限構成だし、個人的にはあまりオススメしません。だけどニーズはあると思うので、こちら。

(見積SNSが面倒になってきたのでAmazonリンク)一応SONYの2019年発売のAPS-Cモデル。入門機には確かにいい。「コレが一眼の写りか」と思う分には問題ないっす。でも人を撮るにはきついな…。

ちなみに、性能的にはもう一眼である必要はないので、こちらもおすすめ。

Canonのコンデジです。でもAPS-Cセンサーでズームなので、実質性能的には↑と同じ。中古で買えば9万円切る位の値段です。

予算5万円

諦めろ!って気持ちですが、まぁ、本業じゃないからね…わかる…わかるが難しい…。強いて言うならコレ。

RX100シリーズは既に7代目まで出てる、大人気シリーズ。1型センサーというAPS-Cよりは小さいけど普通のカメラよりは大きいのを積んでて、色ノリも良いのできれいな写真が撮れる。ズーム搭載なので、サクッと撮る用で使ってる記者をたまに見る。2014年発売だけど、全然現役。僕はサブに欲しいって感じす。こちらも中古で買えば5万切ります。

ラップアップ

長々と書きましたが、こんな感じです。端的に言えば以下。

-  手放しにオススメできるのは20万以上
- 15万までは中古を駆使して頑張ろう
- 10万以下はできればお金貯めてもう少し上のモノを買う方がベター

以上!人によっては「なんでレンズTAMRONばっかなんだ」「SIGMA fpはどうした」「Nikonを忘れないで」「PENT(ry....」「マ..」などいろんな意見はあると思いますがあくまで「僕が聞かれて手放しで勧めるならこれ」という主観です。その点はご理解下さい。

やっぱりミラーレスになってからソニーの勢いは間違いないし、そこは手放しに勧めやすい。一方で(個人的には)長年プロ市場を支えてきたCanonのレフ機への信頼も厚いという感じです。CanonもR5,6と新機種出たりとミラーレス推し感強いですが、レフ機の良さはそれはそれであるなと思っていたりします。まぁ僕はどちらも手放したんですけどね。(良いカメラでした)

めっちゃ雑に書いてるので「なんでコレなんだ〜」っていうのはTwitterで聞いて下さい!それではみなさん、マップカメラでお会いしましょう。

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designing編集長 / weaving代表取締役|デザインとビジネスを編み、伝える仕事をしています。 Ex. Apple Retail、建築設計事務所、デザインコンサル。ご連絡:contact[at]weaving.co.jp

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コメント (1)
編集者ですが、RX100→RX100m5、RX100m6を取材でも存分に使っています。これで足りないものはプロに頼む、の割り切りでOKかなと思います。
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