見出し画像

ラブホテルで働く日。前編

地方歓楽街、駅から徒歩3分圏内のホテルで23:00から翌9:00まで清掃をしている。超忙しい週末は休憩などあってないようなものであり扉の向こうの快楽の裏ではぶっ続けで動き続けているのである。(よくも毎週飽きもせず満室じゃないか!羨ましい!)

23:00
五億年ボタンのような労働開始。
リネンモニターを確認し清掃部屋へ向かう(リネンモニターとは在室状況や清掃状況、退室やチェックイン情報を教えてくれる!客の動きの確認も兼ねてるのでスタッフと鉢合わせないのはこのモニターのお陰なのだ!)
初っ端から床に落ちたパンパンのゴムを素足で踏み素手で拾い上げ顔も知らない客をボロクソに罵倒した。
「口を縛れない男は何をやってもダメ!」
「こういう奴に限って家では神経質なのよ!」
やけにパートの言葉が響いた。

24:00
掃除をすればチェックイン、そしてまた退室…。息をつく暇もなくどんどん掃除部屋へ向かう。宿泊で入った部屋は朝まで出ないので暇な時間が増える。しかしショートタイムや休憩で入った部屋はすぐに退室してしまう為動きっぱなしになってしまうのだ。因みにショートや休憩で客が入るたびに皆舌打ちをするのが面白い。
「なんだよまたショートかよ、っとに碌でもねえなあ!」「こんな時間に来て暇なのかよ!」
とボロカス言われていることは扉の向こうの客は知る由もない。

1:00
本来ならここで我々の休憩に入るのだが空室がないので清掃に向かう。まだ体力はある。心も折れてない。
そして大抵清掃とフロントの仲間割れが発生する。フロントは座りっぱなしでいいわね!軍とフロントは気を張ってるから大変なのよ!軍。
正直どちらも大変だと思うのでこの論争にはあまり参加したく無い。今日もご苦労!

2:00
ようやく休憩に入れたが人が少ない上に空室がない為30分の休憩になってしまった!休憩室にもリネンモニターがあるので「501、退室されました。作業を行って下さい」と催促される。めっちゃ不愉快。
そういえば深夜にテレビを見ることが増えたので最近男性アイドルに詳しくなった。HiHi Jetsの番組をよく見ている。

2:30
やってもやっても空き部屋が出来ないどころか清掃したばかりの部屋にショートタイムで入って20分程度で出て行ってしまった。短時間なのに全てのサービスを使い果たしている…果たして物凄く早漏なのか単に雨宿りに来たのか、我々にはわからない。

というかこのままでは朝の休憩すら取れないことに気づく。ついに心が折れてくる。

3:30
ようやく清掃がひと段落し各階の待機場所に置いてあるリネンを補充する。要するに朝の宿泊退室ラッシュ備えてタオルやボディーソープの予備を沢山置いておくことも我々の仕事なのである!
当ホテルはかなり階数があるので時間がかかる。
これをしている最中でも退室したら清掃に向かう。行ったり来たり、ヘトヘトだぁ。

4:00
リネン補充も終わり大抵の客は眠りに着いているため束の間の休息。フロアは静かなので内扉を開けてる部屋は喘ぎ声が聞こえる(これを私は二次スケベと呼んでいる)オットセイの様な声と鞭の音がけたたましく聞こえてくる。
パンッパンッオウッオウッオウッ…パァンッ!!
勘弁してください。

後編へ続く…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?