The power of weakness▷!⁂●☜$


カフェなんか儲からんよって友だちに言われた。

お客さんから、あなた九大出てここで働いてるのって言われた。
お金持ってる旦那さん見つけて結婚できたらいいよね、家買ってもらって一階店舗にして、なんてさ私、女やからね。

聞き流すふりで全部憶えている。


柿木さんは将来何をやりたいのって聞かれて答えた時、飯嶋先生は拍子抜けするくらいにフラットで、夢を話していいねって、ただ肯定してくれた多分はじめての大人だった。
(今はまわりにそういう人がたくさんいてくださることに気がついていて、幸せなことだと思う)

飯嶋先生もなかなかな人生を進んでいらっしゃって、アボリジニーとかホームレスと一緒に生活しながら研究をしていたような人だから、ほんと、大学出て真面目にカフェをやっていきたい私は珍しくもなんともなくて、ていうか普通過ぎた。
先生と話しているのはすごく、楽だった。

研究室にいる間、たぶんたくさん、大切なことを伝えてくださっていたんだけど、あの時は私あんまり頭に入っていなかったかも。
講義よくサボっちゃったし。ごめんなさい。

ただ、演習中に〈弱さの力〉って話してくださったのはずっと覚えている。
強者の貧しさ、ともいう。
それってよくわかる気がしたんだ。

私って器用でもないのに根性ないしだらしなくて情けないのね。(自分で書いてて嫌んなります、色々思い出しては落ちこんでいます)
でもそれがあって誰かが放っておかずにいてくれて、腐りかけながらも日々をおくることができている。

もらったひと言や、一文は、いつでも取り出せるようにしまっている。

〈弱さ〉は隠していても仕方がないと、この頃はだいぶ開き直っている。

そうできてきたら、周りがなんだか賑やかで心地よい。
私のこといつも助けてくれてるあなたも少し、そんな居心地を感じて一緒にいてくれているのなら嬉しいな。
でもやっぱ迷惑もかけてて、ごめんね。


うんと、だから。

誰もさ、強くなんかいなくたっていいと思う。

それにほら、下手だよ全然隠せてないよ。
君は今日だってなにか傷ついたみたいな顔してる。


ずるいし金もない。けど私貧しくない。



せんせー。

もう7年も前です、たまたま、水俣市内の宿泊研修中、何もない公民館で。
ふたりになって、つい気まずくて話してた。

あの日の続きに、ちゃんといる。

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