幼少の頃、両目の視力に差があり、やぶにらみのような斜視をしているのを両親が発見し、それからメガネデビューしたのだ。友達に覚えられるのはメガネくん。大人も子供もおいメガネ、とまず言ってきたものだ。小中学校のアルバムもメガネ。おれはそれが嫌で嫌で、大人になって視力が安定したらすぐに外そうと思っていた。しかし多分大人たちの商業的な策略によって、視力が安定しても外していいなんで誰も言おうとしなかったのだが、高校生の頃にそろそろそれに気付き、眼科の先生にそう言わせたのだ。おれは嬉々として家に帰り、毎日身につけていた眼鏡は無慈悲に速攻捨てた。それから一切眼鏡とは無縁の生活を送ってきた。
元々遠視だったので視力は両目1.5くらいあるし、裸眼でも生活には困らなかったのだ。
それから幾年月。急に文字が見えなくなってきて、また眼鏡と再会した。久しぶりにかけた眼鏡はおれの知っているものより数段軽く、見やすくて、お洒落だった。うわー、世界はこんなにくっきりと見えるのか。そして再び眼鏡が手放せない日々が始まった。
大人になった今にして思えば、おれは劣等感の塊で、メガネをかけていること、そもそもブサイクなこと、勉強出来ないこと、運動音痴なこと、人の目を見て話せないこと、などなど、自分の欠点を見つけてはそれを感情的に否定し続けた。思えばすごーくネガティブな、ゴールの見えないループだった。
今でもその尻尾が動くことがある。さすがに感情を切り替えることを覚えたが、無益な争いを望まない性質なので、地雷を避けて歩く感覚は人一倍研ぎ澄まされていると思う。
昨日プロト版を発行した曲「Megane」をちゃんとしたリズムに乗せてみました。そういうわけでメガネなんて大嫌い!っていう歌なので、スポンサーは付かないと思います。
メロウちゃんが歌うと全て解決してくれる。
プロトで歌ったきりたんはバックコーラス(やまびこ)に回ってもらいました。