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キャロットクラブ 2023募集馬(2022年産)AI馬体診断

2022年産の1歳馬のAI馬体診断の第16弾として、キャロットクラブの募集馬の診断結果を公開する。

地方入厩予定馬を含めて全95頭の募集(募集中止の1頭を除く)で、平均スコアは0.31、満点評価は無しとなった。ここまでに評価を行った社台・ノーザン系クラブと比較すると、サンデーTC0.52、社台TC0.44、G1TC0.35、シルクHC0.31という平均値なので、シルクと並んで最も低い平均スコアということになる。
募集金額とスコアとの相関をグラフにしたものを見ると、平均を採った直線が右肩上がりになっており、高額馬ほど高いスコアが出る傾向にあるようだ。一方で、最高額となるハープスターの22が0.25、次点のリリーバレロの22が0.12といずれも平均を下回っていたりするので、あまり素直に正の相関があるとは実感しづらい結果とも言える。
東西別で見ると関東入厩予定馬が平均0.30、関西が0.32となっていて東西の差はほとんどなく、性別で見ると牡馬が平均0.38に対して牝馬が0.25と、こちらは差が大きい。

キャロットC2020年産のAI馬体診断結果と現在までの競走成績を比較して、AI馬体診断の精度を検証してみる。
2020年産のAI馬体診断スコアを公開したのはこの記事で、そこで診断スコアの上位である0.90以上の評価を得ていた17頭の中央在籍時の競走成績(2023/08/25現在)を見ると、以下の通りとなっている。
・1.00 ココクレーター(現役:4戦1勝 [1-1-0-2])
・1.00 スティールウィル(現役:1戦0勝 [0-0-0-1])
・1.00 トラヴォルジェンテ(現役:2戦0勝 [0-0-0-2])
・1.00 アルアリング(引退:未出走)
・1.00 サンジュリオ(引退:未出走)
・1.00 プレドミナル(中央抹消:3戦0勝 [0-0-2-1])
・1.00 オクタグラム(中央抹消:4戦0勝 [0-0-0-4])
・1.00 ラレーヌデリス(現役:4戦1勝 [1-1-1-1])
・1.00 ブルーペクトライト(現役:6戦1勝 [1-0-0-5])
・1.00 ラッフィナート(引退:未出走)
・1.00 シュタイナー(現役:6戦0勝 [0-0-0-6])
・0.98 ラクサパーナ(現役:8戦1勝 [1-0-1-6])
・0.95 スキルヴィング(中央抹消:5戦3勝 [3-1-0-1])
・0.94 ジャミーレ(現役:2戦0勝 [0-1-0-1])
・0.92 ライジングホープ(中央抹消:8戦0勝 [0-2-0-6])
・0.92 ガーランドスタイル(現役:5戦0勝 [0-1-0-4])
・0.90 レイアネラ(引退:未出走)

ここまでキャロットCのこの世代では募集馬83頭(5頭の募集中止および地方所属馬除く)中37頭が勝ち上がっており、勝ち上がり率は44.6%。一方で上記の高評価組は17頭のうち5頭の勝ち上がりで同29.4%どまりと、クラブ全体の平均よりかなり劣る結果となった。中でも満点評価が11頭も出ているのに対してそのうち勝ち上がりが3頭で、いずれも1勝しかできていないというのは非常に寂しい結果だ。
キャロットのこの世代の活躍馬のうち重賞勝利馬は3頭いて、青葉賞を勝利してダービー完走後に急逝したスキルヴィングこそ上記の高評価対象に挙げられているが、日本ダービー馬のタスティエーラはスコア0.47、アルテミスS勝ちのラヴェルにあたっては0.02と非常に低い診断スコアを出していた。
これらの結果からすると、この世代のAI診断は残念ながら期待に十分に応えることができなかったという評価となるだろう。

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