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令和の時代に1980年のフィルムカメラを買った

気付けば自分よりも長生きのカメラを買っていた。

クラシカルな黒色の外観に心惹かれ、2024年最初の買い物として、Nikon F3という1980年に発売されたカメラを購入した。

こういうハードウェアは新しければ新しい方がいいと思っているけど、「多くの写真家に愛されているフィルムカメラ」というイメージを持っていたのでそこまで不安はなかった。


洗練された黒色のフィルムカメラ

Nikon F3は1980年に発売されたフィルムカメラだ。令和の時代にそんな昔のカメラを買うとは思わなかったが、このカメラを選んだ理由の1つは、洗練された黒色の外観にあった。

黒いボディのカメラは、とても格好良い。

日々の服装にも自然に馴染む。カメラは持ち歩くことがなによりも大事なので、ファッションの一部として気軽に持ち歩けるカメラなら日常のより多くの瞬間を作品として残せるだろう。

Nikonのフィルムカメラを選んだのは、愛着のあるNikonのレンズを使用できるからだった。

フィルムカメラでの撮影はレンズも重要である。満足している部分を大きく変えないために愛用しているレンズを使いたかった。

実際に手にしてみると、時代を超え、幅広い層から支持を受け続けている理由がよくわかった。

クラシカルで美しい見た目にテンションは上がるし、シャッターを切った時の「ガシャン」という音はオールドカメラらしいアナログ感があって何とも言えない心地よさがあったからだ。

まさにフィルムカメラらしいカメラで、探し求めてたカメラを手に入れた気持ちになれた。

時代を超えて愛される描写

理想的なカメラに出会えたとは言え、正直、現像するまでは半信半疑なところがあった。

フィルムカメラの写り具合はある程度レンズに左右される。しかし、愛用していたNikon FM10よりも更に15年も前に発売されたこのカメラは、果たして思い描いた写真を写してくれるだろうか。

Nikon F3のファーストロールは、冬の日光での旅行と、春の訪れを感じさせる家の周辺の散歩での撮影だった。

現像した写真はちゃんと期待を超えるものだった。鮮明だけど余白のある描写力はNikon FM10と遜色がない。

なにより、数十年にわたって使われてきたカメラが、今もなおこれだけのクオリティの写真を撮れることは驚きである。前に使ってた人が丁寧にメンテナンスをしながら大切に使っていたこともあるだろう。自分もこのカメラを大切に扱いながら更に何十年も使えたらいいなと感じた。

日々を共に歩む

40年以上も前に発売されたカメラが自分の人生を豊かなものにしてくれるのは何とも不思議だな、と感じる。

フィルム写真は、見たままを記録するだけでなく、その時の感情や記憶を曖昧ながらも鮮明に引き出してくれる。心地よく思い出す余白を残してくれるから好きだ。

独特の色味や、解像度が低いことによる曖昧な表現は、デジタルでは得られない特別な美しさを持っている。

それだけではない。

撮り直しがきかないため、一枚一枚に集中し、撮影の瞬間を大切にできる。この過程が、写真撮影を意味深いものにしてくれる。

もちろん失敗はする。想像通りの写真にならないことも多い。偶然から生み出される作品がとても美しいこともある。手間がかかるけど、撮影した写真一枚一枚が愛おしく、特別な作品になる。

F3は間違いなく私にとって大事なパートナーになる。このカメラを買ったわけは、旅の記録、日常の一コマ、大切な家族との特別な瞬間を作品として残していきたいからだ。


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