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今度は音楽と酒・夏がテーマでPlaylist...ワールドミュージックと邦楽をうまく織り交ぜてみました

前回BRUTUSの2月15日号「音楽と酒。響く、聴く、語る、レコードとバーの話」が余程評判が良かったのか、今度の7月15日号は「音楽と酒・夏。」

前回のテーマについては、私も「自分でバーを始めるならまずは揃えたいレコードリスト...から一つまみ」を本noteにも書いたが、敢えて有名曲を避けたのが反映してか、ビューアー数は146、イイね数は3と今一つの反応...今回は有名曲を積極的に導入しようと思う。

BRUTUSはSpotifyの方で「音楽と酒・夏。」に掲載したPalylistを既にいくつも載せている。Peterのリストはかなりワールドワイドな選曲だ。夏はアフロやブラジルを織り交ぜるのがお薦めということか。

私は以前夏をイメージした「無人島レコード選び(今のところ...2020/08/08)」を作ったので、そちらとは被らないように留意しなければいけない。またBRUTUS7月15日号に掲載されていたMARTHAのPlaylistに感化されて、できるだけ邦楽からも選択するように留意してみた。

それらを留意した結果、トータルでは126曲、8時間43分に。ここでは全曲はご紹介できないので、23曲をYouTubeを使ってご紹介しよう。

1. "We Got the Beat" by The Go-Go's

1981年に発表されたファーストアルバムに収録されていた曲で、全米第二位にまでランクインされている。この曲は元々1980年に英国のStiff Recordからシングルとして発売されていたが、翌年ファーストアルバムに再度録音されたものが大ヒットした。

2. "Walking on Sunshine" by Katrina & The Waves

1985年のKatrina The Wavesのヒット曲。こちらも1983年に一度レコーディングされたが、85年に再レコーディングしたものが全米9位、全英8位にまでランクインしている。ノリの良い曲で米国滞在中にCMで使われていた。

3. "Papa's Got a Brand New Pigbag" by Pigbag

1981年にPop GroupのS.Underwoodが新たに結成したバンドPigbagがリリースしたJames Brownの1965年作のカバーインストルメンタル曲で、翌年再リリースしたものが英国で第三位になっている。日本ではサントリーのCMで使われていた。

4. "Malaguena Salerosa" by The Tubes

1975年デビューのThe Tubesのファーストアルバムからメキシコの名曲カバー”Malaguena Salerosa”。貧しい家の男が、いかに女性を愛しているかを語る曲だが、The Tubesは相当なキワモノバンドだったことから言っても、あまり真面目なカバーとは思えないし、ステージ上では演奏以上に演技が凄そう。私は、本曲をカラオケで歌おうとして上手く歌えなかったことがあることをここで告白する。

5. "Heaven" by Los Lonely Boys

兄弟三人組のLos Lonely Boysのヒット曲。この三人のコーラスハーモニーは兄弟ならではで本当に素晴らしいし、聴いていて気持ちが良い。ラテン系のリズムが嬉しく、メキシカンビールかテキーラでもグッと飲みたい気分になる。

6. "Brown Eyed Girl" by Van Morrison

Themを脱退したVan Morrisonがソロ第一作として発表したアルバムに収録されていた1967年作はビルボードで第10位まで記録した。アメリカのラジオ局の夏のクラシックロックの定番。

7. "Brown Eyes" by Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten

Brown Eyes続きで、この曲を。

Full Moonは元々1972年にPaul Butterfield Blues Bandに在籍したBuzz Feitenを含む3メンバーに、セッション・キーボード奏者のNeil Larsen等が加わる形で結成されたバンドで、当時一枚の「幻の名盤」を残していた。

そのBuzz FeitenとNeil Larsenが80年にLarsen-Feiten Bandとしてアルバムを発表、その二作目を82年にFull Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten名義で発表したアルバムに収録されていた曲。ジャケットにビーチパラソルがあるだけで私にとって夏のイメージを醸し出したアルバムだ。その頃来日したのをライブで観に行った記憶がある。

