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初日 肘頭骨折 一人遊び
生まれてこの方骨折などしたことのなかった私だが、ある日自転車で移動中に転倒して骨折をした。
30代既婚、男、子供はまだいない。
妻はその日たまたま実家に帰っていた。
私のささやかな趣味は音楽、洋服、野球、そして飲酒。
入籍してから彼女から妻となったパートナーに、「飲みすぎると認知症のリスクが高まるから飲むな」と言われた。
いや、厳密には入籍の前の同棲のタイミングだった。一緒に住むだけで飲酒が制限された。
同棲前はよく居酒屋でデートしたものだ。互いに酒を飲み、タバコをふかしあぁでもないこうでもないと議論を交わした。
今思えば私に仕方なく付き合っていたように思う。悪い事をしていたかもしれないと思いつつも、職場の仲間と退勤後に缶ビールで乾杯をする日々。
当然妻にはバレていたと思うが、妻は何も言わない。
妻も妻で通告したことを守らない私に苛立ちもしていたと思う。
ただ、私は「飲酒の制限」に際して承諾はしていない。腑に落ちるはずがない。その時の妻は言わば浦賀に来航したペリーの姿に被った。
「こ、こわい」
常日頃そう思っていた。
話を戻そう。
その日妻はたまたま実家に帰っていた。電車で1時間30分程の場所。
繰り返し言う、私の趣味は音楽、洋服、野球、そして飲酒。
小雨が降るその日はリモートワークでの作業。シフト上では半休。
私は11時~15時という時間でその日は業務を終え、足早に近くのサウナへと赴く。
道中のコンビニでビールを購入し、爆音で銀杏BOYZを聴く。
そう、この17歳ごっこが私の一人遊び。アルコールとあの頃の思い出で自身の退行を加速させる。
サウナで整い、今度は最寄り駅へと向かう。
目指すは某海浜公園。
これが私の一人遊び。
つづく
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