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水の見方を変えよう

 私の趣味はサイクリングだ。と言っても月に一度どこかに行ったりするだけで、競技として漕いでるわけではない。サイクリストにとって水は敵でもあり見方だ。自転車を漕げば、汗をかくなので水分補給は重要だ。見方とはこう言うことだ。しかもこう言う時に飲む水は旨い。では、いつ水は敵になり得るのか。それは「雨」だ。雨に打たれながらのサイクリングは精神を削る。雨で地面も滑りやすくなり、ブレーキの効きも悪くなり、事故の危険性も上がり、気を使うことが増える。体温も奪われる。服は濡れ、不快感は耐えきれない。じゃあ雨の日は自転車を漕ぐな、と思うかもしれない。そうできれば私もそうしたいが、遠出中はそうもいかない、進まなければいけないのだ。しかし、全身ビショビショの精神ボロボロ状態で入る風呂は段違いで気持ちいい。そして、風呂で癒してくれるのは、心地いい温度のお湯だ。お湯、つまりは水、ここでも出てくるのは水だ。

 癒しのイメージカラーはピンクか青だ。ピンクはおそらく心臓の色から、人体に関わると言う意味で、ピンクは癒しになったのだろう。じゃあ青はどこからきたのだろうか、おそらく海だ。海=水だと考えてほしい。海が青いのは、空の色を反射しているからだ。そして空が青いのは、太陽光に含まれている波長の短い青い光が、大気中の粒子にぶつかって、散乱しているから、青く見えるのだ。(ちなみに他の色の光は波長の長さの関係から、大気中の粒子にぶつかることなく真っ直ぐ進んでくる。)これは少し夢を壊していまったかもしれない。

次は先ほど出てきた、「海」だ。 海は地表の7割を占めている。船に乗るとその広大さに気づく。360度水だ。そして水平線に目がいくだろう。水平線はこの地球上で一番長い線だ。「線」というものは抽象的で実態がない。概念だ。水平線も視点をずらせば、面の一部になる。紙に定規と鉛筆で引いた線は、幅を持つので、正確には「面」だ。数学では便宜上、面を直線としている。まだ人間がある程度の文明を持つ前ならば、この水平線こそ、「線」の概念の先駆けになったのではないかと思う。水というものは「線」を持っている。

 水は光を吸収することなく反射する。その性質は芸術性が高い。逆さ富士、ウユニ湖が有名だ。なぜあの反射には心惹かれるのであろう。やはり、同じ物が上下逆さまにくっついているのが脳の中では不思議現象なのだろう。逆さ富士やウユニ湖は、後天的なものの見方ではなく、先天的な、生まれながらに持つものの見方で、あの同じ物が上下逆さまにくっついてる現象は誰が見ても感心するものなのではないかと思う。


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