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商業施設(ショッピングセンター)の利用と出店と投資のあれこれ

みなさま日常的なお買い物や休日のお買い物にショッピングセンター(SC)を利用する事はありますでしょうか。
ショッピングセンター(SC)とはイオンモールや駅ビル等に代表される施設で、1つの建物に多くのお店を集約した業態です。
日常的に利用されている方はもちろん、小売店飲食店等の支援をされている方にも是非ご確認いただきたい。

【みなさま】ショッピングセンターの分類

ショッピングセンターは規模や商圏によって分類されています。その商圏にふさわしいテナントが入居しています。

スーパーリージョナルSC

10万㎡超の店舗面積があり、半径8~40kmの超広域を商圏としたSCです。
梅田を中心に商圏を具体的に表すと下記図の黒色で囲った部分で大阪府全域から神戸市全域と京都市南部までが商圏。

Googleマップを一部加工

梅田で言うと大阪ステーションシティ(ルクア、大丸等含む全体)が約10万㎡です。
次に大きな商圏を持つSCを

リージョナルSC

と呼びます。店舗面積4万㎡で  半径8~25kmの広域を商圏としたSCです。上記図の赤色で囲った部分で、梅田を中心とすると南部を除く大阪府全域から阪神間、高槻市付近までが商圏。梅田で言うとグランフロント大阪が約4万㎡です。
リージョナルSCを少し小さくしたのが

コミュニティSC

で店舗面積1~3万㎡、半径5~10kmの地域を商圏としたSCです。
下記図で黒色で囲った部分で、梅田を中心とすると大阪市全域から尼崎市、吹田市付近までが商圏です。

Googleマップを一部加工

梅田で言うとハービス(プラザ+エント)が約3万㎡。一方で梅田という商業集積がありますので、ハービスも広域から集客しているものと思われます。
さらに小さな商圏を持っているSCを

ネイバーフッドSC

とよび店舗面積1万㎡未満、半径5km未満の近隣地域を商圏としたSCです。
上記図の白色円の部分で梅田を中心とすると難波から新大阪~京橋付近が商圏です。梅田で言うとイーマやエスト。こちらも梅田の商業集積を考えると広域集客も実行できていると思います。
一方で、スーパーマーケットの商圏が半径0.5km(上記図の赤色部分)を考えるとネイバーフッドSCでも広域です。

また、別軸として超広域型の商圏を持つアウトレットモールがあります。

梅田のような商業集積があるエリアであれば、小さなビルでも広域からの集客が見込めますが、商業集積のない地方エリアにおいては、上記の区分を意識したSCが運営されています。

【ご利用の方】新規のSCはどこにできるか

お住まいの地域を決めるにあたってもお買い物ができる場所が近くにあることが重要です。今後SCができる場所について解説します。

まず可能性が高いのが、市街地再開発事業をおこなっている場所です。首都圏では「流山おおたかの森SC FLAPS」関西圏では「セブンパーク天美」などが当たります。同時にマンション建設を計画している事業も多くあるため要チェックです。
次に多いのは、工場跡地への出店で、名古屋の「イオンモール名古屋ノリタケの森」がオフィスとの複合施設として開業しています。

既に商業施設があるエリアでも百貨店がSC化するケースが多くなっています。例えば伊勢丹跡の「ミッテン府中」、ギンザシックス、関西圏でも京都高島屋SCが開業予定です。
サプライチェーン全体の活動はほぼほぼ同じですが、不動産管理から商品の仕入れ・販売までを実施する小売事業(百貨店)から専門店を集約しテナントを入れ替える不動産賃貸業であるSC業へよりリスクが小さい方向性への転換がすすんでいます。

SCの先進的な取り組みとしては、OMOが挙げられます。
SCがECモールを運営する三井不動産系の「&モール」。阪急百貨店梅田店等に出店した「売らない店ベータ」。さまざまなテナントの衣類をまとめて試着できるルクア大阪の「イーサロン」等があります。世の中のオンラインへの移行は止められるものではないため、オンラインとオフラインをマージする取り組みが試行されています。

【テナントとして入居をお考えの方】ショッピングセンターへ入居するにあたっての注意!

テナントとしてSCに出店される方や、中小企業診断士等テナントを支援されている方向けの注意点です。

○賃料(ランニングコスト)

売上歩合賃料+最低保証賃料となっているケースが多く、テナントにとって賃料が固定費となりません。具体的には売上高の15%程度を歩合賃料と設定しつつ、最低保証賃料も設定されているという契約形態です。
小売店のセールや飲食店のハッピーアワー等にも同様の歩合賃料がかかってきますので注意が必要です。
 また、賃料に含まれているものと含まれないものの整理も重要な確認ポイントです。一般不動産と異なり、レジ等の持ち込みが禁止であったり、ポイント経費等を別途求められる可能性があります。

○工事区分(イニシャルコスト)

主に基幹設備等デベロッパーが負担するA工事、基幹設備の増設等テナント負担でディベロッパーが実施するB工事、内装等テナントが負担するC工事があります。ここで特に注意が必要なのがB工事と呼ばれる部分で、負担はテナントにも関わらずディベロッパー指定業者での工事となり、高額になるケースがあります。しっかりとデベロッパーと価格についてコミュニケーションをとった上で、出店を決める事が重要です。

○集客

SCの分類でも解説しましたが、一般不動産と比較してSCの集客力は大きいです。また、自店舗の顧客だけではなく、他テナントを利用している見込み客へのアプローチも可能となります。(自店舗の顧客を奪われるリスクもありますが。。。)
特に広域集客型の施設では、何か欲しいもの、何か食べたいなどニーズが漠然としているお客様も多くいます。そのようなお客様をいかに獲得できるかがSCへの出店で重要な要素です。
(自社の既存顧客のみを相手にするのであれば一般不動産の方が費用対効果が高いです。)

【投資・事業参画をお考えの方】ショッピングセンターの今後

コロナ禍や環境問題への意識の高まりを受け、多くの小売店が売上至上主義から粗利益重視に変わってきました。既にご説明した賃料形態を考えると、テナント売上の低下が売上歩合賃料の低下を招きます。
またコト消費といったトレンドに合わせたテナント構成に出来ているかも重要なポイントです。
一方で、売上歩合賃料の設定がなされていることから、固定賃料をベースとした一般不動産と比較して、インフレによる売上増に連動した即座に賃料として得ることが可能です。(ただし地方においては最低保証賃料しか取れていないような施設も多くありますので注意が必要です。)

まとめ

SCの種類とテナントとして入居する場合の注意点を記載いたしました。
費用面と集客面の双方で注意が必要です。
少しでも皆様のご参考になれば幸いです。、

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