浮腫(むくみ)の原因
単純に割り切れないため、総合的に考えること。
(特に①だけに囚われることがないように)
①筋肉不足
筋肉の運動が減少、もしくは、骨格筋そのものの減少により、リンパが滞留してしまう。
筋肉は浅筋膜、深筋膜など5つの膜に覆われている。浅筋膜は皮膚の下にあり、あらゆる方向に動くことができる。ここには毛細リンパ管もある。
筋肉が伸び縮みすることで、リンパ管が適度に圧迫され、血液・リンパを押し上げる。特に足部は第二の心臓とも呼ばれるほど、動かすことで押し流すので、減少させないだけでなく、しっかり動かすことが大切。
リンパ管自体も、外側が平滑筋で構成されている。
この筋肉によって蠕動運動がなされ、重力に逆らったリンパ液の輸送が可能になる。リンパ液の内圧上昇が続くと、平滑筋が肥厚し、リンパ管の内腔がどんどん狭くなり、最後には閉塞してしまう。リンパ液が貯留しないことが、そもそも重要。
(参考)
https://croissant-online.jp/health/64011/
http://www.kameda.com/patient/topic/lymphedema/03/index.html
②呼吸機能低下
横隔膜の運動が落ちることにより、リンパの流れが滞る。
リンパは表層だけでなく、体幹深部も通過して流れる。特に横隔膜近くには乳び槽と呼ばれるリンパの貯留槽がある。横隔膜が動くことで乳び槽に圧がかかり、溜まっていたリンパがスムーズに流れる。
呼吸が自律神経(交感神経と副交感神経のバランス)に通じていることもあるため、むやみにすれば良いというものでもない。消化器をしっかり動かす(副交感神経)為にも、コントロール出来ることが大切。
③腸蠕動運動低下
消化器の蠕動運動の低下により、その間を通っているリンパの流れが滞ることによるもの。
リンパ系の圧力は、骨格筋の収縮だけでなく、蠕動によってももたらされている。
内臓は一つ低下すると、それに引きずられるように他の臓器も働きを低下させてしまう。自律神経(副交感神経)が働いて、各臓器がしっかり役目を果たすこと(消化分解吸収が落ちれば、⑤栄養を補っても意味が無い)。
④循環の鈍化
①に通ずる。関節付近で、流れは滞留しやすい。動かなければ、長時間、曲がったり押し潰された状態で固定されてしまう部分が出来てしまう。
多動で動かしても流れはするが、自動で筋ポンプを使えることが、一番理想。
⑤栄養不足
たんぱく質が足りないと、血管・免疫細胞・筋肉などの組織がスムーズに作られなくなる。
血管内のアルブミンもその一つ。血漿アルブミンが低下すると、血管外の水を血管内に引き込む作用(膠質浸透圧)が低下→血管外に水が溜まる→むくみ。
栄養を補うことが第一だが、そのためには内臓できちんと消化分解吸収ができることが前提条件となる。
⑥女性ホルモンによる作用
女性→単純に筋肉が少ないから、と言うことは出来ない。
女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンという2種類に分けられ、それぞれのホルモンの分泌量により体調が左右される。
排卵前後に分泌量が多くなるプロゲステロンは、女性が妊娠しやすく、また妊娠した状態を安定させるため、水分を体の中にため込む(水分をため込むことで子宮内膜が厚くなり、受精卵が着床しやすくなる)という作用がある。
また更年期には、エストロゲンの減少により、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れ、血行が悪くなり、むくみが起こりやすくなる。
エストロゲンとプロゲステロンは、共に血漿量を増加させる。エストロゲンの浸透圧調節機能については、まだ分からない部分が多い。
(参考)
https://www.s-re.jp/magazine/health/69/
https://www.clinicfor.life/articles/b-048/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/54/2/54_57/_pdf
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