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過去を宝物にするひと。

わたしは、誕生日占いで自分の性格について書かれていることを読むのが非常に好きだ。

当たってる当たってないに関わらず、その文章を受け取った時の自分の心の反応を見るのが好きだからだ。数ある占いの中でも特に気に入ったのが、"過去を宝物としてそこから創造する人"という言葉だ。


振り返ってみれば、わたしが何かを生み出している時って、過去から積み上げていく発想をしていることがとても多い。


最近の事例だと、
・会社では学生時代にやってきた自分の知見から研究テーマを立案している。
・読んだ文献や聞いた話をしっかりメモを取りまとめて振り返る。
・ベテラン社員の昔の仕事内容について、聞き取りをするのが好き。
・noteの文章も過去の出来事を振り返り、その心の動きを描写するという作り方をしている。
・昔好きだった本や映画を、別の角度からもう一度楽しむことができる。
・友達との会話の中で、昔読んだ本や映画を引用し、喩えながら話すことが多い。
・昔祖母がよく作っていたジャム作りに挑戦してみたり、記憶を頼りに取り組むことがある。
・昔話を聞いたり、歴史について学ぶのが好き。昔の出来事と、最近あった出来事をよく結びつけ、因果関係や似てる部分、普遍性を見つけることが多い。特に「銃・鉄・病原菌」という人間史を扱った本はとても興味深く、昨今コロナが流行っている現状とも結びついた。
・日記を書くのが好きで、自分の日記をよく読み返し、変化や考え方を追うのが好き。


自分の過去にはいろいろなヒントが詰まっていると思う。鬼に追い込まれた炭治郎が、走馬灯の中で炎舞を舞う父の動きから火の神カグラを編み出したように。

研究において、炭治郎と同じことがわたしの身に起こる。思うように結果が出ず行き詰まったとき(鬼はいないのに追い込まれるから怖いですね笑)、以前ラボメンバーが話していた言葉がサッと浮かび、ブレイクスルーにつながることがある。
どうやら私たちには、追い込まれた時だけ働くような脳の中を探りまくる機構が備わっているらしい。

追い込まれていなくても、自分や自分の周りの過去の出来事を、日々整理して追いかけていれば、ヒントを得られる場面はたくさんある。過去を咀嚼すればするほど自分や世界のことがよくわかり、それは力に変わると思う。だから、わたしは大好きなスルメイカのように、自分の過去をずっと噛み続けているのだ。


また、過去の自分や出来事に対して解釈が変わっていくのもとても面白いなと思っている。いろいろな経験を経て、過去に対する考えは変わる。例えば、学生時代の指導教官とはものすごく衝突し、しんどい思いをしていた。しかし、その時の鋭いやりとりがわたしの思考力を鍛え、研究の場で渡り合う能力を養ってくれたと今では思う。
いつだって、今自分の身の回りに起きていることは距離を置くことができない。時間が経って距離ができて解釈し直せた時に初めて自分の変化がわかる。だからこそ、人間は常に変化の途上にある存在だと思うから、現在の姿だけをみて"その人の本質"を決めつけて一方的に評価することは失礼だなと自戒の念も込めて改めて思う。


"過去を宝物としてそこから創造する人"
この肩書きは、わたしのお気に入りであり、創造的に生きるヒントになっている。
今日も宝物を慈しむために、日記を綴ってから寝ようと思います。


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