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カスタマーサクセスチームが3ヶ月フルリモートワークをしたらどうなった?

5月25日、首都圏の緊急事態宣言が解除されました。

私のチームでは3月1日から1日も出社せず、すべての顧客対応、セミナー、社内MTGをリモートで実施しました。この間の変化を残したいとおもいます。

1、元の環境は?

CSMは主にハイタッチのonboarding、その後はWEB会議ベースでのadoption、renewalまでカスタマージャーニーの全てを担当します。

規模が大きい×近郊の顧客にはフィールド型でタッチしていました。

私のチームが担当する顧客はアップセル、クロスセルといった2次収益だけでなく、代理/取次による売上といった3次収益も頻繁に見込めるため、分業型ではなく、アカウントマネジメント型を採用しています。

2、リモートワーク移行後におこなった施策

如何にチームの心理的安全を確保し、生産性を高めるか、を当然気にするわけですが、ポイントは生産性を”落とさない”ではなく、”どう高めるか”です。

特にイメージしたことは3つあります。

①削減される移動時間をチームビルディングに5割投下する

②人ごとにバラバラな稼働時間を均一化し、チームビルディングの時間を毎日とる

③本社と支社で別れていたオペレーションをより均一にする

具体的な施策はいたってシンプルです。

・Zoomの導入

→元々Google meetsを使っていたのですが、ブラウザで動くものは品質が低いのでやめる機会をうかがっていました。Zoomアプリで品質が改善することもそうですが、画面共有時にも顔が見えるようになり、非常に安心感が出ます。また、バーチャル背景で”アソビゴコロ”が発揮できるのでチームの距離を縮めるのに一定の効果があるとおもいます。

最近は外部のベテラン経営者の方とも平気で”アソビゴコロ”のある画像でミーティングします。

↓私の背景は銀閣寺東求堂。テンションあがります。

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・古典的な朝会、夕会の導入

これは特に②バラバラだった稼働時間を均一化しつつ、チームビルディングするために実施しました。リモートでコミュニケーションが減少することは最も避けたいことの1つです。

同じチームとはいえ、「住む場所×訪問先×OKR」が異なるメンバーを決まった時間に集めるのは結構気を遣っていました。定例の"OKR進捗MTG"とWinSession(OKR進捗を賞賛しあう場)、1on1が限界でした。それに支社メンバーとの一体感も醸成しにくい。。。

リモート移行後、毎日25分間の朝会と週1回1時間の夕会を実施しました。朝会ではメンバーの体調、テンションが見れるので、すぐ1on1でフォローアップできます。

夕会は一人5分程度好きなテーマを持ち寄ってディスカッションするので、特に支社メンバーには好評です。普段は情報がなかなか入ってこないもどかしさがあるからでしょうね。

・メンバー間1on1の実施

リモートワークを機にチームの成長について、もっとメンバーを頼ることにしました。移動時間を削減した分、メンバー同士の1on1の時間を大幅に増やしました。メンバーの1on1の仕方や洞察、FBは予想以上にうまく、新たな強みを発見できる機会に恵まれました。

3、フルリモートでうまれた良い変化

・活動量(アポベース)が11%増

顧客対応では、細かいアポイントメントもとりやすくなり、タッチ頻度が増えました。定期的なMTG機会も設けやすくなった気がします。懸念していた顧客側経営者とのアポも問題なく実施できています。また、こちらの経営陣を顧客訪問に同席依頼しやすくなりました。

・チームビルディングの時間が36%増

メンバーに使える時間が圧倒的に増えました。はじめはメンバーのモチベーションがガクッと下がったときや厳しいことを言わないといけないときを想像するとリモートの制約に不安を感じましたが、信頼×自己肯定感×内省といった最近のマネジメントのフレームワークとリモートの相性はよいことがわかりました。

・”リモートでもいけるじゃん”という自信がメンバーと顧客双方に生まれた。

この自信はメンバーだけでなく、顧客にももっていただけたと思います。今後これが顧客のDXを進める我々の強力な武器になると期待しています。

4、フルリモート-今後の課題-

・多部署とのコミュニケーションが減った

明らかに減りました。特に新しい方とのコミュニケーション機会は業務上の必要性が発生しないとなかなか訪れません。新入社員の方、特にスタートアップに慣れていない方は機会損失が起きていることは間違いないでしょう。意識的にコミュニケーション機会を増やさないといけません。

・プライベートの環境に生産性が大きく左右される

私にも2才の子供がいますが、奥さんor保育園がサポートしてくれているので、日中は仕事に集中できています。このサポートがない方、サポートする側の方は大変です。会社からの評価に対する不満なども出てくるのかな、と予想します。

また、ワンルームに住んでいる若手独身社員の生産性も心配です。コタツなどのローデスクで仕事をおこなっているメンバーもいます。この状態では生産性がダウンすると思いますが、半分プライベートの領域なので、環境をああせい、こうせいいいづらい。せいぜい「初代バチェラーが経営してるCLASって知ってる?家具のサブスクの会社で、机もサブスクできるだって」とか「腰、痛そうだね。大丈夫?」とか、「〇〇もスタンドデスクにしたって。流行ってるね」とかいうのが限界です。

5、おしまい

私は「時間をどう配分するかがその人の姿を表す」と思っています。これはチームも同じ。リモートワークで生まれた余剰時間をなにに使うかによって”どんなチームでありたいか”を改めて示すよい機会になったと実感しています。

「ITツールを導入する。」「ハンコや紙をなくす」といったハード面だけでなく、チームや人の心理、信頼というソフト面を改善する機会としたいですね。

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