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ショールーム戦略

マーケティングの話をします。

みんなの興味・関心が極小、マイクロインタレストになった。なので、SNSには自分の狭いインタレストに沿ったコンテンツしか流れてこない。

マス・マーケティングの時代には、こっちのインタレストなんて知ったこっちゃないとばかりいろんなコンテンツが押し寄せた。子どもの頃新聞読むのに苦労したのはそのせいである。囲碁将棋の対戦とか、さっぱりわからないけど大人たちの萌えてるさまが記事になってる。読むけど、わからない。

「そういう世界があるんだなあ」と知った。

テレビコマーシャルなんてその最たるものだ。ぼくに向けて女性用アートネイチャーやケンタッキー・フライド・チキンを訴求したりする(ぼくはチキンが苦手)。

人々の頭脳の動き回る場所がマスメディアからSNSに引っ越しした。何が起こるかというと、「知らないことが増える」「新しいものとの出会いの場がなくなる」。

マーケティングするサイドが注意しなければならないのは、ここだ。

フォーカス・マーケティングは狭いインタレストにフォーカスしよう、コミュニティ作ろう、という意図だが、これだけでは足りない。エントロピーが増大しないのだ。エントロピーとは、簡単に言うと「動き」「感動」「ワクワク」。

ではどうするか。

ショールーム戦略である。

ウィンドウショッピングしていて、たまたま出会う素敵な靴。コート。シャツ。あるよね? それで買っちゃうこと。本もそうだ。時間つぶしで入った書店で出会った平積みの本を手にとって人生が変わった人もいる(ぼくもその一人)。

買い物がネット中心になったから、この「たまたま出会うウィンドウショッピング」という機会が減った。極端に。ならばマーケティングサイドはこれを意図的に作り出す必要がある。未知との出会いの場を用意するのだ。

オンラインより、オフラインがいい。オフラインのほうが体験による感動が大きい。なぜなら人間には五感がある。オンラインでは五感のうち「見る」「聞く」しか提供できない。「味わう」「触れる」「におう」はゼロだ。これではエントロピーは増大しない。

オフラインで体験型イベントを企画し、人間の五感を刺激するような感動を提供する。商品を売るためではない。エントロピーが増大する。イベントをショールームとして使う。

現代マーケティングは商品を売るのが目的ではなく、「関係」を結び、耕すことが目的だ。パイプさえ作れば、あとは何でも売れる。商品は、二の次なのである。

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商品より売りたいのはカルチャー。カルチャーというのは、「何を大事に考えているか」。「お金にしか興味ありません」というカルチャーは共感性低いよね? 

SNSがマーケティングの主役だった時代は終わった。

これからは、いや、コロナ時代だからこそ、五感に訴え、リアルな感動とワクワクを生み出すイベントこそが、大事になってくる。知恵の出しどころだね。楽しみ!! 

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