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これからアガベを選ぶ方へ

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約200種はあるといわれているアガベ。チタノタ・オテロイだけがアガベではありません。他にも魅力的なアガベが多数ありますが意外と情報は少なく、また特定の種の情報が多く、種名だけでは…
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アガベ 節ごとの種のまとめ

 日本語として判りにくいタイトルでごめんなさい。 これまで、節ごとに各種の紹介をしてきましたが、記事が散らばってわかりにくいのでここでまとめておこうと思います。どちらかというと自分が育成している種の取りまとめになります。  すでにそれぞれの記事をご覧の型はご存じかと思いますが、たくさんあるアガベの種ですが、節単位でみると一つの傾向が読み取れることと思います。「選び方」でも言及していますが、ほとんど情報がない種でもそれがどの節に属しているのかを知ることで、どんな特徴があるのかを

アガベの品種の選び方

 数年前にトゲもの観葉植物の育成を始めているがメインはアガベである。当時も現在も、アガベ界はチタノタ、オテロイが大人気だが、育成を始めた当初は入手できる種を手当たり次第購入して播種、育成をした。当時はその種類が成長した姿も良くわからず、自分の好みの姿というものも特になかった。  それから約3年が経過し、最初にまいた子はかなり成長してきた。現在のわがフィールド中の最大アガベは直径が1メートルを超えるまでになった。  アガベは種類が多く、メジャー種についてはネット上に各種の情報

アガベ 品種紹介(Parryanae節)

古くから知られている吉祥天を含むグループです。上の写真は大阪の「咲くやこの花館」にあるパリーの巨大株で、実に見事なものです。 ここでは我が家のアガベのうちパリーナエ節に分類されるものを紹介します。 パリー チワワ chihuahuana 巷では人気のある種類です。更に産地などで分類され、トルンカータ、チワワ、ホーチュエンスなどがあります。  最初に入手して播種したのがチワワでした。その後にトルンカータなども播種しましたが、いずれも成長は遅めです。  チワワは小苗のうちから

アガベ 品種紹介(Crenatae節)

 この節(クレナタ節)の種は成長が早く、比較的柔らかい葉を持っています。葉色は薄い緑(黄緑)で鋸歯も弱いものが多い印象。ここで紹介したもののうちマキシミリアナが一番扱いやすく、観賞価値が高い気がします。 クプレアータcupreata  成長は早いもののとにかく寒さに弱いです。地植えにして物は昨年の凍害でほとんど枯死しました。鉢植えにすると日照と水のバランスが崩れるのか、やたらと平べったく、みっともない株姿となります。厳寒期を除き地植えすると写真のように少しは見栄えが良くな

アガベ 品種紹介(Americanae節)

 本節の代表種は言わずもがなのアメリカーナでしょう。なぜか我が家ではアメリカーナ(リュウゼツラン)も青のリュウゼツランもありません。  比較的大きくなる種で地植えが可能ということで、場所によっては野生化?しているところもあるようです。  アメリカーナを一般家庭の庭で栽培するのはスペース的に難しいと思いますが、かといって鉢植えではすぐに根詰まりしてしまうようです。 我が家で育成しているこのグループを紹介します。 プロトアメリカーナprotoamericana  アメリカーナ

アガベ 品種紹介(Polycephalae節)

ここで紹介するのはポリフェケラ節(カナ標記が正しいかは不明)のうち育成中のものです。比較的成長が早く丈夫な種が多い印象です。 チアペンシスchiapensis  最初期に播種した種類のひとつ。発芽率は普通(半分程度)でしたが以後の育成は容易で成長も比較的早いです。葉色が独特の緑色で葉の形も丸めで、数あるアガベの中でも特徴がはっきりしている種類です。最近とあるYouTubeのチャンネルで推し紹介されていたので名前をご存じの方も多いでしょう。10株程度ありましたが意外と引き合

アガベ 品種紹介(Marginatae節1)

 数年来のブームが続いているチタノタを含むグループで、人気のある品種が揃っています。全般に成長が遅く播種からでは5年、10年単位の育成をしないと見ごたえのある株にならないかもしれません。我が家は2021年に播種したものが最も長い育成期間で、上記のホリダが現在の最大株となります。マルギナタ節は種類が多いので数回に分けて紹介します。 ホリダ horrida  チタノタが大ブームになる前に話題になり価格が高騰したと聞いています。現在はだいぶ落ち着いたようですが、整った株姿は人気

