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素っ裸じゃまずいだろう

CEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)というのがある。

マーケティング用語

「朝食時に」
「仕事中、ほっと一息つきたいときに」
「寝る前のひとときに」

というように、「思い出す(想起する)」時をイメージし、そこに的を当ててポジショニングする。

消費財マーケティングでよく使われる。

出張先のコンビニ冷蔵庫にはミネラルウォーターが一種類しかなく、ラベルレスだった。

いろはすは部屋に置いてあったやつで、両者並べると、二人ともヌードに近い。子どもの前でだいじょうぶかと心配になる。

素っ裸に近い右はサントリー天然水ラベルレスタイプ。

これ、たとえばネットで「ラベル剥がす手間要らずですよ」と謳って「よく知ってる顧客層」に売るのは良いかもしれないが、インバウンド相手のホテル隣接セブン-イレブンではどうだろう。

インバウンドは「日本で売れているものが欲しい」行動を取るらしい。

NewsPicks記事がとても面白い。

この中で紹介されているのが、キットカット人気。

渋谷センター街のMEGAドン・キホーテ渋谷本店。95%が外国人という異世界で売れているのがキットカット。

NewsPicks記事より拝借

補充するそばから売れていく。
外国人向けのキットカットは要らない。

「日本で売れているキットカットがいい」

パッケージではっきりと「ザ・日本」なものが売れているわけだ。

するとですね。

ほぼ全裸の天然水が売れ残っていた理由がわかる。

「何の製品なのかわからない」

のだ。水? 炭酸? それとも日本酒?

同じくNewsPicksの他の記事で知ったのだけどMIMARU(ミマル)というアパートメントホテルが外国人に人気らしい。

キッチンつき、部屋貸し。広い。一般的なホテルは15M2であるのに対し、MIMARUは40M2以上。料金がホテルは一人当たりに対し、一室当たり。

この料金システムはファミリーで日本に滞在したい外国人にとってわかりやすい。

昨夜、宿泊しているホテルのフロントにチェックインする外国人ファミリーがわちゃわちゃやっていたのだけど、小さい子ども、大人ゴッタ混ぜで、大変だった。あれ、一人当たりいくら、で計算したら相当高くなるんじゃないかな。しかも狭い。

CEP(想起ポイント)は外国人にとって、「売ってる場所」(ドンキ)「わかりやすいパッケージ」(キットカット)「わかりやすいメリット」(MIMARUの一室当たりの料金と広さ、キッチンつき)なのだとわかった。

ディスカバー・ジャパン戦略に、とても参考になります。

和歌山の無肥料無農薬の梅、新潟の日本酒など、知ってもらいたい良い製品は山ほどある。

CEPを明確に設定します。

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