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祈りを込めて

イントロにぶっ飛ばされたのがハタチんときだ。

以来、ストーンズはずっと生活の中にある。

新作出た。ミック・ジャガー80歳。オレ65歳。
年齢差15だからオレハタチんときはミック35歳だったんだなあ。

これまでお互い、いろいろあったよね。踏んだり蹴ったり、勝ったり負けたり。

一曲目から、刺さる。刺さる。

歌詞は「怒っちゃやーよ」
くる! くる!

そっから全曲、いい。

7曲目『Mess It Up』の最初、音量小さくて、「?」
そこへミックが叫んで・・・キターーーーー!! 
チャーリー・ワッツのドラムだ(おととし80歳で他界)。

やはりストーンズはチャーリーのドラムじゃないと。思わず涙。

ポール・マッカートニーが参加してるという『Bite My Head Off』は期待していたメロディアスなベースは聴けなかった。ただうるさいだけなんだけど、繰り返し聴くと良くなってくるんだろうね。ギターが三本聴こえる。ファズめいっぱい効かしたのがあるけど、ひょっとするとあれがポールかもしれない。

ミックのインタビューがいい。

ライブで『ギミー・シェルター』、ウクライナ国旗を映し出した。観客の空気が変わった。

「ギミー・シェルター」というのは文字通り、「シェルター、隠れる場所をくれ」。

「ギミー・シェルターのような曲がいまだに刺さるのは不幸なことだよ」
「60年代、70年代にだけ共鳴する曲だったらいいのにと思う」

戦争はなくならない。

そして戦争ばかりやってる人類へのレクイエムみたいなゴスペルソング。
『Sweet Sounds of Heaven』

スティービー・ワンダーがキィボードを、コーラスをレディ・ガガ。

美しい。

そして思う。

この新作は、ストーンズ史上ベストだ。

すごいよねー。年齢重ね、「これが最後のアルバムか?」と言われるような作品がベストになるなんて。

『Sweet Sounds of Heaven』を、ぼくはこの子に捧げたい。

エコノミストからのメール Oct 21st, 2023より

爆発に巻き込まれた母子。

後ろのパネルは血痕だらけ。

お母さんの腕に抱かれている女の子の目は虚ろだ。

エコノミスト誌は、この子の別の写真を今週号の表紙にした。

「いつ終わるんだ?」という見出しで。

The Economist, Oct 21st-27th 2023表紙より

ぼくは何もできない。ただ涙流すだけなのだが。

祈りながら、『Sweet Sounds of Heaven』を、ぼくはこの子に捧げる。

Let no woman or child go hungry tonight
Please protect us from the pain and the hurt

Sweet Sounds of Heaven 歌詞より

たとえ一人たりとも、おんなこどもが今夜飢えないように

痛みと傷からどうかお守りください

『Sweet Sounds of Heaven』(天国の甘くやさしい調べ)が、届きますことを。

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