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民間版の世界銀行を目指す五常・アンド・カンパニーに入社しました

こんにちは!堅田航平といいます。ライフネット生命やスマートニュースで財務の責任者をしていました。1年2ヶ月ぶりのnoteになってしまいましたが、本日開示された以下のニュースリリースのとおり、五常・アンド・カンパニー(Gojo & Company, Inc.)に入社したことをお知らせします。

昨年半ば、家庭の事情によりスマートニュースの執行役員を退任し、その後は家族のサポートを優先しつつ、国内外のスタートアップの財務・経営管理に関与してきました。

五常・アンド・カンパニー創業者の慎とは十年来の知り合いであり、彼の立ち上げたNPO(Living in Peace)の活動も細々とですが応援してきました。彼が2013年頃に起業準備をしていた頃、その構想に心を揺さぶられ、こんなblog(「直感と信念と歯がゆさと」)を書いたこともあります。

ただ、後述するようにマイクロファイナンスは学生時代から関心のあったテーマであるからこそ、中途半端に関わらない方がよい気がする…と勝手に自制(?)してこれまで「遠巻き」に眺めてきました。

あれから6年。今回、こちらから声をかける形で対話を再開し、このたび無事に仲間に加えてもらいました。少々恥ずかしいのですが、オファーを受ける連絡をしたときに慎に書いたメールが自分の気持をよく表しているように思うので、少しだけ引用します。

言葉にすると陳腐になってしまうのですが、「選んだ」「選んでもらった」というよりも、自分が五常ではたらくのはとても自然なことのように感じています。大げさに言えば、自分のこれまでの職業人としての人生は五常との出会いのためにあったのかもしれないなぁ…なんてワクワクしています。

五常・アンド・カンパニーについて

「⺠間版の世界銀行として世界中に金融アクセスを届けること」をミッションに2014年に設立され、現在アジア4カ国6社のグループ会社を通じて主にマイクロファイナンス事業(低所得者向けの小口融資)を展開しています。グループ従業員数は2,500名を超え、45万人以上の低所得者層に対して200億円以上の融資を行っています。

先日発表したシリーズC資金調達完了のニュースリリースの中で、事業の内容や業績について詳細に説明されていますので、お時間ある方はぜひご一読ください。すでにシリーズDの資本調達も動き出しています。

成す(為す)べきをなす

五常・アンド・カンパニーに入って何をするのか。稚拙な表現ですが、「ミッション達成のために成すべきこと(やりたいこと)と為すべきこと(やるべきこと)全部」です。ただ、自分の力だけでは到底不可能なので、最高の仲間を集め、一歩一歩着実に積み上げて前に進みたいと思っています。

ラグビー祭りのど真ん中にアメフトの話題を放り込んで恐縮ですが、"Inch By Inch"(←動画は映画「Any Given Sunday」のAl Pacinoのスピーチ。アツいです。)の精神ですね。これはスポーツ映画の中で一番好きなシーンの一つです。

"Inch by inch, play by play. Until we’re finished. We’re in hell right now, gentlemen. Believe me. And, we can stay here, get the sh*t kicked out of us, or we can fight our way back into the light. We can climb outta hell… one inch at a time." 
"On this team we fight for that inch. On this team we tear ourselves and everyone else around us to pieces for that inch. We claw with our fingernails for that inch. Because we know when we add up all those inches that’s gonna make the f****** difference between WINNING and LOSING, between LIVING and DYING!"

資本・ガバナンス・理念

「全部」と言われても困ってしまうと思うので、もう少しだけ。具体的に向こう6~18ヶ月は以下の3点に優先的に取り組んでいきます。

1. 資本調達: 現在の事業の柱はマイクロクレジット(小口融資)なので、資金調達力が競争力の源泉の一つです。あらゆる資金調達方法を駆使し、低コストの資本を大規模に集める仕組みをつくります
2. ガバナンスと内部統制: 各国・各社の多様性を尊重しつつも、グループ全体として金融機関に相応しいガバナンスと内部統制(財務報告に限らない)を構築します
3. 経営理念: 「首尾一貫と真善美」という当社が経営の柱としている理念をベースとした事業運営の仕組みを、組織の隅々に根付かせます

なお、経営理念である「首尾一貫と真善美」について、もう少しだけ詳しいバージョンはこちらです。

首尾一貫:信じること、話すこと、為すことを一致させる
:正しく思考し行動する
:顧客、友人、家族に顔向けできない仕事はしない
:最高品質・最高速度・シンプルさを追求しつづける

仲間を探しています

現在、五常・アンド・カンパニー(単体)のコーポレート部門は、私を含めて社員4名(CFO/Finance/IR/Office Manager)+年明け入社予定1名(Internal Audit)+外部パートナー(Accounting)で、事業規模に比して相当に小規模なチームです。

現在、以下のポジションを絶賛募集中です。ここに書かれていないポジションであっても、我こそはという方は是非ご連絡ください。11/15(金)の夜にはミートアップも開催予定です。

