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不動産投資とJ-REITはどこが違う?(その2)

不動産投資を始めようと思っている人も多いでしょう。何となく儲かりそうな気がしますよね。

でも、ちょっと待って下さい。
不動産に投資しなくても、似たような投資方法があります。
それは、J-REITです。

今回は、現物不動産とJ-REITの違いを解説します。


2.    現物不動産との比較

 
さて、ここでは現物不動産とREITの特徴を比較してみましょう。
 

①  投資利回りの安定性


現物不動産は、場所、地域、築年数によって投資利回りが大きく違います。
都心の物件よりも地方の物件の方が投資利回りは高いです。築年数が新しい物件よりも築年数が古い物件の方が投資利回りは高いです。
 
優良物件の場合、投資利回りは5%を超えません。
不動産の現物に投資すると固定資産税等、管理費の支払が発生します。物件の定期的な修繕が必要になり、大規模修繕による支出も必要になります。さらに、空室時には賃料収入がありません。
現物不動産に投資する場合、投資する物件数がそれなりに多くないと収益は安定しません。
 
一方、J-REIT等は多数の投資家から集めた資金を運用します。
投資家全体の出資額は大きいため、J-REITの一件当たりの投資金額は大きく、保有する物件数も個人と比較して多いでしょう。J-REITは多くの物件を運用できるため、収益が安定します。
投資利回りの安定性という観点からはJ-REITの方が優れていると言えるでしょう。

②  投資金額


現物不動産を取得する場合、相当な金額が必要です。
例えば、区分所有建物でも数千万円単位のお金が必要です。ビル一棟となると数億円単位のお金が必要になるでしょう。
よほど資金力のある投資家でない限り、現物不動産をいくつも購入することができません。
 
一方、J-REITは多数の投資家から資金を調達するため、各投資家の出資額は少額です。J-REITの場合5万円くらいから購入が可能です。現物不動産に比べると少額での投資が可能です。
 
気軽に投資できるという意味ではJ-REITは優れています。

③  流動性(処分可能性)


投資利回りが5%の物件に投資した場合、税金を無視しても20年以上経過しないと、投資資金を回収できません。
また、現物不動産は処分したくても直ぐに売却できません。
売買が成立するまで数カ月掛かります。場合によっては、何年間も買い手が付かず、資金化できない場合もあるでしょう。
さらに、仲介手数料などのコストが掛かりますから、取引コストは安くありません。
 
一方、J-REITは上場しています。上場株式と同じで、証券取引所が開いている時間(午前9時~11時30分、午前1時30分~3時)であれば、いつでも処分できます。
ネット証券会社を使っていれば数秒でJ-REITは購入できます。売却する時も数秒です。
J-REITの流動性は現物不動産に比べると、比較にならないほど優れています。


現物不動産とREIT等の特徴を比較すると以下のようになります。
 
【現物不動産とJ-REITの比較】

現物不動産の購入を検討する前に、J-REITの投資も検討してみてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです。

<その1はこちら>

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全2回にわたって現物不動産とJ-REITの違いについて説明しました。
なお、不動産ファイナンスについて詳しく知りたい人は下記の書籍を参考にして下さい。

【金融マンのための不動産ファイナンス講座】

【金融マンのための実践ファイナンス講座】


【図解 不動産ファイナンスのしくみ】

 

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