オリジナルのFull Moonの「幻の名盤」は2000年に再発され、2002年に40年振りにFull Moonとしてのセカンドアルバムも発表されている。

8. "Used to Rule the World" by Bonnie Raitt

大御所Bonnie Raittの2012年作、アルバム”Slip Stream”の最初の曲。ファンキーなイントロとBonnieの迫力ある声にグッと引き込まれる。大人のロック名曲。

この曲が夏をイメージするかどうかは議論の分かれるところだが、こういう曲はやはりライブステージでの演奏が映えると言う意味でサマーフエスディバルで聴きたい。

9. ”八月の匂い” by 鈴木茂

Bonnieのファンキーなスライドギターに対抗できる日本の唯一のギタリスト、鈴木茂の名盤”Band Wagon”収録の曲。ドラムスはTower of PowerのDavid GaribaldiでピアノはLittle FeatのBill Payne。

10. "Feelin' Alright" by Joe Cocker

元々はDave MasonがTraffic時代に作曲したものだが、Joe Cockerがデビューアルバムでカバーし、こちらの方が有名になっている。ピアノのフレーズとビブラスラップの音が本曲をDave Masonのバージョンよりもファンキーに仕上げている。Joe Cockerの汗だくの姿が夏を感じさせる。

11. "悲しき夏バテ” by 布谷文夫

布谷文夫が、大瀧詠一と伊藤銀次率いるココナツ・バンクの協力を得て完成させたソロ1stアルバム、1973年作。YouTubeではアルバム全曲が聴けるが、ここでは夏らしく12:24からのメンフィス・ソウルフルな”夏バテ”を。

12. "Under the Boardwalk" by Rickie Lee Jones

オリジナルはご存じThe Driftersの名曲だが、私はこの1983年のRickie Lee Jonesのカバーが好きだ。Rickie Lee Jonesはファーストアルバムから気に入って、ライブもロンドンで一回、東京で一回見ている。この曲は彼女の澄んだ声が存分に引き出されていると思う。

13. ”Groovin’” by The Young Rascals

1967年に発表されたThe Young Rascalsのファーストアルバムに収録されたこの名曲は全米1位に。日本では山下達郎がカバーしたことでも有名。

14. ”Virginia Moon” by Foo Fighters featuring Norah Jones

美女と野獣(?)と言うと失礼かもしれないが、本人たちもこの異色の組み合わせを意図してやったのは間違い無いだろう。ボサノバ曲をFoo Fightersが演奏するだけでも驚くのに、Norahを引っ張り出すとは...流石だ。

15.  "Private Armies" by New Age Steppers

英国のプロデューサーAdrian Sherwoodがポストパンクの面々を集めて1980年に制作したDubコレクションアルバム。私はこの曲をClear Cut 4というコンピレーションアルバムでVivien Goldmanがボーカル入りした曲を聴いたのが初めてだった。

16. "You and Me" by Sara Watkins

Chris Thileとお兄さんのSean WatkinsとのNickel Creekのデビューは何と8歳だったSara Watkinsが2012年に発表したソロ作からの一曲。

17. ”Slow Dance” by Inara George

2018年作の”Dearest Everybody”に収録されていた曲。ご存じLittle FeatのLowerll Georgeの娘だ。2年ほど前に細野さんのラジオ番組にゲストとして出演し、細野さんが「お父さんを知っている」、と説明していたのを想い出す。名曲です。

18. "Rocky Raccoon" by LONESOME STRINGS & Mari Nakamura

2011年に「ハリー・スミスへの60年後の日本からのささやかな返答」として発表された”Folklore Session”収録のLennon & McCartney曲。演奏もさることながら、中村マリの英語発音は相当レベルが高い。

19. "Sparrow" by Joe Henry

T-Bone BurnetteによってAlt-Countryに引きずれこまれたCharlotte, North Carolina出身のJoe Henry。この”Sparrow”が収録されている”Invisible Hour”は2014年の作品。2012年にLisa Hanniganと来日した際に素晴らしい演奏を聴かせてくれたが、その直後の作品で個人的には特に印象深い。

