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決算書を活用した利益とキャッシュ最大化(第4回:損益計算書編①)

第3回の続きです。第3回はこちら ↓
決算書を活用した利益とキャッシュ最大化(第3回:貸借対照表編②) | 記事編集 | note

決算書活用のSTEP2は、損益計算書(P/L)の実際の数字から経営状態の分析をしてみることです。そのポイントは3つです。

🔸ポイント1:限界利益と給与分配率

(1) 変動費と限界利益

 損益計算書(略称 PL)活用の第1歩は変動費と限界利益の把握です。それを下のような「ストラック図」を使って説明します。変動費とは売上や生産量に比例して増減する費用で、主に原材料や商品の仕入高や外注加工費から構成されます。原材料等の在庫増減が無視できない場合は、仕入高に対し「期首在庫在高 - 期末在庫在高」を加えます。 
 そして、売上高から変動費を差し引いた残りを「限界利益」と呼び、限界利益を売上高で割った比率を「限界利益率」と呼びます。下の図では、売上高1億円から変動費5000万円を差し引いて限界利益は5000万円、限界利益率は50%となります。

(2) 固定費

 次に固定費を把握します。固定費とは、売上や生産量に比例して増減せず固定的に発生する費用ですが、便宜的には変動費以外のすべての費用と考えればよいでしょう。下のストラック図でいえば4700万円に相当する部分です。株式会社であれば会社法に則った決算書を作成しているため、固定費部分についても在庫増減があるかもしれません。その場合は、製造原価明細書から原材料と同様に在庫増減をひろい発生費用に加味します。また、電力料のように変動部分と固定部分の両方を含む費用がありますが、その場合はその比重から考えてどちらかに分類すれば良しと考えます。分析や計画策定が目的ですので固変分解はあまり細部にとらわれず、ある程度大胆に割り切ることが必要です。ここでは、仕入高と外注費以外はすべて固定費として考えます。
 そして、最後に「利益」ですが、限界利益5000万円から固定費4700万円を差し引いた残りの300万円となります。

(3) 給与分配率

 「給与分配率」とは、限界利益の中で人件費の占める割合をいいますが、下のストラック図では、3400万円÷5000万円の68%となります。これとよく似た指標で労働分配率という指標がありますが、こちらは社会保険料など法定副費を含んだ労務費全体を分子にします。しかし、法的に発生する費用は企業がコントロールできないため、役員報酬・給料賃金・賞与だけにフォーカスした給与分配率という指標を使います。
 これは、多すぎても少なすぎてもダメで、40%~50%を目安にすると良いでしょう。

詳しくは、動画「利益とキャッシュの最大化セミナー(PL編①)」をご覧ください。
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