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ブランド様が決める

ブランドは旗。とんがり。

情報工学に、「地(ground)」と「図(figure)」という概念がある。
生活者は多くのメッセージに囲まれている。さらされている。スマホで起き、スマホで翌朝起きる時間のアラームを確認して寝る。起きてから寝るまで、スマホ画面にさらされている。今あなたはこの文章をスマホで読んでくれているかもしれない。

このように生活者はあふれんばかりのメッセージ「地」の中から、あなたの商品(製品・サービス)を「図」として判別し、認識してくれるようにしなければ、そもそも手にとってさえもらえない。

そこで、ブランド。ブランドは、生活者のこころ(マインド)の中に「私(商品)はここにいますよ〜!」と認識をうながす「旗」なのだ。
数限りないメッセージの「地」の中から浮かび上がらせる「図」になるための旗といえる。

よく「市場シェア」というよね? あれは具体的には、「生活者のこころ、つまりマインドの中で想起されやすさ」の指標とも言える。「アイスクリームといえば?」と聞けば、誰でも「ハーゲンダッツ」と答えると思う。

85%!

ぼくのマーケティング・コンサルタント大先輩・森行生さんによれば、ハーゲンダッツはプレミアムアイスクリームの85%の市場シェア。すごいよね。競合する明治の売上高1兆円、森永6000億円、ロッテ3000億円に比べ、ハーゲンダッツは500億円。ケタ違いに小さいにもかかわらず、これだけの「想起率」を獲得できているのは、ガリバーなシェアを維持できているから。こうなるとちょっとやそこらではひっくり返らない。

ただ、よくある勘違いは、「では、ブランドつくりましょう」となって、なんかやって、たとえば、カタログをきれいにして、パッケージ変えて、価格もちょい高くして「ブランドできた!」と思うことだ(笑)あるあるの勘違い。

ブランドは、結果、ブランドになる」のであって、「生まれたときからブランドです」というようなのは、存在しない。ジョン・レノンも、結果としてジョン・レノンになった。生まれたときからジョン・レノンだったわけではない。

BE:FIRSTは、ブランドとしてはまだ途上であり「これからブランドとして成長していきましょう」だ。

TWICEはすでに立派なブランドだ。

エーちゃんこと矢沢永吉も、ブランドになることを目指してがんばった。結果「オレはいいけど、ヤザワはどう言うかな?」という名言が生まれたりしている(これは伝説のようだが)。

そう。ブランドになると、ブランド担当者の思惑なんて、関係なくなる。「ブランド様が決める」。命を宿すのだ。ブランドが自走しているかどうか。これが、あなたの商品(会社)がブランドになったかどうかを判断する指標です。

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