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正直なビジネス

谷の風
を感じるのは何年ぶりだろう

『風の谷のナウシカ』を思い出した

梅の里 和歌山県日高郡みなべ町
てらがき農園さんにおじゃました。
20年近いご縁なのだが、お伺いするのは初めて。

農園へ

山を登る、のぼる。もちろん、車で。

完全無農薬無肥料の梅ちゃんはすっくと姿勢よく立ってた。

寺垣信男さん作成資料

2の状態だ。木は地表に出ている姿と土中とは対称形になる。1は台風など強風に弱い。

下の青いネットと葉っぱたちが、梅の実を受け止める。

今年は不作だったようだ。理由は、「ミツバチ受粉のタイミングが合わなかった」らしい。

来年はどうでしょうね、の質問に、寺垣信男さんは「大丈夫だと思います。今年不作だったからといってそれが翌年まで続く、というデータはありませんから」言い切った。

すごい、と思った。自然相手のビジネスモデルで、ここを言い切れる、というのは、背景にどれだけのご苦労、挫折、歯の食いしばりがあったことか、わかる。

その「涙のデータ」の蓄積があるからこそ、言い切れるのだ。

ビジネスモデルはシンプルであればあるほど良い
商品ラインアップは少なければすくないほど良い

これは鉄則だ。とはいえ、それはあくまで机上の話であり、机上を現実にしてくれるのは「涙のデータ」蓄積なのだと思う。

『共感企業』(2010年)
てらがき農園さんを「業界常識を破るイノベーション」として書かせてもらっている。うめこさんによれば、「あの頃が一番キツかった」。完全無農薬無肥料に切り替えて3年の頃だから、試行錯誤、「ほんとうにこれでいいのか」だったはず。

農園から事務所に戻り、スタッフさんによる楽しいイベントがあった。

中のひとつ、「梅の黒焼き」実験。

スタッフさんが

「梅の黒焼き」を飲むビフォー・アフターで全然違う

という。

そのフリに対して「そんなわけないやん」と疑問の二人が前に出る。
まあ、お笑いバラエティのノリですね(笑)

首を前、左右ヨコ、うしろ、とやってみる。
両足揃え、前屈する。「ここまで」と印がつく。

「梅の黒焼き」を飲む。

梅の黒焼き パウダー状で、美味しいです

首を前、左右ヨコ、うしろ、とやってみる。
傍で見ていても、「新品」になった感じがする。
本人も、確かに「柔らかくなった」という。

両足揃え、前屈する。ぐぐっと下へ伸びる。
何より本人が一番びっくり。

もう一人もやってみるが、同じ。
ぐぐっと下へ。

これはびっくり。

以前も一度てらがき農園さんの梅の黒焼きをいただいたことがあるが、ここまでの効果とは。

医学的なものはわからないが、要は「めぐりが良くなる」のだろう。

ぼくも舐めてみた。朝から痛かったのどが治った。

帰宅後、今度はお豆腐にまぶしていただいた。

新陳代謝が良くなるのだろう、夜何度もトイレに起きた。

結果、今朝目覚めたら疲れがスッキリ消えていた。

お土産にいただいたブランドブック『てらがき農園物語』。

第一章「てらがき農園のはじまり 〜 いつも前向きに 〜」
創業の寺垣正三さんと妻カツ子さんの出発の話。
カツ子さんはお元気で、挨拶させていただいた。

第二章「無農薬栽培への挑戦 〜 人として正直に生きる 〜」
農園長 寺垣信男さんの挑戦。「正直」というワードが刺さった。
「これからも正直農業!」で締めくくられている。

第三章「梅干しを作り続ける覚悟 〜 梅とともに生きる 〜」
販売責任者寺垣うめこさん。

うめこさん・・・(うめちゃんとふだん呼んでいるので、)うめちゃんとはお付き合いが長いのだけど、ここに書かれているパプアニューギニア慰霊祭の話は聞いたことがなかった。

パプアニューギニアでの慰霊祭で、私は生還されたおじいちゃんたちが梅干しをお供えしている場面に何度も出会い、「なんで梅干しをお供えするん?」とそのおじいちゃんに尋ねてみたんです。

おじいちゃんは、「戦争中、食べるものも飲む水も無くなって歩けなくなり、あぁもうダメだと思うことが何度ももあったんだけど、梅干しをね、思い浮かべると口の中に唾液が出てきてねぇ、また一歩また一歩と歩けたんだよ。元気が湧いてきたんだ」と。

そして「わしは梅干しを思い出すと、故郷を思い出し、お母さんや子どもたち家族を思い出して、会いたいっ! 生きて日本に帰りたい! って強く思うことができたんだよ。梅干しのおかげでわしは生き残れたんだ」と、梅干しへの思いを聞かせてくださいました。

私は梅干しの持つ素晴らしいパワーを感じて胸がいっぱいになりました。
おじいちゃん達との出逢いによって子どもの頃、好きって思えなかった梅干しが大好きになり、本当に尊いものに変わっていました。

『てらがき農園物語』

感動する。

『てらがき農園物語』はスタッフさんのインタビュー形式で作成されたという。てらがき農園の「組織としての風土」がいかに素晴らしいものか、わかる。

実際、昨日イベントでお世話になったスタッフさんお二人、仕事が楽しくて仕方ない様子だったし、梅への愛にあふれてらした。

ウソがない。

そう、正直なんだ。

よくあるブランドブックのように、どこか外部の会社がきれいに美しく体裁整えてさあどうぞ、と作ったものではない。てらがき農園の涙のデータも込められている。だからこその喜び。

正直な農園、正直なビジネスの素晴らしさを体感させていただきました。

ありがとうございます!!

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