見出し画像

決算書を活用した利益とキャッシュ最大化(第3回:貸借対照表編②)

第2回の続きです。第2回はこちら ↓
決算書を活用した利益とキャッシュ最大化(第2回:貸借対照表編①) | 記事編集 | note

先行経営のSTEP2は、貸借対照表(B/S)の実際の数字から経営状態の分析をしてみることです。そのポイントは2つです。

🔸貸借対照表(B/S)の分析

(1) 当座比率

 最初に確認していただきたいのは「当座比率」です。当座比率とは、当座資産を流動負債で除した指標で、短期的な財務の安全性を表す指標です。流動資産は、図のように現金預金・受取手形・売掛金から構成され、換金性の高い資産をいいます。「流動負債」は、支払手形・買掛金・一年以内長期借入金から構成され、1年以内に返済義務のある負債をいいます。
 この当座比率ですが、できれば150%以上ほしいところです。つまり1年以内に返さないといけない借金が100あるならば、換金性の高い資産を常時150は持っていたいということです。

(2) 自己資本比率

 二つ目に確認していただきたいのは、「自己資本比率」です。自己資本比率とは、総資産に占める純資産(自己資本)の割合のことで、長期的な財務の安全性を表す指標です。
 この自己資本比率ですが、できれば50%以上を目標にしたいところです。前回の記事でも書きましたが、バランスシートの右側は資金の調達方法を表し、左側はその運用先です。つまり資金の運用において、その元手の50%以上は自らが稼ぎ出した資金であってほしいということです。もちろんそのためには、企業は利益を出し続ける必要があるわけです。

(3) 経営分析に使う財務指標について

 今回の記事で取り上げた財務指標は貸借対照表(B/S)のみを使った財務指標です。次回は、損益計算書(P/L)のみを使った財務指標を取り上げます。
 最近では、上場企業の統合報告書などで、ROEやROICといった指標が人気のようです。これらは、B/SとP/Lの両方を使って投資効率を測定する指標ですが、株主や債権者からの期待に対してどの程度、自社が応えているかを示す指標といわれています。
 上場企業の場合、特に機関投資家からの期待に応えるためにも、これらの指標を使って経営管理することに一定の意義があるでしょう。しかし、未上場の中堅・中小企業の場合、まずは、この記事で取り上げた安全性を示す指標と、次回説明する収益性を示す指標を重要指標としてとらえることが先決問題です。

詳しくは、動画「利益とキャッシュの最大化セミナー(BS編②)」をご覧ください。
リンク先はこちら ↓

続きはこちら↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?