20. "Across the Borderline (with Jackson Browne)" by Gaby Moreno & Van Dyke Parks

コロナ禍で中止となってしまったChris Thileの”Live from Here”で素晴らしい歌声を聞かせていたGaby MorenoがVan Dyke ParksとJackson Browneと組んで歌ったRy Cooderの名曲。

21. ”街の灯り~Mr. Lonely(Live)” by 浜田真理子

「街の灯り」は元々は堺正章のヒット曲だが、ここでは島根県松江市出身の浜田真理子がしっとりとピアノで弾き語り、さらにBobby Vintonの名曲”Mr. Lonely”を重ねて歌う。

22. "You Are So Beautiful" by Charles Lloyd & the Marvels

元々1974年のBilly Prestonの9枚目のアルバム”The Kids & Me"に収録されていたものをJoe Cockerがカバーしたものが有名だが、それを2002年にCharles Lloydが腕利きメンバー揃いのThe Marvelsの演奏でNorah Jonesに歌わせている。このメンバーで悪いはずが無い。

23. "At Last I am Free" by Robert Wyatt

1982年にRobert Wyattがカバーしたこの曲のオリジナルは何とChic。Robert Wyattの声が素晴らしい。

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YouTubeで122曲のPlaylistを公開していますのでこちらからどうぞ。

Apple Musicでは126曲のFull Playlistを公開していますのでご興味ある方はそちらでもどうぞ。

以下、邦楽とワールドミュージックを意識した今回のPlaylistの全体構成の流れを解説してみよう。

まず前半はガールズグループを4曲並べて、その後半の明るい雰囲気からいきなりのファンク・アフロ・ブラジル・メキシコ・エジプトで世界旅行10曲。次にNRBQによる米国の夏を感じさせるRock'n'rollなナンバー”Green Lights”から5曲ロックナンバーを続け、Mary Clayton”Gimme Shelter”でのシャウトからBobby Womackの”It’s All Over Now”でソウルに入ったのをキッカケに日米のR&B/ソウル名曲を4曲

Led Zeppelinナンバー”Custar Pie”の混成バンドによる超ファンキーなカバーの次に、カントリーの大御所Dolly Partonの”Jolene”でのファンキーなアコースティックギターフレーズに移って、さらに米国のClassic Rock専用FM局で流れそうな夏らしい名曲メドレー4曲Bonnie Raitt”Used to Rule the World”でのファンキースライドギターに対抗すべく、鈴木茂「八月の匂い」を当てて、日米交互にセカンドラインリズムを10曲。元The BandのLevon HelmのNina Simoneで有名な”I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free”カバーから4曲EarthyなRockナンバーを続けた後は、再びAllen Toussaintの”Yes We Can Can”から9曲はNew Orleans縁のナンバーを日米陣混合で。

Aaron Nevilleによる”Louisiana 1927"からは8曲Barradナンバーを。Rickie Lee Jonesの名曲”Under the Board Walk”カバーからは日米のAOR名曲を12曲Foo Fighters Feat. Norah Jonesによるボサノバ”Virginia Moon”からはBossa Nova、Acapella、CMソングとダブを8曲Neville Brothersの”Yellow Moon”からは「月」モノを7曲Tift Merrittの愛らしい声が嬉しい”Dusty Old Man”からは女性陣4曲を続け、Counting Crowesの”Mr. Jones”からはAmericanaを7曲連発

Chris ThileとBrad MehldauによるBob Dylanカバー”Don’t Think Twice It's Alright"を挟んでCountry Blues Guitar曲を5曲Joe Henryの”Sparrow”からは再びAmericana7曲Emitt Rhodesの”Pardon Me”からSSW系EaglesそしてPiano曲を続け、Derek & Dominosの”Thorn Tree in the Garden”を挟んで最後の4曲は静かな名曲メドレーで。


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