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こんばんは、黒い過去です。

店舗勤務初日の朝・・・。

少し気が重い朝だった。
「今日から始まるかぁ」
今日は、同期4人と同じ時間帯での勤務。
仕事は15時から。。

「14時30分にロビー集合ね」
一人からメールが届いた。

14時30分。全員が集合。
「よし、行こうか!」
全員でなぜか気合を入れあった。

他の3人は分からないが、少なからず私は
とてつもなく緊張していた。

店舗につくと店長が待っていた。
「おはようございます!」
開口一番大きな声が店内に響き渡る。

私たちもそれに負けじと大きな声で挨拶をした。

「今日から宜しくね」
挨拶の日に会った時の印象とは違い、
妙に爽やかな感じだった。
この店舗の社員は私達以外で店長含めて3人。
一人はホールメインで仏様のような優しい社員さん。
もう一人はキッチンメインで寡黙で少し近寄りがたい社員さん。
店長はとにかく勢い重視でその割に周りをちゃんと見ている切れ者。

初日の私たちは「ホール勤務」となった。
4人中2人はアルバイト研修でホールを経験済み。
もう2人はキッチン経験のみ。
ちなみに私はホール経験でキッチンも少しかじっていた。
しかし、キッチンはまだうろ覚えな部分があまりにも多く、
全くもって自信がなかったので少しほっとした。

まずは店内清掃から。
皆の緊張感が伝わる中、黙々と清掃を進めていく。

そして時間は開店の17時を向かえる少し前、
朝礼が始まった。

4人がそれぞれ挨拶をした。
「これから宜しくお願いします。」
西日暮里店は中国の方が多く、半数はそうだった。
こちらを見る目に威圧感があったのを覚えている。

そして営業開始。
開店と共にお客様が来店。
「いらっしゃいませ!」ホール内に声が響いた。
私の緊張感は更に増した。
私は、この日は2階のホールの担当となった。
お座敷がメインの宴会エリアだ。

研修で覚えたことをこれでもかと頭の中を回転させ
情報を引っ張り出していた。

1時間も経過するとあっという間に席は満席となっていた。
4月なので歓送迎会による宴会が多数入っていた。
宴会料理がバンバン厨房から出てくる。

ちなみに、この店舗の売上は平日で50~60万。
週末になれば100万円は必ず超える店舗だ。

厨房からは「早く持っていって!」の連呼で、
ホールの人間は料理を出しては厨房に戻ってを延々繰り返していた。
私は我武者羅にホール内を走り回っていた。

その時、もう一人の同期の子がお客様対応で注文をとるのに
手間取っていた。私がフォローに入ると店長が来て、
「新人2人が固まってても意味ないでしょ。他の子に対応してもらって」
そう言葉を吐き捨てられて店長はその場を急いで去っていった。

そう、私達はまだ新人。。
誰からの信用もなく、はっきり言ってしまえば「お荷物」扱いだ。
しかし、私はその言葉のお陰もあってようやく吹っ切れた。
「とにかく、今できる事をやろう」同期の子にそういって
お互い分からないなりに精一杯動いた。


そうこうしているうちに初日が終わろうとしていた。
この日は、自分が何をしていたのか思い出すことすらできないくらい
忙しく、動き回っていた。

締めの後、店長から「今日いい動きだったよ」そう褒めてくれた。
私は、その一言で今日一日が報われたような気がしていた。
この店でやっていけるかも、そんなかすかな希望を見出していた。

そして店長からさらに「明日から、ホール・キッチンを2名ずつ分けて
研修とします」と言われた。

私はというと、、、まさかのキッチンスタート。。
まさに苦手とするポジション。しかも九州で研修していた店舗とは
売上が2倍以上違う。。

まぁ、それは明日から考えよう、、
その日はもう何も考えたくないくらい疲れていた。
家に帰った私はテレビをつけたまま落ちていた。
「こんな生活がこれから続くのか、、、、」

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