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虎に翼、鬼に金棒

虎に翼
鬼に金棒

もともと強いものが武器を得てさらに強くなるさまをいう。

もともと強くない普通のあなたに「翼」や「金棒」を差し上げましょう。たった90日であなたの会社が儲かるようになりますよ

という「バカでもナマケモノでもできるショートカット」が、ある種のビジネス書のアプローチで、実はいまも書店に平積みされているのはこれが大半・・・おっとここまでにしよう。だから出版文化は知性を失った・・・やめとけって。

朝ドラ『虎に翼』を見ればわかるが、たとえ虎であろうと、翼に傷つけられることもある。傷つきながら、なんとか自分と折り合いをつけていく。手探り。その奮闘劇が物語となっている。

きっと鬼も同じだろう。金棒を買ってみたはいいが、なかなか使いこなせない。本当にこれで良かったのか? もっと簡単なバージョンにすれば良かった? 自信ない。

そんな虎や鬼に必要なのは具体的な目標だ。
目標立てると、現在地との落差が見える。
その落差を埋めるためのツール・・・それが翼であり、金棒。

そう、翼にせよ、金棒にせよ、目標との落差が見えていない限り、猫に小判、豚に真珠、バカボンのパパにChatGPT。

なぜこういうことを思うかというと、小松左京の仕事ぶりを知ったから。

正体不明のウィルスが蔓延、人類は破滅の危機に追いやられる。

ウィルスは中心にある核酸(DNAやRNA)の周囲をタンパク質が囲む。ところが『復活の日』のそれ(MM-88 核酸兵器)は、タンパク質がなく、むきだしの核酸。これによって感染力と毒性が高まる。生体内に入る(感染する)と約2時間で跡形もなく溶解し消失する。

よって抗生物質は無効。感染の真の原因もわからない。

ところが感染から24時間〜72時間以内に感染動物の70%が急性心筋梗塞を発症して死亡、残りも多臓器不全、全身性の神経障害を発症し死に至る。

まるでCovid-19パンデミックじゃないか、と思うがこの作品が出たのは1964年、今から60年前だ。当時「ウィルス」という言葉さえ、一般的ではなかった。

小松左京は取材のため、アメリカ文化センターに毎日のように通い、『サイエンス』『サイエンティフィック・アメリカン』から情報を得た。コピーのない時代、手書きで記事を写したらしい。インターネットも何もない時代。

小松左京の発想は鬼だ。

知的好奇心を発揮し、毎日アメリカ文化センターへ通い、雑誌記事を手書きで写す、という行動、これこそ金棒。

目標は、「当時まだ日本では未開だったSF(サイエンス・フィクション)をカタチにする」。科学をベースに、荒唐無稽な物語をつくる。科学者が読んでも納得できるだけの知見を込める。

虎に翼
鬼に金棒

な仕事ぶりを見せてもらった。

おかげで朝からめちゃくちゃやる気です(笑)エンジンかかりまくってます。GO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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