採用ページ: 共に世界を変える人を探しています

Controller/Accountant: 財務会計・J-SOX
Treasurer/Finance/IR: 財務・資金調達
FP&A: 管理会計・予実管理
PR + Recruiter: 採用マーケティング及びリクルーティング 

高い志と優れた専門能力を備えた仲間と背中をあずけ合い、チームで困難な挑戦に取り組むことは、プロフェッショナルとして最もワクワクする瞬間の一つだと信じています。

五常・アンド・カンパニーが目指す頂は途方もなく高いですが、それゆえに成長機会とやりがいは約束できます。あなたのご応募をお待ちしています。なお、社内コミュニケーション(口頭/メール/Slack/Zoom)の8〜9割は英語になりますのでその点は予めご了承ください。

世界をもっとフェアにする

この1年くらいの間、自分にとって一番Happyな働き方についてあらためて考えました。20代は「会社と自分が共に成長できる仕事」であることが第一でした。30代はそれに加えて「仲間が幸せに働き、可能性を発揮できる場をつくる」ことを大切にしてきました。

そして、まさかの今年で40歳。来し方を振り返るにつけ、つくづく感じるのは自分がいかにすばらしい機会に恵まれてきたかということです。その一方、子育てを通じて、「人は生まれてくる場所と親を選ぶことはできない」という理不尽な不公平を意識する機会も増えました。

Pay forwardというと青臭いですが、これからはもう少しだけ目線を上げ、「世界をもっとフェアにする。誰もが自分の可能性を発揮できる世界に近づける」ことが、自分にとっての幸せな仕事なのだと考えています。

マイクロファイナンスとの出会い

「世界をもっとフェアにする」といっても、様々なアプローチがあり得るなかで、なぜマイクロファイナンスなのか。それは論理的な帰結というよりも、いくつかの偶然の交叉という感じです。

マイクロファイナンスとの最初の出会いはちょうど20年前。学生NPO「AIESEC」の活動を通じて、バングラデシュでマイクロファイナンス事業を手掛けるNPOで長期インターンをしたことでした。その時のことは個人ブログに少し書いたのですが、当時は何の専門スキルもなく、ただただ学ばせてもらうばかりでとても悔しい思いをしました。

約2ヶ月の滞在で強く感じたのは、「自分たちの国を自分たちの手でより良くしたい」という現場職員の情熱に、部外者の自分は到底かなわないということ。そして今この瞬間に貢献できないのであれば、ここで学んだことを忘れず、いつか自分が力をつけたら何らかの形で「恩送り」をしよう、ということでした。

※余談ですが、ユーグレナの出雲さんは一緒にプロジェクトを運営していた仲間です。彼はだいぶ先に行ってしまいましたが、いつもよい刺激をもらっています。ありがとう。

不思議な交叉点

大学卒業後、はからずもファイナンスを仕事に選んだ自分は、投資銀行におけるM&Aアドバイザリー、ヘッジファンドでのアジア各国を対象とした投資、ライフネット生命におけるコンシューマ向け金融サービスの立ち上げや免許事業ならではのリスク管理や内部統制、そしてスマートニュースにおけるグローバルな組織づくりや資金調達…と、「首尾一貫して一貫性がない」(by 友人談)キャリアを歩んできました。

ただ、気づいてみると五常・アンド・カンパニーのマイクロファイナンス事業とその成長を支えるために必要なファイナンスやガバナンスの取り組みは、これまでのバラバラな経験が、絶妙な形で交わる不思議な交叉点にあるのではないかと感じています。

起業家を加速させる

ファイナンスがもっている大切な力の一つは、「がんばる人に挑戦する機会を提供する」ことだと考えています。事業を起こす、大きな買い物や投資をする、大学に進学する…いろいろな場面で、われわれは金融の力に助けられています。一方、世界で20億人近い人たちは金融サービスへのアクセスを有しておらず、五常・アンド・カンパニーはこの課題を解決しようとしています。

ちょっと話は変わりますが、スタートアップにおけるCFOの仕事はなにか?と聞かれたら、「ファイナンスの力を使って、起業家がその夢をより速く、よりよい形で達成する手助けをすること」だと答えています。例えるなら、(ガソリンとよく効くブレーキを準備して)「起業家を加速させる」こと、と言ってもよいかもしれません。

そして、五常・アンド・カンパニーの仕事の面白いところは、我々のクライアント(借り手)もまた、世界中に存在する「マイクロ起業家たち」(その大部分は働くお母さんたち) だということです。つまり、我々、五常・アンド・カンパニーのコーポレート部門がよい仕事をすることは、創業者の慎だけでなく、世界で1億人のマイクロ起業家たちを加速させ、その夢の実現を手助けすることでもあります。

ワクワクしませんか?ぼくはとてもワクワクしています。

ということで再掲! → 採用ページ: 共に世界を変える人を探しています
ご応募お待ちしています! 

付録: 自己紹介(これまで何をやってきたのか)

これまでの仕事については、昨年書いた以下のNoteをご覧ください(省エネ)。


このnoteによって皆さんの人生が少しでもHappyになればとても嬉しいです。