アガベ 品種紹介(Littaea節)

 このグループは葉色が緑色、鋸歯が弱め、成長が早いものが多いと思います。育成が進んでいるのは上の2種しかありませんが、来年ぐらいには下記の2種も紹介したいと思います。 チアペンシスchiapensis  葉色が特徴的な若々しい緑で鋸歯とスピンは黒。あまり個体差はありませんが葉の形とスピンの大きさが異なるようです。発芽率は普通、発芽後の育成も比較的容易ですが、寒さにはあまり強くないようで、昨年の寒波で数株落としてしまいました。また、アガベらしくないのか、アガベを知らない人の

アガベ 品種紹介(Parviflorae節)

 このグループは種類が少なく、とりあえず3種紹介です。といっても三つめはまだ種の状態ですが。  みんな細い葉で鋸歯はなくフィラメントが出たり、トップスピンがストリアータのように鋭いトゲになっています。 スコッティschottii パッと見た目はアガベらしくない株姿です。意外とカラフルで緑の葉に赤い縁取り、鋸歯はなく、一見トゲなどないように見えて油断させ、手を出すと先端のスピンは鋭く、チクッと刺されます。 この株で3年目、成長はゆっくりでこの大きさで打ち止めでしょうか。子株

アガベ 品種紹介(Marginatae節2)

 マルギナタ節のその2です。今回はちょっとマイナーな種も含んでいます。目玉?は笹の雪シリーズ?でしょうか。シードストックさんでは変異種も含めて多種類の種を扱っており、選ぶのに迷うと思います。参考になれば・・。  上の写真はクイオテペセンシスの長葉タイプです。 オブスクラ obscura  マイナーですね。成長がとても速く耐寒性もあります。写真は地植えで無防備で冬越ししたものです。わずかに葉の痛みがありますが春を迎えると一気に復活します。  まあ、見た目は明るい緑色でミティ

アガベ 品種紹介(Hiemiflorae節)

 このグループの代表はヒエミフローラ・・ではなくポタトラムかイシスメンシスでしょうか。全般に緑色の種類が多い印象ですが、特徴がないと言えばないような。個体差が大きく出る品種もあるのでその辺狙いで育成するのがよろしいのではないでしょうか。全般に寒さには弱く、地植えでの越冬は難しいと思います。上記の写真はハウス内地植えのヒエミフローラです。白っぽさがかっこいいです。   ヒエミフローラhiemiflora  グループ名を代表する品種なので、いつものシードストックさんから種子を

アガベ 品種紹介(Marginatae節3)

 マルギナタグループの3回目です。  話変わりますが、多肉界隈の話題になっている「アガベ・アロエ・ソテツ名品図録」を入手しました。さすがに名品を謳っているだけあって見目麗しい株がたくさん掲載されています。好感が持てるのはチタノタをむやみに持ち上げていないこと。ネームドが多数出回っているのに、チタノタ・オテロイのページは6ページだけ。素晴らしいです。  ということで、本サイトでもチタノタは重視していません。チタノタファンの方には悪しからずご了承ください。上記はチタノタブルー発芽

アガベ 品種紹介(Choritepalae節)

 このグループに所属する品種は少ないですが、アガベにしては優しい印象を持つ特徴的な品種ばかりです。上記は夏場の屋外管理中のブラクテさん(画面中央付近です 隠れて葉先しか見えない)。葉型と葉色が特徴的なのがよくわかります。 ブラクテオーサ bracteosa  黄緑色の細長い葉を展張する種類です。このグループにしては耐寒性があり、寒気にあたってもあまり葉が傷むことはありません。成長も早く、発芽さえすれば育成は比較的容易です。夏場の直射日光は苦手なようで、半日陰で夏越しをしま

アガベ 品種紹介(Ditepalae節)

 このグループの代表はテマカプリネンシスでしょうか。上の写真はアプラナータですね。全般に白っぽい衣をまとい、葉縁は凸凹として、その先端に鋸歯を生やします。トップスピンも意外と鋭く、地植えゾーンの除草をするときにかなり刺されます。成長速度は種類ごとにばらついていて、アプラナータは遅く、特にクリサンサは遅いですが、その分よく子吹きするようです。 テマカプリネンシス temacapulinensis  白みを帯びた緑に葉縁から出っ張る鋸歯、葉幅も広く寒さにも強い種です。地植えす