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いくつかのショートストーリー

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さらりと読めるお話です。 超短編小説/ショートストーリー/ショートショート
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2016年5月の記事一覧

ネタバレ!ダメゼッタイ

「あの……ですから…そろそろ僕は帰りますので、本を返していただけますか…?」

 僕は尋ねた。はにかんで手を差し出してみるも、寡黙な男は嫌そうに眉を顰めた。胡座をかきながら読書する姿勢には、数ミリも動かないと言わんばかりの気魄がある。寡黙な男の足元に置かれたもう一冊の本はもう既に読み終えた物のようだ。

 なかなか返事がないことに少々苛ついた僕は、男に近寄ってどこまで読み終えているか聞いた。
「日

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全自動統治

「国民総不労。
国民は不労を憲法で保証されています。
"向こう側"では未だに市民が働いていますが、この国では多くの作業は人工知能を持った機械に任せています。
こう言うと、人間の手が必要な整備などの仕事は誰がしているのかと疑問に思うでしょうが、そういった労働に当たる行為は受刑者の懲役になります。
新しい設備の開発や製造も機械自身が自立してやっていますからね。

いやはや、"向こう側"は遅れていますよ

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快晴日和

––––飛んでいた感覚が急になくなった。墜落したのだと思うが、まだ意識はある。
 状況を確認しようと周りをよく見ると、太いパイプのような通路の上に私の体は乗っていた。墜落した瞬間は、その衝撃で全体が大きくうねって揺れた。動こうとしても、どういうわけかパイプに強い力で引き寄せられていて、体がうまく動かない。

 パイプのような通路は複数あり、私は数本のパイプにまたがって乗っている。目が悪いため全体の

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